「ゆっくり丁寧に学習に取り組んで欲しい」と保護者に要望されたら

無茶な要望?
多動系のお子さんを持つ保護者の方から、
「ゆっくり丁寧に学習に取り組んで欲しい」
と先生に要望するケースは多いです。
そもそも、ADHDなどの多動性のある子は、
「ゆっくりできない、丁寧にするのが難しい」
という特性です。
「ゆっくり、丁寧に、しっかりと」などは、そもそも要望するのが無茶であり、目が悪い人に「もっとよく見て欲しい!」と言うのと本質的に変わらない要望です。
しかし、要望される保護者の気持ちもわかります。
毎日、プリントを見るたびに
- 字がマスを飛び出している
- とめ、はね、はらいがない
- 字が読めない
と言う字を、我が子から見せられるのだから、
「せめて、なんとかならないか・・・」
と思ってしまうのは、仕方のないことだと思います。
子どもを見るときに
上記のような要望があったので、宿題の時間に、
「字を濃く書いてね」
と声をかけた。
濃く書こうとする
→必然的に手や指にいつもより力が入る
→筆圧が上がる
→ゆっくり書くようになる
→形やとめ、はね、はらいに注意を払う時間が増える
という行動の結果、いつもより形が整った字になる。
もちろん子どもにもよりますが、多動系の子は不器用さも同時に持っているケースが多いので、見た目ではかなり変わったように見える。
また、学習中の取り組みも「ゆっくり丁寧」のようになっていた(と思う)
他にも、 字を書くのに力がいるので疲れる、その結果、宿題後は多動が少し抑えられた(笑)
まとめ
些細な取り組みですが、少しでも変わった姿を見ると保護者も安心します。
そして保護者のメンタルの安定は、子どもの日常生活すべてにプラスの影響をもたらします。
子どもの苦手なことを「やらなくていい!」と避けてしまうことは簡単です。(私もやることは多いです)
でも、些細なことでも「できる」という体験を積むことは、子どもだけでなく、周りの人も含めて良い影響を与えます。
少しの「できた」を提供し続けられるような、支援者を日々目指していきましょう(^ ^)
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