授業で全員が発言するための5つのポイント

目次
子どもの元気な姿とは?
4月に授業参観がある学校は多いと思います。
授業参観では、やはり子どもの元気な姿を見せてあげたいものです。
そして、子どもの元気な様子とは多くの場合
「手を挙げて発言する」
ではないでしょうか?
やはり忙しい中、来られる保護者のためにも、お子さんが元気に発言する様子を見せてあげたいですよね(^ ^)
そこで今回は、全員が手を挙げるために意識している4つのポイントを紹介します。
全員が手を挙げるために意識している4つのポイント
①事前の言葉がけ
何も言わないで全員が発言するクラスはありませんので、最初に手を挙げて発言する大切さをしっかり伝えることが重要です。
発言が苦手な子でも、今年こそもっと発言できるようになりたい!と考えている子は多くいます。そのような、苦手な子の意欲を取り上げてほめることで、勢いをつけます。
また、間違えをからかう子がいるから、発言できないと言う子もいます。この場合は、最初の段階で釘をさします。
例)
間違えた子をからかいそうなA君がいる場合
先生「なんで発言を恥ずかしいと思うのかな?」
A君「バカにする子がいるからだよ」
先生「なるほど〜A君は間違えた子をバカにしますか?(*^▽^*)」
A君「しないよ!」
先生「優しいですね!A君のようにどんな意見でもバカにせず真剣に聞くことができる人はいますか?」
(全員手を挙げる)
先生「すばらしいクラスですね!」
このように釘をさせば、からかうことなく相手の意見を聞く空気を最初に作れます。
②話すスキル
発言にもスキルが必要です。
◆大きな声
→発言しても聞き取れなければ、「聞こえません!」と言われて萎縮してしまいます。
朝の歌、音読指導、音楽、体育などあらゆる場面で大きな声、相手に伝わる声の出し方を指導します。
◆わかりやすく伝える
→「私は〜だと思います。なぜなら〜だからです。」
最初に結論を述べてから、理由を言う。短く簡潔に相手に伝わる言い方を覚えるだけで、発言に対する抵抗感が減ります。
◆語彙
→自分の意見を表現する言葉を知らなければ、そもそも発言できません。
「なんて言ったらいいのか分かりません」状態にしないために、様々な場面で言葉を教えて、意見を正確に表せる力を与えます。
③聞くスキル
- 話している人の方を向き、顔を見る
- 相手が話している間は静かにする
- 途中で話を遮らず、最後まで聞く
- 質問を考えながら聞く
- 質問は発表の後
- 相槌をする
など一つひとつ教えます。
聞いてくれる人が、静かに真剣に聞いてくれるとわかっていれば、発言しやすくなります。
大人にとっては当然のことですが、子どもは教えなければ正しくできません。スキルがあって初めて、発言の多い活発な授業が生まれます。
④授業の工夫
◆簡単な発問
→算数でも「1+1は?」と聞けば、ほぼ全員手をあげます。
「聞く必要がない」と思う簡単なことを質問にすることで、苦手な子も勇気を出して手を挙げられます。
発問の難易度の調整は大事です。
また答えが「はい、いいえ」のみのクローズドクエスチョンも発表のハードルは下がります。
些細なことですがこのような成功体験の積み重ねが大事です。
◆ペアトーク(2人で相談)をしてから質問
→質問の前に「隣と相談してください」と言えば、自分の答えを確認できます。
「これであってるよね!」と確認すれば、自信を持って発言できます。
これで「間違っているかも・・・」という心理的負担を減らせます。
◆先生が当てる
→自分で手を挙げられない子には、先生が当てて答えさせます。
当てられたら答えるしかありません。
自分からではありませんが、一つの成功体験となって「いけるかも!」と思わせることができます。
◆正解が複数ある授業をする
→正解が一つの問いを扱うと、必ず「間違ってるかも・・・」という不安が生まれます。
しかし、答えが複数ある質問なら子どもはどんどん答えます。
「まだ出てない答えだ!」と思えば、苦手は子でも手を挙げます。
例)
□+□=10
「□に入る数字はなんでしょう?」
子ども「1+9!」「2+8!」「10+0」・・・「これ小数でもいける?」「じゃあ2.5+7.5」・・・「分数でもいける?」・・・
答えがひとつじゃないと分かれば、手を挙げる勇気につながります。
◆発言の価値づけ
先生はどの子の発言もしっかり受け取り、価値づけしてあげましょう。
多くの場合、先生は子どもに「こんなことに気づいて欲しいな〜」と考えているので、突飛な意見をスルーしてしまいがちです。
頑張って発言しても先生がスルーするのでは子どもの発言意欲は失われます。
どんな意見でも「なるほど!」「どうしてそう思うの?」など積極的に反応してあげましょう。
⑤学級経営
上記を行うことで「発言しても大丈夫」「間違えても誰もバカにしない」と言うクラスの雰囲気ができます。
雰囲気ができ、発言も増え、成功体験を積み、自己肯定感を高めていきます。
すると、子どもはどんどん積極的になりトラブルも減少します。
子どもが手を挙げるには、なんでも言える子ども同士の関係が最も重要です。
決して口の強い人が目立つのではなく、お互いの意見を尊重しながら、学習を深めていく。
そんな優しいクラスになっていきます。
終わりに
手を挙げるだけが子どもの成長の全てではありません。
それでも、全員が笑顔で手を挙げる、ということは全員がお互いを信頼している、という証だと考えています。
そんなクラスを目指してみてはいかがでしょうか?
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