相手の意見を否定ばかりする子への対応

何か言うと・・・
授業で先生や子どもが発言すると
- 「違うよ〜」
- 「いや〜」
- 「ダメじゃん!」
と否定する子がいます。
当然、発言を否定された嫌な気分になるので注意しますが全くに変わりません。
一体どうすれば良いのでしょうか?
原因と対応
子どもによって、行動の理由も対応も異なりますが、ここではよくある原因と対策を紹介します。
◆指示が曖昧な時
細部に注目してしまう「こだわり行動」のある子の場合、些細な言葉の違いを極端に捉えて反応してしまいます。
- 先生に「ちょっと聞いてください」と言われても構わずおしゃべりを続け、注意されると「ちょっとって言ったじゃん!」とキレてしまったりする。(本人は「ちょっと」と思っている)
- お母さんに「机を片付けなさい」と言われると、中途半端に片付けて「片付けたよ!」と堂々と主張します。(途中でも「片付けはしたので大丈夫!」と思ってしまう。)
よって、子どもに指示をするときは「誰が、どこで、いつまでに、何をするか」をはっきり伝えて、余計な言葉のやりとりは極力避けるようにします。
また、語りかけるときも難しい言葉は使わずなるべく簡単な言葉で、短く伝えるようにしましょう。
言葉の細部に注目する「こだわり行動」は自閉症の子に見られるものと言われます。しかし、自閉症は別名「男脳」とも言われ、男性は基本的にある程度「こだわり行動」を有していることが多いことが知られています。
よって、言葉の些細な間違いや曖昧な指示は、担任の先生は基本的に突っ込まれるものと考えていたほうが良いでしょう。
◆否定して周りが慌てるのを見て楽しんでいる
よくあるパターンとして「やらない!」「やらない!」「違う!」と相手の発言を否定すると、
- 先生が「そんなこと言っちゃダメでしょ!」「相手の気持ちを考えて!」と、一生懸命対応してくれる
- 友達が「ひどーい!」「なんで〜」「うるせぇ」と構ってくれる
など、「相手をしてくれる」という経験をすることがあります。
当然相手は嫌な気分ですが、否定したら必死に構ってくれることが嬉しくて何度も繰り返してしまいます。
子どもの中には
- 「相手の表情を読み取る力が低い」
- 「言語能力が低く、相手が嫌がっていることがわからない」
という子もいて、先生が注意するほど子どもは意見を否定するようになるケースがあります。
厄介ですね(^ ^)
このような子には、「はいはい」と淡々と相手をする方法が有効です。
何度否定しても注意されないので、「あれ?構ってくれない・・・」と感じ、そのうち「否定しても構ってくれない」と覚えてくれます。
◆イヤイヤ期に入った場合
発達の遅れが見られると、実年齢にかかわらず「イヤイヤ期」に入っている子もいます。
これは自分の感情表現を一生懸命学習している最中ですので、「成長中なのね(^ ^)」と理解して、受け入れてあげましょう。
◆嫌われている場合
信頼関係を適切に築けなかった場合、
- 授業へのモチベーション
- 先生へ協力する姿勢
はなくなり、反抗して授業を潰そうとしてきます。
先生が悪い人でなくとも、「学級をうまくまとめられない」という理由で嫌われてしまうケースがあるのです。
この場合は、まだ他の子の信頼が残っているのであれば、
- 授業力を向上し面白い授業をする
- 関係性向上のために、レクや交流機会を増やす
などの対応が可能です。
一方、クラス全体で先生への信頼が失われている状態だと、それは学級崩壊です。
管理職を含めて学校全体での対応になります。
終わりに
先生は言ったことを子どもから否定されると基本的に腹が立ちます。
人間なので当然です。
しかし、多くの場合は先生の「話すスキル」の未熟さが大きな原因を占めます。人前で話す力を高めることで、先生の仕事はとても楽になります。
否定してくる子にイライラするだけでなく、自分の技術の振り返りをする良いチャンスと捉えておくのが良いかと思います。
以上です(^ ^)
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