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発達障害は治る!という主張についての考察と私の考え

 
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こんにちは(^ ^) 以前は小学校で教員、現在は放課後デイサービスで働いている、ともはると申します。 このブログは、私が長年子どもと関わり学んだことを紹介しています。 全国の人に「子どもと関わる仕事の楽しさ」を伝えることが目標です!
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発達障害に関する誤解

現在、発達障害の知識が一般の人にも広がってきました。多様性を広げ、相互理解を進めるにはとても良い流れです。

 

しかし、一方で発達障害に関する誤解はまだまだ残っています。

一昔前は「発達障害(主に自閉症)は親の愛情不足で起こる」という間違った常識が広まったことがあり、世の中の発達障害を抱えた子の親は苦しんだ時期があります。その影響で、今でも親の躾不足と認識している人がいます。

 

しかし、発達障害は脳機能の先天的な障害であり、子育ては関係ありません。正しい情報が世の中に広めていく必要があるのです。

 

発達障害は治る?

 

しかし、定期的にメディアやネット上で「発達障害は治せる!」と主張する人が出現します。

  • 食事療法で自閉症は改善した!
  • 脳機能の障害だから、脳を発達させれば治る!
  • 腸内細菌が関係しているので、腸内環境を調整することで発達を促すことができる

「これらの情報は、当事者である親御さんには魅力的に感じられます。

実際に治そうと取り組んでいる方もいるでしょう。

 

しかし、実際は症状が期待したようには改善せず、悲しい体験をしてしまう人が後を絶ちません。

一体なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか?

 

今回は、「発達障害は治る!」という主張に対する考察と私の考えを紹介します。

 

◆発達障害になる原因

 

発達障害になる原因は今まで色々研究されてきました。その中で遺伝的な要因は確実に原因になっているであろうことが分かってきました。

 

一方で、ジャンクフード・水銀・微生物・カビ・化学物質・毒素・ワクチン・グルテン・単糖類・デンプン・脳細胞の炎症・腸内細菌・ミトコンドリア症・・・様々な要因が発達障害(自閉症)の発症率に関わっている、という研究は昔から知られていました。

 

◆多因子モデル

 

近年、遺伝子研究は急速に進みました。その中で実は遺伝子には様々なスイッチがあり、スイッチを入れることで、様々な影響を体に及ぼすことがわかってきました。多くの遺伝子の多くは眠ったままですが、様々な要因でスイッチが入り、多様な疾患につながる現象も確認されてきました。

そしてこれは発達障害においても同様だそうです。

 

たとえば、スイッチの要因の1つに「父親の年齢」があります。父親が30代40代50代と年齢が上がるにつれて、自閉症を抱える子が生まれる確率が高まっていくことが分かってきました。(これはもちろん遺伝子上の話であり、父親に責任があるわけではありません。)

 

また、他にもスイッチをオンにする原因が知られていますが、実際には1つの要因で自閉症が発症することはほとんどないと言われます。よって、様々な要因が積み重なることで発症する多因子モデルという考え方が主流になってきました。(海外では「連鎖障害」という言葉もあります。)

 

このような話をすると、発達障害の原因となる要因を取り除けば治るのか?という考えを持つ人も出てきそうです。実際、「原因とされる要因を取り除くことで、発達障害は治る!」と主張し、治療プログラムを宣伝する団体もたくさん出てきました。

 

しかし、実際に治療を受けてもほとんどのケースで症状の改善は見られないと報告されています。考えてみれば当然で、発達障害の発症要因は、まだまだ分かっていない原因がたくさんあるのです。たまたま、2〜3つの原因を取り除いたところで大きく改善することはありません。

(もちろん、夜遅くまでテレビを見ていたのを早寝早起きの習慣に変えるなど、基礎的な生活習慣を正すのであれば、その改善は行動面で変化は大きいかもしれませんが)

 

よって、多様な原因があり、かつ明確に「発達障害」となる原因が特定できていない今、発達障害は「治る」疾患ではありません。

重要なのは、その子に合った発達を促す教育環境・療育プログラムを考えることで、将来にわたって社会適応するために、何が必要なのかを考えることなのです。

 

以上が、「発達障害は治る!」というテーマに関する私の考察です。

 

当事者として

 

今まで記事には関係なかったので、書いてはいませんでしたが、当ブログの管理者は、ADHDと自閉症の症状をもつ発達障害の当事者でもあります。(診断を受け、毎日ストラテラというADHD用の薬も服用しています。)

当事者として、この「発達障害が治る!」という現象について思うことを書いてみます。

 

まず私自身の話になりますが、発達障害とは別に身体に色々な疾患や特性ももっています。その中に、「身長が低い」という特徴があります。現在160cmであり、成人の男性としては下位2%に入るかなり低い数値になります。

 

なぜ低いのか?と言えば、原因は明確で両親からの遺伝です。

私の家系は、男女ともに全員158cm以下です。よって突然変異でもしない限りは、私の身長は158cm以下だったでしょう。

 

私の父も息子の背が低いことを気にしていたようで、私が小さい頃から

「たくさん食べて大きくなるんだぞ!」「スポーツをして骨に刺激を与えると身長が伸びるぞ!」

と言って身長を伸ばすことに熱心な様子はありました。

 

私自身もスポーツは好きだったので、少食体質でしたが一生懸命ご飯を食べたり、身長を伸ばそうと一生懸命になった時期もありましたし、雑誌の後ろに掲載されている骨格を伸ばすストレッチマシーンもよく活用しました(笑)

 

そうして、熱心な活動の結果、私の身長はなんと160cmになりました。(私の家系では初めて160cm代に到達した人間です。)

これは、160cm未満の人間が、後天的な努力で160cmまで伸びたのでアプローチとしては成功と言えます。

 

しかし、社会的にどうかと言えば、私の身長は平均身長からは程遠い下位2%のままです。スポーツでも不利を覆すレベルにはなれませんでした。

 

というのが私の過去の話です。

 

「発達障害を治す!」という話を聞いた時に、私が思ったのはこの自身の身長の思い出です。先天的に発達障害の症状をもって生まれた子に対して、世の中には様々なアプローチがあります。そして、それらのアプローチは無意味なわけではありません。発達を改善するし、症状も改善することはあるのだと思います。

 

しかしそれは、その人の中での変化です。私の身長と同じように158cm以下でしかない可能性を160cmまで引き上げることはできますが、両親が思う「普通」の基準まで、到達することはほとんどないと思います。(ゼロではありません。私も巨人症を抱えて生まれれば、日本人の平均以上の身長になった可能性はあります。)

 

「発達障害が治る!」という世の中のアプローチは、私の身長を伸ばすアプローチと同じです。その人の中で多少の変化はあっても、社会の「普通」を期待して取り組んでは、ほぼ裏切らてしまうものなのです。

 

できること

 

「発達障害は治らない」という事実は、ある意味で親の心を深く傷つけます。しかし、発達障害を抱えて生きるしかない、という現状ははっきりしています。

私自身も、発達障害もあり、身長も低い、その他疾患も抱えている、といういわゆる普通からは外れている特性をたくさんもっています。

 

しかし、それでも現在社会で(なんとか)生きていくことができています。

それは、私が生活する中で、特性と折り合いをつけて社会で生きる術を学んで身につけたからであり、同時に発達障害について理解がある環境(+低身長も関係のない仕事)を選んだからです。

 

発達障害支援といっても、当事者が生きていけるようにサポートすることしかできないのです。

 

終わりに

 

発達障害は治すことができません。しかし、発達を促すことで症状を軽減したり、社会適応する力を育てたりすることはできます。そして、発達障害を抱える人でも生きやすい社会をつくっていくことは可能です。

 

どんな人もそれぞれ何かを抱えています。個人の事情に関係なく生きやすい社会をみんなでつくっていきましょう(^ ^)

以上です!

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