うまく習字が書けず授業を飛び出した子に対応した話

廊下で・・・
取り出し授業のない空き時間
職員室に戻る途中、授業を飛び出し廊下で好き勝手遊んでいるCくんを見かけみかけました。
声をかけても言うことを聞かないので、教室から離れた教具室まで連れて行き話を聞く。
聞くと習字の時間だがうまく書けないから嫌だとのことです。
さて、どうしよう。
一緒にやる
そこで
「先生と書こう!習字は得意技です(^ ^)」
と声をかけると「本当?」と言いながら教室に戻ってくれた。
担任に断り準備をして、後ろから手を抑えて一緒に書く
- 「筆は立てて」
- 「トン、スー、トンのリズムで」
- 「横画は少し右上にあげます」
など一画ずつ教えて2枚書いてみます。
すると「自分でやる!」と言って書き始め、4枚書いて最後に納得した作品を書き上げることができた。
そして、次の授業も自然に参加していった。
できないのはイヤ!
廊下に一斉に掲示される習字や図工の授業では、友達と作品が直接比較されるので、「みんなのように、うまくできない」という事実は何より嫌な体験になる子もいます。
そのような子に
- 「下手でもいいんだよ」
- 「みんな違っていい」
などの言葉は伝わりません。
自分でも下手だと否が応でも理解し、さらに周りにも評価されない、と言う体験をしているからです。
「子どもが納得できるものが書けたり、作れたりするように教える」
と言う授業力がなければ、言葉が伝わらない子もいるのです。
教えないことが伸ばす?
よく「何も教えないことが子どもを伸ばす」と言う主張を聞きます。
しかし、それができるのは
「何かあった時に教えられる」
というセーフティネットの力をもった先生だけです。
長年鍛えた授業力がある先生だから「教えない」と言う指導が可能になるのです。
だから、教師にマストで必要なのは、子どもが成功体験を得られる「教える力」なのだと再認識しました。
終わりに
こうして、散々偉そうなことを書いた私は、実は書字に困難のある悪筆の人間です。
「字が汚いからせめて習字だけでも!」と必死に練習した昔の自分に感謝します(笑)
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※第2版が販売開始しました(^ ^)