長さの問題が苦手な子への対応 〜プリント×体験の組み合わせを考える〜

長さの問題が苦手な子
長さの問題でつまづく子は多いです。
小学2年生で
- m(メートル)
- cm(センチメートル)
- mm(ミリメートル)
を習いますが、「100cm=1m」「10mm=1cm」など単位変換あたりで、ついていけない子がでます。
今回は、そんな「長さ」の教え方の紹介です(^ ^)
学習と体験とイメージ
教室の学習支援中、長さの問題が苦手な子がいました。
そこで、5mまで測れるメジャーを使って、身の回りのものの長さを測ってみました。
最初は、興味関心を持って欲しいので、好きなものを測ります。筆箱やプリントから始まり、教室の長さなど測ってみると「おぉ〜!」と楽しくなります。
その上で、次は自分の体のパーツの長さを測るのが効果的です。なぜなら人間は「長さ」という概念を自分の体を目安として感じ取っているからです。
- ・床から自分の肩までが1m
- ・親指の爪が1cm
- ・肩から指先まで40cm
- 顔の大きさは25cm
など体のパーツの長さを測って記録していきます。
すると、長さの問題を考える時に具体的なイメージがしやすいので、理解力が上がります。
特に、習ったばかりの子は、「100cm=1m」など単位は違うが長さは同じという概念は入りにくいです。
そこで、「100cm=1m=床から肩まで」という体を媒介とした具体物を入れると量感がイメージと一緒に入りやすくなります。
例えば、
学校の机の高さは60( )
のように単位を予想して考える問題もありますが、その時も「自分の肩までが100cmだから、60cmぐらい?」と頭の中で視覚的にイメージして考えることができます。
また、
「1mー1cm」
など単位の違う計算も問題も苦手な子も多いです。
その時も「肩までの高さー親指の爪」とイメージできるので、「1mは100cmで、でも100cmとほぼ変わらない99cm」という量感が育ちます。
距離感の理解
子どもの中には他人との距離感が苦手な子がいます。
友達に近づきすぎる、あるいは遠すぎたりすると、関係性の構築が難しくなることは多いです。
これも、自分の体の長さを数字で知ることで、具体的にイメージをしやすくなります。
例えば、
「友達と話す時は、『前ならえ』をした時のように、腕一本分の距離をとって話すとちょうどいい」
という指導をしても、「腕を伸ばしたら、だいたい40cm」と理解できると、「机1個分も40cmぐらい」と、別の場面でも客観的な物差しで距離感を考えられるようになります。
小学校では、このような距離感の指導をクラス全体で行うことで、子どもたち個々の距離感の取り方が向上するので、結果的にトラブルの減少になり、社会性の向上にもつなげることができます。
終わりに
自分の体の情報は、最もイメージしやすいものの1つです。
例えば、子供時代に訪れた親戚の家に、大人になってから訪れると、
「この家ってこんなに小さかったかな?」
とサイズ感に戸惑う、という体験した人は多いと思います。
これも、人間はサイズを自分の体を元にして記憶する、という性質が理由と言われます。子どもの時と大人の時で体の大きさが違うので、体感的な大きさにも差が生まれてしまうというわけです。
よって、自分の体の長さを測って数字・単位と結びつけるという活動が、長さの学習では大切になります。
勉強は体験をいかに組み合わせていくかが大切ですね(^ ^)
以上です!参考になれば幸いです(^ ^)
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