愛着に困難を抱えた子どもたち

発達障害ではない困難を抱えた子
最近は学校現場でも発達に困難を抱える子への対応が共有されてきました。
まだ十分とは言えませんが、発達障害に関する研修・話題も増え、着実に子どもへの理解が進んでいることを感じます。
一方で、別の困難を抱えた子の存在がここ数年増えていることを感じています。
それは「愛着障害」です。
◆愛着障害とは?
愛着とは「養育者は、何があっても味方であり、安心させてくれる存在である」という子どもと養育者との心理的な結びつきのことです。
通常、幼児期に母親や養育者と十分なスキンシップやコミュニケーションを通して、形成していきます。
そして、愛着障害は、母親をはじめとする養育者に対する安心感・安全感を獲得できなかったために引き起こる障害の総称です。
養育者の安心感・安全感が不足しているため、
- 母子分離不安となり学校の門の前で泣いてしまう
- 教師に抱きついて離れない
- 構ってもらおうと授業妨害をする
- 友達関係を構築できない
- 見知らぬ人が来るとパニックになる
- 反対に、見知らぬ人にもどんどん話しかけてしまう
などの行動が見られます。
ここ数年で、発達障害に関する話題が増え、学校でも理解が進みました。
しかし、愛着障害については学校現場でも対策はほとんど共有されず、対策が後手に回っている印象があります。
◆対応が困難?
私も今まで「愛着に困難を抱えた子」と向き合ってきましたが、対応の難しさを毎年実感しています。
「愛着」は、生きる上で最も基盤となる部分です。
それは、
- 危険から守ってくれる
- 絶対助けてくれる
という絶対的な安心感・安全感の元になっているからです。
「愛着」があるおかけで、
- 不安があっても「何かあったら助けてくれる」と思い積極的に挑戦できます。
- 嫌なことがあっても養育者の元へ行ったら受け止めてくれます。
「愛着」がなければ、
- 失敗したときの対応がわからないので動けません。
- 嫌なことがあったら、どうすれば良いのかわかりません。
私の実感として、愛着に困難を抱えた子は行動の改善が非常に難しいです。
教師の力で家庭環境を変えることはできませんし、経済的な貧困などどうしようもない問題もあります。
教師としてできることが限られているのです。
これは、学校・自治体レベルで対応策を考えていく必要があると思います。
終わりに
そんな愛着に困難を抱えた子供たちに、教師の私が実践してきた対応を紹介したいと思います。
次のブログに、
「『愛着障害』の子への10の対応」
を紹介します。
まだまだ、実践と検証の途中ですが、参考になれば幸いです。
※縁あって本を出させていただきました(^ ^)
Comment
今晩は(^-^)
いつも楽しくblogを楽しく拝見させて頂いています(*^^*)
『愛着』
何となく分かるような気がします
自分が愛されていないと思う子供と
自分が愛されていると思う子供は
行動が全然違うと思います
何かのきっかけで愛されていると自信を持った子供は、愛されていないと思っていた時の態度と全然変わります
先生のお話は何時も興味深いです(’-’*)♪
いつも、ありがとうございます(^ ^)
愛着は学校現場でかなり重要な知識だと思っています。
愛着がしっかりした子は、周りにも愛されて育つ
愛着が形成されていない子は、その不安定さからトラブルや不適応な行動が目立ち、
周りと関係が築けず、より愛を感じられなくなっていく。
この負のスパイラルが起こりやすいので、支援者である教師が対応できるかどうか
で、その子の人生にも関わってきます。
なんとか現場にもっと浸透させたいと思ってます。