授業中好き勝手に行動する子への対応 〜後輩の授業を見学して〜

後輩の授業を見学
今日は、空いた時間を使って後輩の授業を見学しました。
関係ないことを自由に発言したり、動き回る子が多いので、どうすればいいか教えてほしいとのことです。
授業を見てみると、後輩のクラスは、全体的には元気がある、でも活発よいというより、うるさいという表現が適切な様子でした。
先生が話していても、
- C君が割り込んで話しかける
- D君が席を立つ
などの行動が見られました。
グレーゾーンの子
C君やD君は、特別支援が必要な可能性のある、いわゆるグレーゾーンの子。
(発達障害ではないが、軽度の知的のおくれ、行動面・学習面で困難をもつ児童)
後輩は、
- 「誰かが話している時は、静かに聞く」
- 「授業中は席を立たない」
など、何回も注意をしていました。しかし、少しすると、また同じことの繰り返しです。
そして、C君D君の雰囲気に流され、他の子もザワザワし始め、結果クラスが騒がしくなっていきます。
ちなみに、グレーゾーンの子は1クラスに2〜3名の割合でいるとされます。後輩のクラスが特別なクラスなわけではありません。
- 「一発ガツンと叱る」
- 「行動が収まるまで、注意し続ける」
- 「教室の外に出して、個別指導」
- 「ルールを守らないと罰を与える」
さてみなさん、このような状況でどう対応しますか?
アドバイス
対応する方法は様々ですが、私は後輩に、
「C君とD君が何をしても、無視をして授業を進めてみて」
とアドバイスをしました。
みなさんは、このアドバイスにどんな印象をもつでしょうか?
- 「それはひどいんじゃ・・・」
- 「愛情を感じなくなり、ますます言うことを聞かなくなるのでは・・・」
こんな印象をもつ人もいるかと思います。
理由
アドバイスの理由は2つあります。
1、行動の判断基準を作る
1つ目は、良い行動悪い行動の判断基準を作るです。
まず、なぜ彼らは好き勝手に振る舞うのでしょうか?
それは、先生や友達が注目してくれるからです。
グレーゾーンの子にもいろいろいますが、今回の場合、人間関係の構築が苦手な様子を見ていて感じました。
いつも1人で好きに行動していますが、本当は、友達と遊びたいという気持ちをもっています。うまく言葉で表せないだけで、つながりを求めています。
だから、あえて叱られることでもやってしまうし、ルールを守れません。
なぜなら先生の注目を得られるからです。
C君D君にとっては、どんなことをしても先生の注目を浴びたいのです。
いい行動も悪い行動も目的を達成できるため、同じものとしか捉えられません。
つまりいつまでたっても、問題行動を止められないのです。
最初のアドバイスに戻りますが、まず好き勝手なことをしても授業を続けます。
すると、「この行動をしても、先生は相手をしてくれない」ということに気づきます。
次に、席に着く、ノートを出すなど、どんなに些細でも正しい行動をしたとき、すかさず褒めます。
(「席について偉いね!」「話を聞いてくれてありがとう!」)
そこで、この行動をすると先生が相手をしてくれる、ということを覚えます。
このように、
と、はっきり分けることで、子どもに体験で理解させます。
グレーゾーンの子は、いい行動と悪い行動の区別を自分で判断することは難しいです。
だから先生が、はっきりと行動で分けて気づかせると、行動が改善されていくことが多いです。
2、他の子の不満を減らす
そして、2つ目の理由は、C君D君以外の子の不満を減らすということです。
先生が一部の子に対応している間、他の子はどうしているのでしょう?
大部分の子はきっと待っていてくれるでしょう。
でも、待たされている間に不満は溜まります。
「授業なのに、先生は一部の子にしか構わない。まじめにやっているのに・・・」
こう思ってしまうと、どんなによい子でもおしゃべりを始めます。
まじめにやって大切にされないなら、自分が楽しいことを始めるのは自然な流れです。
こうしてクラスの一部に構うことで、クラス全体に不満が溜まり、荒れていくのです。
まずどんなクラスでも、まじめに授業をしている子に一番褒めてかまってあげましょう。そして、一番楽しい時間にしましょう。
そうすれば、みんな授業にまじめに取り組み始めます。
その後、一部の参加しない子も、楽しい雰囲気に誘われて、授業に加わります。
小学生といえど、人間です。そしてクラスは何十人と抱えた人間集団です。
動かすには、まじめな大多数のグループを味方につけることが最大のセオリーです。
クラスの8割を味方につけてしまえば、その学級は安定します。
(クラスのまじめな子8割と学校生活の8割である授業です。)
その後、残りの少数派の子は、学級活動、休み時間、話し合い、お楽しみ会、道徳、先生のできる限りのことをして、最高の仲間にしていきましょう!
終わりに
という話を、放課後後輩に授業の感想とともに伝えました。
今後、後輩がどのような実践をして、どう変わっていくかはわかりませんが、できるだけ支えてあげようと思います。
以上です!
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