話の聞き方を指導するにはどうすればいい? 〜教えたことの定着×イントラバーバル〜

話の聞き方が身につかない
子どもへの大切な指導に「話の聞き方」があります。
- 先生が大事な話をしているときに、後ろを向いておしゃべりをしている
- 友達の発表のときに鉛筆をいじっている
話の聞き方が悪いと発表者も話しづらくなり、子どもたちの「話す力」も伸びなくなります。
また、学級全体で安心感をもって行動できなくなる子もでます。
しかし、話を聞く大切さを教えても、なかなか子どもたちに身につかないケースが多いです。
一体どうすればいいのでしょうか?
教え方:話の聞き方「あいうえお」
まずは最初に「良い話の聞き方とは何か?」を教えることが大切です。
「ちゃんと聞きなさい」「しっかりしなさい」
と曖昧な指導では、子どもたちも何を変えれば良いのかわかりません。
有名な指導として「話の聞き方あいうえお」があります。
- あ:相手を見て
- い:いい姿勢で
- う:頷きながら
- え:笑顔で
- お:終わりまで
この5つを守って聞くと、話の聞き方ができていると言えるでしょう。
一方、この指導をしても子どもたちが覚えてくれない、という悩む先生もいます。
確かに、大事なことは実際の行動が変わることです。
「知る」を「できる」に変えるにはどうすればいいのでしょう?
定着させる方法:イントラバーバル
話の聞き方を教えた後は、実際に使わせることが大切です。
やらない子に「さっき教えたでしょ!」と叱る先生がいますが、教えただけで出来る人は存在しません。
教えたことは、繰り返し使うことで定着するのです。
指導の一例として、イントラバーバルという方法があります。
これは、「先生が途中まで言って、残りを子どもに言わせる」という方法です。
例えば、話し合い中ダラけている子がいたら、先生が「あ!」と声をかけます。
すると、子どもたちは思い出して「相手を見て!」と答えて、発表者を見ます。
このように、先生が合図を出し、子どもたちに教えたことを言わせるのです。
イントラバーバルのメリットは「自分から行動させることが出来る」ということです。
先生が「相手を見なさい!」と指導すると、それは受け身で行動したことになるので、なかなか定着しません。
しかし、途中まで先生が言って、その後を子どもたちに言わせると
「自分で言ったこと=能動的なアクション」
になるので、ただ指導されるより、定着が早まります。
他にも、出来てない子に対して個別に声をかけると、周りの子は「あの子はダメな子なんだ!」と間違った理解をすることがあります。
よって、全体でイントラバーバルで声をかけることで、個別の子が目立たずに指導を入れることができます。
そうして、何度も「あいうえお」を唱えていくうちに子どもたちは話の聞き方を覚えていきます。
すると、先生が言わなくても話が聞けている場面が出てきますので、その都度褒めて定着していきます。
このようなステップで、指導を入れていきます。
もちろん支援が必要な子には個別の配慮をしますが、多くの子は定着することができます。
終わりに
話の聞き方が出来ると学級に安心感が生まれて、子ども同士の仲も深まっていきます。
話の聞き方は授業、学級経営を安定させるためにとても大事になりますので、意識して指導することをお勧めします(^ ^)
最近は、特別支援教育の考え方が広まり、
- 「人はそれぞれ聞きやすい話の聞き方がある!」
- 「聞けてれば何だっていいじゃないか!」
という意見も出てきています。
しかし、この世の中は「人と関わって生きる」のが基本です。
自閉症スペクトラムのように、対人関係に困難のある子であれば、なおさら話の聞き方は身につけた方が、将来のメリットは多いです。
もちろん、困難のある子には配慮をしますが、生きる上で大切なスキルを身につけることも考えるべきだと私は思います。
以上、参考になれば幸いです(^ ^)
=========================
※新刊が出ました!特支オタクの当HP運営者が、学級経営について全力で研究、実践した記録です!
※特支オタクの当HP運営者が、特別支援教育の手法を普通のクラスに取り入れてみた実践本の第2版です(^ ^)