おとなしい子はいい子? 〜気持ちの成長と将来の姿〜

- 素直に大人の指示に従えるおとなしい子
- 口答えや多動的で大人の言うことを聞かない子
だと「おとなしい子」にできる指導者が評価が高くなる傾向があります。
しかし、絶対ではありませんが、子どもの発達段階的に、言うことを聞かない子の方が、実は健全で良い育ちをしている場合があります。
◆言うことを聞かない子
例えば、大人の言うことを聞かず、自分の主張ばかりすると言う子は、多くの場合「自分の気持ちを言葉にする」という発達が促されています。
これはその後成長していく上で、
「嫌なことは嫌、好きなことは好き」
と自己認識して感情をコントロールする力が育つ基盤となります。
この基盤があるから、将来、我慢が必要な時には、
- 「嫌なことだけど、友達のために我慢をしよう」
- 「勉強は辛いけど、志望校に受かるために頑張ろう」
などの嫌に感じる自分の気持ちを受け入れて、前向きに行動できるようになります。
だから、強いメンタルが育つし、間違った行動に進むことが少なくなるのです。
◆思いを抑えてしまう子
一方、自分の思いを抑えて、大人の言うことを聞いてしまう子は、「自分の気持ちを言葉にする」という経験を積めないまま成長していってしまいます。
この発達が促されないまま成長すると、体は「嫌だ」と思っても
- 「人の言うことを聞くのが正しい」
- 「大人しくして、何もしないのが正しい」
と自分の気持ちに嘘をついて、行動する思考。癖が出来上がってしまいます。
こうなると、理不尽な命令や無理な要求をされても、
- 「言われたことはやっていればいい」
- 「私は何もしないのが正しいんだ」
と、嫌だと感じる体の反応とは異なった理解・受け取り方をしてしまいます。
この受け取り方は、体と心が一致してないので心身に負荷がかかり、メンタルも育ちません。
◆大事なこと
大事なことは「子どもの感じる気持ちを言葉にしている子は健全な状態である」と言うことです。
そして指導者は「子どもの感じる気持ちを引き出し、感じた気持ちを言葉にしてあげる」ことが大切です。
概して、子どもがテンションが上がるような活動を、子供が扱いきれなくなるので、先生や支援者は選びがちになります。
しかし、わがままで、扱いにくいかもしれませんが、それは強い将来、心身が強く、自分の気持ちをコントロールできる人になるための大事なステップなのです。
終わりに
わがままだと叱るのではなく「成長している!」と喜べる。
うるさいと面倒くさがることなく将来を見据えて、子どもの感情をたくさん引き出してあげる。
そんな支援者が増えて欲しいと思います(^ ^)
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※第2版がでました!
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第2回発達支援研究会 〜LDを抱える子への学習支援〜