褒めると嫌がる子にどう対応すればいいのか? ~褒め方を工夫してみた話~

褒められるとイヤ?
「褒めると子どもが嫌がる」という意見があります。
確かに、小さい頃は、褒めると無邪気に喜んでくれます。しかし、思春期になると子ども同士の仲間意識が強くなり、褒められることで目立つことを嫌うようになる子は多いです。しかし、「褒めなければいいのか?」と言えばそんなことはありません。
落ち込んだ時には「うちの親は私に興味がない」「先生は見てくれない」などど言って、大人は「どうすればいいの?」と感じてしまいます。また、自己肯定感が上がるとも聞くし、やはり褒めた方が良いという気もします。
このような、難しい年頃の子にどうすればいいのでしょうか?
褒めるのは大人だけではない
もちろん、子どもが良いことをしたら褒めて、認めて自己肯定感を上げることはとても大事です。
しかし、大人は「教育を受けさせる義務」をもっているため、つい「自分がどう褒めるか?」という視点で考えがちになります。でもよく考えると、褒めるのは別に大人でなくともいいと考えられます。
以下で例を紹介します。
①子ども同士でほめる
先生から褒められると嫌がる子も、友達に「すげーな!」と褒められると、「だろ!」と素直に受け取ります。子ども同士の関係性が近い思春期では、子ども同士でほめるシステムをつくった方が素直にほめ言葉を受け取れるので自己肯定感も高まりやすくなります。
例えば、
作文や観察カードなどを周りと交流して感想を述べ合うグループディスカッションの時間を設けると、お互いの良いところを交流するので自然と褒め合う流れが生まれます。(苦手な子には、当然支援を入れた上で行います。)
また、図工の鑑賞で作品に友達からのコメント欄をつくると、
「~の色使いがきれいです」「~の工夫がすごいと思います。」
と周りの子からのコメントは素直に受け取って自己肯定感が上がります。
このような、友達同士で褒め合うという場を設定するのは有効です。
②自分で自分を褒める
自己肯定感というのは、そもそも「自己を肯定できている」という意味です。
よって、自分で自分を褒める場面をつくることも有効になります。
例えば、授業のワークシートに、
①よくできた、②まあまあできた、③できなかった
という評価欄をつけます。
そして、授業の最後に自己評価をすれば、自然に自分を振り返り褒めることができます。
他にも、授業の最後に先生から、「今日授業中に発言できた人?」と子どもに聞きます。
- 発言できた→ノートにAと書きなさい
- できなかったけど次はしたい→Bと書きなさい
- やる気がなかった→Cと書きなさい
このように、自分の出来を振り替えさせると、同時に自分を褒めることができます。
他にも「自分で丸つけをさせる」という方法があります。
例えば、ノートに問題を書いたり、プリントをやって提出することがあると思います。
この時全てあっているのであれば、
「100点なので、自分で華丸と100点を書いておいて(^ ^)」
と言って返します。
すると、1つずつ丸をつけたり、大きな華丸を書いたり、10000点!と書いたり、その子なりの喜びを表現して、自分を褒めます。
自信のない子も、自分に丸をつけるたびに、少しずつ自分を認めて、自己肯定感を上げていきます。
終わりに
大人は、つい「褒めて育てる」と考えてしまいます。
しかし、子どもが将来育って欲しい姿は「他人に褒められる子」も大事ですが、
「周りの人を褒めて、喜べる人」「自分を受け入れて、自分を褒めることができる人」
という姿も大切ではないでしょうか?
褒めて育てる方法も色々ですので、工夫をしてみることをお勧めします(^ ^)
以上です。
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