2年生算数「10000までの数を多面的に見る」(東京書籍)

目次
「1000より大きい数」の単元末の授業
私の授業は、基本的に指導書に忠実です。
ただ、子供の実態に合わせて、「見通しの持たせ方」「苦手な子への支援」などを工夫しています。
基本は、どの学級でもできる授業だとは思いますので、一例として参考になれば幸いです(^ ^)
◆本時目標
「既習事項を用いて、10000までの数を多面的に捉えることができる。」
活動①「前時までの問題の振り返り」(3分)
- 前時までの学習問題を振り返る。
- A4の紙に問題を書いておき、テンポよく問題と答えを確認していく。
- 問題の紙は、黒板の上に掲示していく。
この問題が「既習事項の確認」と「困難がある子への支援」となる。
活動②「問題(3800はどんな数ですか。)」の提示(3分:6分)
- 「3800は」と言って、黒板に書く。
- 子どもの間を机間巡視(1週)する。
(集中し切れていない子がいれば、声をかけるor 気づかせる。)
- 「どんな数ですか。」と言って、黒板に書く。
- 子どもの間を机間巡視(1週)する。(同様)
- 「赤で囲みます。」と言って囲む。
この細切れでめあてを書かせる方法は、子どもの集中力を切らさずに、行動を揃える目的でしています。
書くのが苦手な子でも、
- 教師の声を一度聞く
- 黒板で見る
- 先生が周囲が見にくる
という耳で聞き、目で見て、先生のプレッシャーが来るという3つの手立てで、集中して書くことができます。
※この「めあての書き方」については、記事「めあてを書くのが遅い子への対応」を参照。
活動③「黒板に0〜5000の数直線を書く」(2分:8分)
- 「問題」を提示し、子どもが全員書き終わるまでの時間に、黒板に1m定規で大きく数直線を書きます。
- 3800を数直線で視覚的に示します。
- 大きい数の数直線は拡大コピーではなく、1m定規を使って黒板に大きく書いて、見やすく掲示します。
活動④ 「めあて」の確認(3分:11分)
- 全員で、問題「3800はどんな数ですか。」を読む。
- 数直線で3800がどこに当たるか全員で確認。
- 「今まで習ったことを使って、3800を色々な方法で表してみましょう」
※困難のある子への手立て
1、黒板に話型「3800は〜な数」
→「『〜』には何が入るか考えてみましょう。」
2、活動①の復習問題を見ながら「残念ですがヒントはありません。」と言います。
→みんなヒントの存在に気づきます(笑)
活動⑤ 自力解決(10分:21分)
- 机間巡視をしながら、困っている子への支援
- 本時のねらいに沿った記述をしている児童に「あとで発表してくれる?」とお願いをしておく。
- 算数に苦手を感じている子も、事前に先生が「お墨付き」を与えると、安心して発表できます。
活動⑥ 全体共有・共同思考(10分:31分)
- 考えを発表
- 苦手な子が挙手していた場合、前半に指名し成功体験を積ませる。
※子供の意見を板書するとき
子供の意見を板書するときは、あらかじめ先生が同類のテーマを分けて板書する。
今回の場合は、
- たし算
- 引き算
- あつめた数
- 「くらい」で考える
- その他
の5つに子供の意見を分けて板書した。
※ねらいとズレた意見が出た場合
今回の授業の場合だと、
- 3800=3799+1
- 3800は200より3600大きい数
など間違ってはいないが、「算数のねらい」からは大きく外れた意見が出ることが予想される。
その場合は、板書する前に「同じような考えの人はいる?」と他の子供にも聞いてみて、学習してきた中で一番簡単に表している考えを板書する。
(多様な考えは大切だが、「数と式でシンプルに表すことができる」と言う算数のメリットを教えることにつなげる。この場合は、位ごとに分けた「3800=3000+800」)
活動⑦ 練り上げ(4分:35分)
- 板書に出た意見で、思いつかなかった意見をノートに写す。
- 今までなかった「数の見方」を獲得する。
活動⑧ まとめ(3分:38分)
- 板書を見て気づいたことを考える。
- 5つの大きな見方があることに気づかせる。
わかったことをまとめる。
※できれば、まとめの言葉は子供から言わせたいがこだわらなくても良い。(もし、出ない場合は教師から言っても構わない。)
大事なのは、子供が学んだことを確認することであり、無理に「子供が先生の言いたいことを考える」時間になるのであれば、先生から提示し、次の適応問題に時間をかける。
活動⑨ 適応問題の実施(7分:45分)
- 教科書の類題
- ドリル、スキル
できた人から先生に持ってきて丸つけをする。
→「先生まで来る」と言う活動をさせることで、多動傾向の子も学習に参加しやすくなる。
※評価
適応問題が解けていれば「学習は理解できている」と判断できるので、その場で評価をつける。(ABC)
(さらに余裕があれば、所見のコメントも考える。)
振り返り
最初の復習問題のヒントは「算数が苦手な子が多い」と言うクラスの実態に合わせたので、通常のクラスであればしない、もしくは壁に貼っておく程度でも良いかと思います。
以上です。参考になれば幸いです(^ ^)
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