子どもの成長を客観的に確認したいとき 『子どもの発達を支えるアセスメントツール』【安倍博志先生】

成長が遅い?
自分の子どもを見ていると「成長が遅いのかな?」と不安になる。
あるいは、学校で担任をもっている先生は「この子は周りについていくのが難しいのかな?」と感じる。
そんなことがあるかもしれません。
しかし、「そんな子たくさんいるわよ〜」「大丈夫、ちょっとぐらい遅くてもすぐに成長するから」
と言われてしまったりして、なかなか客観的に見ることは難しいです。
一体どうすればいいのでしょうか?
子どもの発達を支えるアセスメントツール
ここでは筑波大学附属大塚特別支援学校の安倍博志先生の開発したアセスメントツールを紹介します。
以前、子どもの成長を確認するために「遠城寺式乳幼児分析的発達検査」を紹介しました。
「遠城寺式乳幼児分析的発達検査」は、子どもが何歳何ヶ月の段階でどのような行動をするのか、発達の目安を示した発達検査というものです。
実は、発達検査は他にも「新版K式」「DAM」など色々つくられています。
子どもの発達を支えるアセスメントツールは、これらの発達検査に安倍先生の長年の現場で得られた知見を組み合わせて作られたものです。
特徴
◆実践的
日本でよく使われる
- KIDSの乳幼児発達スケール
- DAMのグッドイナフ人物画知能検査新版
- 新版K式発達検査法
などの発達検査に加えて、安倍先生のご経験と現場の意見を複合して作成されているので、実践的で信頼性の高い内容になっています。
◆多様な評価軸
- 運動能力
- 日常生活能力
- 社会性
- 知的発達(言葉・描画)
という、5つの軸で7歳までの発達段階がチェックできます。
もちろん、学童期の子でも発達が遅いと思われる子にも使用可能です。
◆支援する12のコツ
本文には、アセスメントツールの使い方だけでなく、
- 言葉の意味がわからない子
- 注意を向けられない子
など特別な支援ニーズをもつ子の具体的な支援のコツが紹介されています。
チェックリストで子どもの状態を把握した上で使うと非常に参考になります。
※注意
就学相談や医学的な診断などで公式検査が必要な場合には使用できませんので、専門機関で実施する検査を受けてください。
終わりに
個別指導計画や個別支援計画を作成で最も重要なのは、子どもの状態のアセスメントです。
しかしアセスメントには専門の知識がないので、子どもの実態がわからないまま計画が立てられて、結局使われないというケースも多いです。
このアセスメントツールは、現場の個別計画の制度を高めるために有効なツールとなるでしょう。
お役に立てれば幸いです(^ ^)