教育をアップデートするには?

教育をアップデートせよ
以前よりWEEKLY OCHIAという番組を見ているのですが「幸福をアップデートせよ」という回を見たときに、教育について思いついたことがあったので記事にしました。
◆質の高さと新しさ
新しいことを始める時には、必ず反対する人がいます。
一体何故でしょう?
そもそも、昔からある既存の物事は積み上げた年月の分、質が高くなります。一方、新しいものは提案性はあっても、積み上げた実践・経験が少ないので質は低くなります。
(それを図解したものが上の画像です。)
新しいことを始める時は「すでにある質の高いものを捨てる」というリスクがあるので、抵抗があるのは当然なのです。
◆イノベーションへの2つのアプローチ
一方、物事のイノベーションには2つのアプローチがあります。
①すでにある「質の高いもの」に新しさをプラスしていくアプローチ
②新しいものを初めて、徐々に質を上げていくアプローチ
①は大企業的なアプローチと言えます。
積み上げてきた年月と、質の高い製品・サービスを新しくしていく(アップデート)することで、イノベーションを起こします。
特徴としては、安全かつ確実なアプローチという点があります。リスクが少なく、世の中の多くはこちらのアプローチが多いと言えます。しかし質が高い分、柔軟性が低く変化の速度が遅いという面があります。
②はベンチャー的アプローチです。
今までにない製品・サービスを展開し、トライ&エラーを繰り返して質を上げる(アップグレード)ことで、イノベーションを起こします。
特徴としては、柔軟にスピード感をもって変化できるので、問題に対処しやすいことがあげられます。
その反面エラーも多く出るので、実害も生まれやすいことがあげられます。
この2つは、どちらが正しいという話ではなく「アプローチの方向が違う」というだけです。
◆教育に置き換えると
この話を聞いたときに、教育に置き換えて考えてみました。
今の日本の学校教育は「学年別・一斉授業」を長年続けています。
なので、現状は「質の高い」&「学年別・一斉授業」というシステムになります。(画像表の左上)ここから、イノベーションにつなげるには「学年別・一斉授業」に新しい要素を入れていくことが重要です。
この流れで最近行われている実践は、
- 「ユニバーサルデザイン」
- 「異学年交流」「クラス会議」などの特活実践
- 地域と連携した授業
などです。
反対に、海外の教育プログラムや、異なる教育理念・体系(イエナプラン・バカロレア・学び合い・けテぶれ)の方法は、「新しいが、経験や実践数が少ない(日本において)」という位置付けになります。
新しい実践に見られる特徴が「学習の個別化」という点かと思います。
一斉授業では「みんなで一緒に」「同じことをする」ことが基本ですが、学習の個別化では「みんなで一緒に」「異なる学習をする」という特徴があります。
オランダのイエナプランやアメリカのNEWSCHOOLなどで紹介されている「学びの共同化・個別化・プロジェクト化」は、一斉授業の概念にはありませんが、一斉授業にはない日本の教育の解決策を提案しています。
一方、日本では新しい実践なので、まだまだ実践可能な人が少ないです。なので、実績を積み重ねて質の向上につなげることが今後の課題になります。
◆どうアプローチするか?
上記を踏まえて、自分の立ち位置を考えると、
- 昔から培われてきた「全員参加の一斉授業」の技術
- 特別支援教育の知見を取り入れた「授業・学級経営のユニバーサルデザイン」
- 日本人の協調性を生かした「協働的問題解決型学習」
という要素が見えてきます。どうも私は大企業的なアプローチの立場のようです。
正直ベンチャー的な取り組みは好きです。しかし「日本の学校文化は新しいものに対して風当たりが非常に強い」という性質上、
- 遅くはあっても確実に変化できる
- 子どもの成長に繋げられる
- 同僚との摩擦も少なく教師も安全
と考えているからだと思います。
自分の実践の立ち位置が整理できると、自分の思考の整理にもつながります・
終わりに
立ち位置がわかると「自分の強み」や「自分に足りないところ」が見えてきます。
足りないところは勉強不足な箇所とも言えるので、今後は学びの「個別化・協働化」をもう少し研究していければと思います。
特に今は民間企業という新しいアプローチを取りやすい立場なので、新しい取り組みも勉強していきます(^ ^)
以上です。
※一斉授業&ユニバーサルデザインの取り組みはこちらで紹介しています↓