ハイタッチが子どもとの関係づくりに効果的な4つの理由

目次
ハイタッチ
人間はハイタッチが大好きです。
遊び、スポーツ、ビジネスなど様々な場面で、喜びを表す行為として行われます。
そんなハイタッチは、子どもとの関係を構築する時もとても効果的です。
今回は、そんなハイタッチのメリットについて紹介します(^ ^)
①ノンバーバル(非言語)の褒め言葉
子どもの良いところを褒めて伸ばしたい!と思って頑張って褒めても、子どもに響かずしらけた顔をされてしまう、ということはあると思います。関係性ができてないと、素直に受け取ってくれませんし、褒めるための言葉の使い方自体も意外と難しいです。
言語を使ったコミュニケーションでは、褒める効果もその人の言語力に左右されてしまうからです。
一方、ハイタッチだと言葉を介さないで
「よくやった!」「すごいぞ!」「おめでとう!」
のような称賛の気持ちを伝えることができます。
このような、ハイタッチなどノンバーバル(非言語)の褒め方は、言葉が苦手な人でも簡単にできるのでおすすめです(^ ^)
②距離感を縮められる
対人不安が強い子や人見知りが強い子は、初めて会う人に対してなかなか距離を縮めることができません。
特に、年齢の小さい女の子は本能的に「男の人の低い声を避ける」という性質をもっています。
これは、人間が自然の中で生きていた時「低く唸る声=肉食獣」と認識していた時に身につけたと言われますが、現在でも対人不安が強い子は、「低い声の人=大人の男性」を無意識に避ける傾向があります。(※1)
そのような状態ですと、話しかけても逃げられてしまうことは多いです。
そんな状態でも、楽しい時や盛り上がった時に、ハイタッチをして交流してみましょう。
ハイタッチは声に出さずとも可能なので、比較的すんなり応じてくれます。
人間は、手の感覚が発達した生き物ですので、
「触れるもの=安心できるもの」
と認識します。(※2)
そのため、ハイタッチを続けていると徐々に安心を感じてもらうことができ、距離を縮めることができるのです。
③過度な接近を防ぐことができる
②とは反対に、距離感が近い子もいます。
乳幼児の内は、スキンシップも大事な成長要素になりますが、それ以上に成長すると、他人との距離感を適切にとれるよう教えていく必要があります。
特に、性犯罪的なリスクを回避する意味でも距離感は重要です。
しかし、距離感をとるのが苦手だと、遠慮なく抱きついてしまう子もいます。
これは、色々原因がありますが、多くは適切な愛着形成ができていないケースで多いです。
(愛着に関しては以下参照↓)
このような子には、スキンシップを過度に禁止すると逆に不安感が高まってしまいます。
そこで、ハイタッチという社会的に問題のない範囲のスキンシップを数多く行って安心感を与えながら、同時に
「ハイタッチできる距離=近づいていい距離」
と覚えてもらうことで過度な接触を避けることができるのです。
このようにハイタッチを通して、他人との距離感を覚えていくことができます。
④安心感のある環境づくりができる
②で「触れる=安心」につながると紹介しました。
これは対人不安が強い人だけでなく、全ての人が同様です。
そこで、学校や習い事の教室など、集団で活動する環境にある人は積極的にハイタッチする場面を作ることで、安心感のある環境を作ることができます。
これが可能なのは、ハイタッチをすると不安感を調節する「セロトニン」 が脳内で発生することが理由とされています。
特に、ASD(自閉スペクトラム症)の人は、体内のセロトニン量が、ASD以外の人より生まれつき少ないことがわかっています。
この結果、ASDの人には対人不安に陥るケースが多いです。
よって、ASDの人がいる集団では、積極的にお互いにハイタッチをする活動を取り入れることで、徐々に不安感が解消されていき、子ども同士の中がよくなっていきます。
なお、触覚過敏などの特性がある子がいる場合は配慮が必要ですが、触覚過敏があっても、信頼関係ができていれば過敏は起こらないことがわかっています。
そこで、最初は指一本からでもいいので、少しずつハイタッチで触れる掌の面積を広げてみましょう。
先ほど同様、「触れる=安心」と認識するので、面積が広がるほど関係を作ることができます。
終わり
今回は、ハイタッチの良さを紹介しました。
なんとなく良いのはご存知の人は多いと思いますが、理論的に良さがわかれば応用も効くと思います。
ぜひ積極的にハイタッチを活用してみてください(^ ^)
参考文献
※1
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