聴覚優位な子の勉強の特徴は? 〜子どもの得意な力を把握する〜

視覚と聴覚
人には
- 聴覚情報から考えることが得意な「聴覚優位」
- 視覚情報から考えることが得意な「視覚優位」
と呼ばれる人がいます。
人は程度の差はあれ得意なタイプがあります。
この2つのうちどちらの力を使っているか考えることで、勉強を教えるときのサポートがしやすくなります。
今回は聴覚優位な子によく見られる学習の特徴を紹介します。
聴覚優位の子のよくある間違い
勉強をしていると、聴覚優位の子にはよく見られる間違いがあります。
(絶対ではありませんが、頻度が高いです)
①「8」と「1」を間違える
聴覚優位の子は、音声情報で物事を記憶することが多いです。
例えば、計算の答えが8(ハチ)のとき、答えを書くまでの間に、音の似ている1(イチ)になってしまうことがあります。
(8が1になることもあります)
このような音で覚えることで起こる間違いには、35(サンジュウゴ)と書こうとして、305と書いてしまうことがあります。これは十進法の概念を理解すれば無くなりますが、小学校の低学年のうちなどはよく見られる現象です。
②送り仮名の間違い
聴覚優位の子には漢字の問題で、送り仮名の間違いが多い傾向があります。
「ひとつ、ふたつ、みっつ」という字を「一、二、三」と送り仮名を書き忘れる。
あるいは、「当たり」を「当り」など送り仮名の文字数を間違えてしまうことがよくあります。
これは送り仮名の数などは視覚情報で覚えるので、視覚より聴覚で覚えるのが得意な子は、送り仮名より読み方の音声の方を優先して覚えてしまうことで起こります。
③読み方の同じ字の間違え
- 「親切」→「新切」
- 「方法」→「法方」
などの漢字の間違え。
あるいは、
- 「おおどおり」→「おうどおり」
- 「つまずく」→「つまづく」
- 「じめん」→「ぢめん」
など、同音のひらがなは間違いがよく見られます。
ひらがなやカタカナは、基本的に「形と音」が一致していれば大丈夫です。
しかし、漢字は「形と複数の読みと複数の意味」が融合している字なので、情報量が多く視覚情報まで手が回らない子が多く出てしまいます。
日本語が世界で一番難しい、と言われる所以ですが、逆に「記憶のとっかかり」も多いので、その子にあった学習方法を見つけやすいとも言えます。
終わりに
上で紹介したのは一例ですが、間違いを見ることで視覚と聴覚で入りやすい、情報提示の仕方がわかります。
特徴がわかれば個別に教えるときに役立ちます。
また、集団で行う授業では視覚・聴覚の両方の情報を提示することが基本です。
間違いを見ると、子どもに不足している情報もわかるので授業改善になるので、テストは子どもの習熟度を確認するための道具であると同時に、先生の授業レベルを図るものさしにもなります。
大人はつい自分の勉強の仕方を基準にしてしまいますが、子どもには子どもに合った勉強の仕方があります。
先生は「子ども基準」で勉強を教えられるようになりましょう(^ ^)
以上です!
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