リュックを前に背負っている人を見て 〜多様性のある組織にするには〜

ふと思ったこと
「最近、街中でリュックを背負っている学生さんをよく見かけるな〜」
と先日ふと思いました。
そして、気づいてから再び街中を見渡すと、子どもから大人まで、そこら中にリュックを前に背負っている人がいます。
「電車で前に背負ったまま、そのまま来ちゃったのか!」
と考えたりもしましたが、駅から離れている場所でも同じように見かけるので、これも違うようです。
聞いてみた
そんなことについて、同僚に聞いて見ると、
「だって前の方がいいじゃないですか!」
と言われました。
「リュック=後ろに背負うもの」が常識の私にとっては驚きの意見です。
しかし、話を聞くと、
- 「前にリュックがあると暖かい!」
- 「荷物を取り出しやすい!」
- 「折り畳み傘をすぐに出せる!」
と言われて、納得しました。
むしろ、なんで私は今まで「リュック=後ろに背負うもの」と常識に縛られていた私を反省しました。
一方で、長年培われた私の常識とは異なるので、なんとも違和感が消えません。
頭では理解をしているが、本能が拒否をしている感じです。
最近まで自分は若い方だと思っていましたが、このような些細な違和感が今後増えていくのだろうと思います。そして、「自分はそのような違和感を受け入れられるようにしよう!」と誓いました。
同時に考えたことは、私より年上の人でも、「頭が堅いな〜」と思う人は正直いたりもするわけですが、その人はその人で、このような違和感をたくさん感じているのだと思います。
「世代間ギャップ」は組織の中で働くときに最も大きな重石になります。
よく「多様性のある組織の方が強い」と言われます。
しかし、現実を考えると年齢層が幅広い組織においては、この世代間ギャップによる衝突が非常に多いと感じています。
正直な意見としては、
「世代間における多様性だけは、対立だけが増えるので、強みにならないのでは?」
と感じることも多いです。(これは完全なる偏見です笑)
私は、民間企業(そこそこ大きい企業)、公立小学校、民間企業(小さめ)と3種類の職場で働いてきましたが、人間関係のトラブルが多いのは圧倒的に公立小学校でした。
しかし、振り返ったときに思う事は、どの職場でも異なる意見で衝突することも、似た意見の人で仲良くなることもあリました。つまり「思考の多様性がある」という点では、どこも同じだということです。
ではなぜ、公立学校でトラブルが多く感じるのかと言えば、
「働いている人の年齢層の幅が広い」
という点です。
民間企業にいるときは、20〜30代の人が中心で、上司に40代が数人という環境がほとんどでした。
そして、「年齢層が近い分、話し合いに望むハードルが低い」という印象があります。
話し合いはお互いの主張のすり合わせに終始するので、色々ありつつお互いの意見の尊重という結果で終われます。
一方、公立学校では、20代前半の若者から、60歳前後のベテランまで、非常に幅広い年代の職員が一緒に働きます。
そして、年齢層の幅が広いので、意見の衝突があると、
- 「お局は頭が固すぎる」
- 「ガミガミおじさんがうるさい」
- 「若い奴は常識を知らない」
- 「年上に意見するな」
のように世代間ギャップにおける対立が明らかに多い印象はありました。(私の主観ですが)
欧米では相手に年齢を尋ねるという文化は差別にあたり、今はほとんど行われないそうです。
これは、年齢による差別への配慮ですが、個人的に非常に理解できます。
「自分と異なる意見」に対して、年齢差が明確になっていると、
「若いもんは!」「これだからおじさんは!」
のような意見の内容とは関係のないマウント合戦が始まってしまうのです。
多様性のある組織を作るには
年齢差を使った発想は、相手にレッテルを貼りやすいので、使いやすく、かつ思考を止めやすいと言えます。
だから私は、多様性のある強い組織にするには、まず「年齢を聞かない」というルールを作るのは良い方法だと思います。
お互いを尊重し合う文化を作るのが一番とはいえ、現実にそこまで柔軟な人ばかりではありません。
個々人の能力の中で、最大限多様性をもつためには、このようなルール設定も大切ではないか、と思いました。
終わりに
リュックの話からかなり話が逸れましたが、「自分の理解できないものがあれば、余計なバイアスは排除した方がいい」というのが今回得た教訓です。
長々と読んでくれてありがとうございました(^ ^)
以上です!
=========================
※新刊が出ました!特支オタクの当HP運営者が、学級経営について全力で研究、実践した記録です!
※特支オタクの当HP運営者が、特別支援教育の手法を普通のクラスに取り入れてみた実践本の第2版です(^ ^)