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特別支援教育ってどうやって勉強すればいいの? 〜本とネットと仲間〜

 
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こんにちは(^ ^) 以前は小学校で教員、現在は放課後デイサービスで働いている、ともはると申します。 このブログは、私が長年子どもと関わり学んだことを紹介しています。 全国の人に「子どもと関わる仕事の楽しさ」を伝えることが目標です!
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特別支援教育の悩み

最近、特別支援関係の情報発信をしていると「特別支援教育ってどうやって勉強すればいいですか?」という質問をされることが多いです。

興味はあっても、学び方がわからなければ広まることはありません。

ということで今回は、特別支援教育の勉強法について紹介したいと思います(^ ^)

(ちなみに紹介までに色々書いているので、勉強法だけサクッと知りたい人は目次をクリックして跳んでください笑)

 

そもそも特別支援教育って何?

 

紹介する前に、「特別支援教育とは何か?」ということを書いておきます。

そもそも従来は、身体・知的・精神などに困難を抱えた「特別な支援ニーズがある子のための教育」が「特別支援教育」です。

そして、特別支援学校(養護学校)がメインだった教育がなぜ今注目されているのかといえば、「発達障害」という概念が広まったからです。

 

今まで公立学校は、いわゆる「普通の子」が通う場所でした。

しかし、2002、2012年の文科省の調査で「通常の学級にも約6.5%の子が発達障害を抱えている可能性がある」という調査結果がでました。(参考:文科省HP

そのため、

「普通の子だけだったはずの通常学級に、実は発達障害という困難を抱えた子がいるらしい。そうであれば、全ての公立学校の先生が特別支援の知識を持つ必要がある」

という文脈で理解が広まっていきました。

 

また、2005年の中央教育審議会にて、

「特別支援教育の推進は、いじめや不登校の未然防止、学力向上など様々な問題の解決に役立つ」

と提言されました。

(上図:中央審議会提言資料より作成)

 

これにより、発達障害を中心とした特別支援教育の重要性がより周知されていきました。

 

なぜ特別支援教育は勉強が難しい?

 

現在、特別支援教育の重要性が次々に広まっています。実際に、校内研修でも「特別支援教育」、あるいは「授業のユニバーサルデザイン 」など困難のある子でもわかりやすい授業がテーマとして扱われるケースが増えています。

それにもかかわらず、なぜ特別支援教育は勉強が難しいと見られているのでしょうか?

 

これは、1つに学問的な違いがあると考えられます。

学校の先生は、元々「教育学」を学び修めた方々です。国語や算数を始めとした教科教育では、プロフェッショナルと言えます。

しかし、特別支援が対象とする子どもが抱えているのは、

  • 発達障害=脳機能の困難
  • 精神障害=心の機能の困難
  • 身体障害=身体機能の困難

など、主に心理学、医学、脳科学などであり教育とは異なる学問がメインとなります。

専門分野がそもそも違うため、学校の先生が学ぶにはハードルが高いのは事実と言えます。

 

勉強の仕方

では実際の勉強法を紹介します。

なおこれは私が考える勉強法なので、あくまで参考でお願いします。

 

①子どもを観察する

 

特別支援教育の勉強したい人に、「どんな本を読んだらいいですか?」とよく聞かれます。

しかし、私はこの質問の時点で勉強法を間違っていると考えています。

 

特別支援教育は、子ども一人ひとりに合わせたオーダーメイド教育とも言われます。

よって、知識や理論から考えるものではなく「その子に合わせた教育方法」を考えることがスタートするべきです。

 

つまり最初に行うことは「子どもの観察」になります。

 

  • 授業中に離席する
  • 先生の話の途中で口を挟む
  • 友達と喧嘩をする
  • 悪口が多い
  • 授業中に寝てしまう
  • お喋りが止まらない
  • パニックが起きる

 

最初は、このような簡単なことで大丈夫ですので、まずは子どもを観察して、どんなことで先生と子どもが困っているか観察して記録しましょう。

この課題の解決方法を考えることが、特別支援教育のベースとなります。

 

②調べる(相談or検索)

 

次は観察したことをもとに、情報を集めますが、その際に複数の方法があります。

 

⑴同僚の先生に聞く

一番簡単な方法は「詳しい同僚の先生に聞く」です。支援級の先生や、特別支援に詳しい先生が校内にいれば、そのまま教えてもらいましょう。

クラスの困り感の解決にもなり、特別支援の勉強にもなる、同僚の仲も深められる、と一石三鳥な方法です(笑)

 

⑵ネットで検索する

次に有効なのは、ネット検索です。例えば、授業中離席してしまう子どもがいる場合は、

「授業中 離席 子ども 対策」

と検索すれば、

 

このように、たくさんのページが出てきます。

また一番上のリンクをクリックすると、以下のような情報を紹介しているサイトにたどりつくことができます。

(参考HP:発達障害教育情報センター)

 

現在は、全国の自治体や国の研究機関から、特別支援の情報が豊富に発信されています。

手軽に良質な情報が収集できるのでおすすめです(^ ^)

 

⑶本を探す

ネットよりさらに詳しい情報が欲しければ、ネットで「キーワード」を探して、本を買って読むのもいいでしょう。

例えば、上記の「授業中や座っているべき時に席を離れてしまう子」のページを読んでいくと、以下のようなページが出てきます。

 

このように、離席する子には「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」という発達障害があるかも?という情報が出てきます。

そこで、ネット検索やAmazonサイトなどで、

「ADHD 本 子ども」

と検索してみましょう。すると、

 

このように、ADHDの子に関する本がたくさん出てきますので、自分に合った本を探して読むことで、より深く学ぶことができます。特に、目の前の子どもと繋げて得た知識は深く記憶に残るので、漠然と学ぶより遥かに早く成長できます。

 

なお、どんな本がいいかわからなければ、とりあえずレビュー(評価)が良い本を探すのがおすすめです。

稀にレビューが良いのに微妙な本もありますが、基本的には高レビューの本は質が高いです。

 

③対策を立てる

 

情報を調べて集めたら、対策を立てましょう。

例えば、授業中に離席する子であれば、

  • じっとしていられない特性がある→授業中にペアトークを入れてみる
  • 衝動的に立ち歩いてしまう→授業の前に、立ち歩きたくなったら「教室を1周して座る」とお約束する
  • 勉強がわからない→簡単な課題に変えてみる

などの対策を立てて準備をします。

 

④実践する

 

それでは、準備したことを目の前の子に試してみます。

多忙だとは思いますが、知識と実践がつながる瞬間ですので、できるだけ集中して取り組んでみましょう!

 

ちなみに、この瞬間が一番アイデアも浮かんできやすいです。

子どもを見ていて、「あ!そう言うことか!」と学んだことが目の前の子どもと繋がって、色々な気づきも生まれます。

人は行動中が一番頭が働くと言われていますので、この時、考えたことは忘れる前にメモしておくと効果的です。

 

⑤振り返る

 

授業後(放課後)は結果を振り返ります。

  • 課題の量を減らした→集中して取り組んでくれた→成功
  • 「教室を1周して座る」とお約束する→そもそも約束してくれなかった→失敗(再チャレンジ)
  • ペアトークをした→切り替えができたこともあったが、お喋りが止まらない場面も合った→改善

また、途中で気づいたことも一緒に整理します。

 

成功したことはそのまま継続で良いです。

一方、失敗したことは全く異なる方法に変えても良いですが、

「教室を1周して座る」とお約束する→もう1つ席を作り「授業中、じっとしていられなくなったら、もう1つの席に移動する」と約束する

などアプローチを改良してみるのも良いでしょう。

 

⑥ 1~5を繰り返す

 

その後は、

実践(観察)→振り返り→調べる→対策→実践

と上記の流れを繰り返していきます。PDCAサイクルを回す、と言えばわかりやすいかもしれません。

 

また重要なことは、継続してサイクルを回すことです。

観察したり、本を読んだりしても単発では、ほとんど理論も実践も頭に入らず薄い学びで終わってしまいます。

知識と実践をつなげ続けることが特別支援教育の勉強では、最も重要と言えます。

 

 

もちろん、多忙な中で無理は禁物です。体を壊したらもとも子もありません。

しかし、1%でいいので毎日サイクルを回していけば、「1.01×365」で、1年後には約38倍の成長ができます。

 

結局、諦めないでトライし続ける人が一番成長するのです。

 

その他おすすめ勉強法

以上が基本的な勉強方法ですが、その他にも私のおすすめの勉強法を以下で紹介します。

 

◆引用・参考書籍

検索すると膨大な数の本があるので、良い本をどう見分けて良いか悩んでしまうこともあります。

この時の判断基準として「参考・引用の有無」があります。

 

実は教育書は「参考・引用」のない個人の経験論に基づいた本が多いことが知られています。悪いと言えませんが経験論に基づいた本は、著者の成功体験をなぞるだけの学びの少ない本であるケースが多いです。

 

一方で、過去の実践や研究を踏まえて「参考・引用」が丁寧に紹介されている本は、過去の積み重ねの上に提案されているので、新しい情報が多く深い学びが得られる可能性が高いです。

本を選ぶときには重視した方が良いでしょう。

 

◆本の著者に会いにいく

本を読んでいると「なるほど!」と思うような良い本に出会えることがあります。

そんな時は、本の著者に会いにいき、色々質問をしてみると良いでしょう。

 

直接大学や所属先に電話をしてみても良いですし、有名な先生は全国で講演会をしていますので、ネットで講演会の場所を調べて参加するのも良いでしょう。

その際のお勧めは、本を読んで質問を考えてから会いにいくことです。ちゃんと自分の本を読んでいてくれれば、著者の先生も安心して教えてくれるでしょう。

 

多動力のある方にお勧めの方法です。

 

◆学会

「ネットや本以上に詳しく特別支援教育を学びたい」という人は、学会に入会することをお勧めします。

学会は、研究者や現場の実践者が所属しており、常に最新の情報を得ることができます。

 

以下、お勧めの学会

LD学会

LD学会HP

教員、大学教授、医師、福祉医療関係者など日本で最も特別支援教育関係の情報が集まるのがLD学会です。

日本をリードする先生方が集まっているので、やる気がある人はぜひ参加をお勧めします。(入会審査あり)

 

日本授業UD学会

→授業UD学会HP

「特別な支援が必要な子を含めて、通常学級の全員の子が、楽しく学び合い『わかる・できる』ことを目指す授業デザイン」という授業のユニバーサルデザインを目標に、特別支援の観点を通常授業に取り入れる方法を研究している団体です。

 

「特別支援教育の視点を通常授業に取り入れてみたい!」と考える先生には、ぜひお勧めします。

(教員であれば参加可能)

 

日本特殊教育学会

→日本特殊教育学会HP

特別支援教育が特殊教育と呼ばれていた時代から、日本の特別支援を牽引してきた先生方が多く在籍しておられる学会です。主に特別支援学校の先生、特別支援級の先生が多いです。

LD学会同様、日本の特別支援教育をリードする先生方が多いのでお勧めです。

 

その他

その他に

など特別支援関係の学会は多いので、色々調べてみることをお勧めします。

 

◆私の本とブログを読む

完全にネタにはなりますが、私の本とブログも紹介しておきます(笑)

 

ユニバーサルデザイン学級への6原則

特別支援教育の知識で全員を育てる! ユニバーサルデザイン学級への6原則

上記の私の本では、

  • 授業ユニバーサルデザインの考え方
  • 発達障害の基礎知識
  • 応用行動分析(ABA)
  • 自己肯定感理論
  • 感情発達理論
  • 学級組織論

など特別支援教育で用いられる手法を、通常の学級経営で使えるようアレンジして6種類にまとめて紹介しています。

また、この記事のある私のブログでは、特別支援の観点を基にした授業や子どもとの関わり方の記事を約300ほど掲載していますので、よろしければご覧ください。

 

終わりに

特別支援教育は、発達に困難のある子だけでなく、いじめ・不登校・学級崩壊、あらゆる教育課題に有効と言われています。

一方で、まだまだハードルが高いと感じて、手が出せない先生が多いのも事実です。

 

私は特別支援教育は、子どもから教育を考えるという性質から「教育の原点」とも言われます。

また、人間の基礎発達を扱うので、どんな教科、どんな子どもにも応用できる分野ですので、ぜひ全ての先生に知って学んで欲しいと思います。(スポーツでいうウェイトトレーニングのような存在です!)

 

今後もわかりやすく、楽しい特別支援教育を心がけて発信していきたいと思いますのでよろしくお願いします!

(なお、次の記事では特別支援教育関係のお勧めの本を紹介していく予定です。)

以上です!

 

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※特支オタクの当HP運営者が、特別支援教育の手法を普通のクラスに取り入れてみた実践本の第2版です(^ ^)

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