ADHDの人はなぜギリギリで遅刻するのか?

目次
いつもギリギリで遅刻する人
いつも時間に遅れてくる人がいます。
何度注意しても変わりません。
時には連絡すらよこさないこともあります。
なぜギリギリ遅刻の人が出るのでしょうか?
ADHDの特性
近年大人の発達障害
特に大人のADHDについて知識が広まっています。
社会人であるにもかかわらず
- 片付けられない
- 仕事でケアレスミスが多い
- 人の話を聞いていない
などの行動を続ける人がいます。
注意しても変わらないので、次第に注意する方も辛くなってきてしまいます。
そんな人の原因の1つに発達障害のADHD(注意欠如多動症)があると考えられています。
遅刻をしてしまう人の原因にもこのADHDが関係している可能性があります。
なぜADHDの人はギリギリで遅刻をする?
◆ノルアドレナリン
ADHDの原因の1つに、脳内のノルアドレナリンといわれる神経伝達物質の量が少ないことが知られています。
ノルアドレナリンは、集中力に関係する神経伝達物質です。
ADHDではない人は、ノルアドレナリンの量が十分なため自分の意思で集中力をコントロールすることができます。
気になる情報があっても惑わされることなく、約束の時間前に行動できるのはこのためです。
しかしADHDの人は、ノルアドレナリンの量が少なく集中力をコントロールすることができません。
すると周囲の情報を選別することなく反応してしまうので、約束の時間が迫っても行動を変えることができないのです。
◆ノルアドレナリンが増える場面
このノルアドレナリンは緊張感が高まると脳内に発生することが知られています。
授業中、先生が横を通ると緊張して頭が一瞬でさえる人もいると思います。
これは緊張感でノルアドレナリンが活性化し、集中力が高まった結果起こる現象です。
これはADHDの人も例外ではありません。
緊張感が高まる場面になるとノルアドレナリンが出てADHDの人であっても急いで行動します。
◆遅刻するとき
ではADHDの人が遅刻する時はどうなるのでしょう。
ADHDの人は出発予定時刻が近づいても、緊張感もなくダラダラと準備をしてしまます。。
10分前行動をした方が良いとわかっていても体が動かないのです。
時計を見ると出発時間まであと少しです。
しかし、他の情報が優先され体が動きません。
そして再度時計を見ると遅刻が確定した時間になります。
つまり、怒られることも確定するので「やばい!」と思いノルアドレナリンが発生します。
集中力が高まり急いで、準備をします。
しかし、当然遅刻は確定しているので、急いでも間に合いません。
移動中遅れることを連絡すれば良いのですが、遅刻は確定、怒られるのも確定しノルアドレナリンも出っぱなしです。
「間に合う」ということに集中力を使うので「連絡」という手段に思い至らないこともあります。
結局ついたらいつものように
「また遅刻」と呆れられる。
本人は「またやってしまった」と自己肯定感を下げていきます。
その状態が続くと「遅刻くらいでなんで怒るんだ!」と開き直り、さらに人間関係が悪化するケースもあります。
(開き直ることを「合理化」と呼びます。)
ADHDはただの病気にもかかわらず社会性、人間関係に大きな障害を発生させてしまうのです。
対策
ADHDの人は自分の特性があった対策を取ることが必要です。
- 集合前に友達と待ち合わせをする
- 2時間前について喫茶店で本を読んで待っておく
- グループLINEを作って、朝「起きてる?」と全員の行動を確認できるようにする
などがあります。
周囲の人の理解も大切です。
本人の性格ではなくADHDという病気であるということを理解すると、
「注意をする」という行動ではなく「どうすれば良いか?」と発想が変わります。
本人の自覚と周囲のサポートが重要です。
終わりに
遅刻が多い人は、今まで本人の性格と思われていました。
しかし、ADHDという視点で理解が進むと、人生を楽に生きることができるようになります。
「発達障害」に抵抗のある人がまだまだ多い世の中ですが、少しずつ理解を進めることが全ての人が生きやすい世の中になっていく第一歩だと思います。
参考になれば幸いです。
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