「わかりません」が言えない子にはどうすればいい? 〜信頼関係を築くためのステップ〜

助けを求められない子どもたち
授業をしていると、じっとして動かない子がいます。
先生は、
「わからない時は、『わかりません』『教えてください』って言ってね」
と指導しますが、なかなか動いてはくれません。
一体どうすれば良いのでしょう?
必要なのは信頼関係
ただ見ているだけでは、
- 「不安感が強い子なのかな?」
- 「目立っちゃうのが嫌なのかな?」
と先生は思ってしまいます。
しかし、子どもは信頼している先生には、すぐに助けを求めることができます。
「先生に助けを求めることができない」という状況はすでに、「先生を信頼していない」と同じなのです。
このような、助けを求めるスキルだけでなく、何か指導を入れる時に大事なことは、
「最初に信頼関係を構築する」
ということです。
信頼関係があれば、子どもは素直に言うことを聞いてくれますし、苦手なことでもチャレンジしてくれます。
しかし、学級とは偶然一緒になった子どもと先生の集団です。
子どもたちも先生を選んで集まっているわけではありません。
つまり、学級という集団に信頼関係は最初から存在しないのです。
子どもから信頼を得るには
では、どうすれば信頼を得られるのでしょう?
信頼を得るための原則は「無償で与える」ということです。これは大人も子どもも変わりません。
- 授業で新しいことを楽しく教えてくれる
- 勉強で困っていたら先生が来て教えてくれる
- 友達と喧嘩になったとき先生が話を聞いて仲直りさせてくれた
- 休み時間に一緒に楽しく遊んでくれる
このように、まず先生は無償で子どもたちに与えることが大切です。
そして、「先生が優しくしてくれた!」「先生の言うことを聞くといいことがある!」などの体験をたくさん経験した後で「先生ことは信頼できる!」と言う関係が構築されるのです。
そして、信頼関係があれば先生の指導も入ります。
- 勉強の大切さ
- 主体的に動くことの価値
- 他者貢献の素晴らしさ
- 困った時に助けを求める大切さ
このような、生きる上で大切な考え方を受け入れて行動を変えてくれます。
何も与えることなく、褒めたり、叱ったりして子どもの行動を変えようとしても無理なのです。
なんでもやってあげると子どもは動かなくなる?
上記の話とは対象的に、
- 「なんでもやってあげたら、子どもが自分からやらなくなる」
- 「子どもが自発的に動くまで待ちなさい」
というアドバイスは多いです。
もちろん大切なことですが、信頼関係のない状態で任せても、動けるのは豊かな才能を与えられた一握りの子だけです。
その他大勢の子は、「この先生は信じられる!」と言う確信がなければ動けません。
だから、まず先生から与えることが全員育てるためには不可欠です。
このステップを抜かしてしまうと、才能のある子しか育たない学級になるでしょう。
終わりに
一昔前は、家庭で「先生の言うことはちゃんと聞きなさい!」と指導をしてくれました。
しかし、今はこのような指導をしてくれる家庭ばかりではありません。学校や教師に対して少なからず、不安・不満をもっている保護者も少なからずいます。
この状態で、先生が子どもたち全員に指導を通すためには、意図的に信頼関係を構築していかなくてはいけません。
最初から子どもに無茶を通すのではなく、最初は信頼関係を目的として関わってみましょう。
そのうちに、子どもは先生の期待に応えてくれるようになります。
そうすれば、きっと主体的で自律した子どもを育てることができるでしょう(^ ^)
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※第2版がでました(^ ^)