わがままな性格で時計の電池を抜いて隠してしまう子

わがままな子
放デイの職員から、
「わがままな性格で、置き時計の電池を抜いて隠してしまう子(Aくん)がいる」
と言われたので教室にいって見てみました。
療育の様子を後ろから見ていると、確かに近くにあった時計の電池を抜いてポケットに隠してしまいました。
職員が注意しますが、「うるさい!」と言って抵抗しています。
よく見ると・・・
その後の見ていると、
- 途中で大声を出す
- 遊んでいる子たちに「うるさいんですけど!」と怒る
- 流行りの歌を歌い出す
などの様子があり、物音にはすぐに反応して、目線をむけていました。
どうしたか?
すぐにわかった方もいると思いますが、これらの様子は聴覚過敏の子に見られる行動です。
なので私は、時計を子供の視界に入らない離れた場所に置きました。
そして「時計はもうあっちにやったから電池返して」と言うと、「ナイスだぜ!」と言って返してくれました。
その後は、多少のお喋りはありつつ、課題を終えることができました。
なぜ気づかない?
その子は自閉症という診断もありましたが、同時に知的の遅れなども併発していました。
なので、知的な遅れが原因の行動なのか、聴覚過敏による行動なのか分かりづらかった、ということです。
「聴覚過敏」という言葉を知っていても、それを目の前の子に適応して考えることができるのか?
というのは、別の問題です。
例えば、
聴覚過敏の子の中には、Aくんのように大声を出してしまう子がいます。
これは耳に入ってきた音を自分の声でかき消そうとして大声を出してしまうという意味で、実はよく見られる行動です。
しかし、「聴覚に過敏があるのに、自分で大声なんか出せないだろう」と単純に考えてしまうと見過ごしてしまいます。
療育後は、職員とフィードバックして、今後の対応を話し合いました。
終わりに
今は特別支援教育・療育の視点が現場に入ってきて、どんどん現場の質が上がっています。
しかし、まだまだ知識先行で伝わっており、現場で使える知識にまでなっていない印象です。
(私もまだまだです!)
今後も、専門知識と現場で使えるレベルまで落とせるように、職員と勉強を続けて行こうと思います!
以上です!
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