子どもに伝わる4つの褒め方のコツ

目次
褒めても伝わらない?
褒めても子どもに伝わらないことがあります。
一生懸命褒めても、子どもは嬉しそうではない。
自信をつけてほしいけど、変わらない。
褒めることは大事ですが、子どもに伝わるためにはコツがあります。
今回は子どもに伝わる4つの褒め方のコツを紹介します(^ ^)
※
書いていて気づいたことですが、紹介する「褒め方のコツ」は、「相手を喜ばす」「相手と良い関係を作る」という目的の褒め方ではなく、子どもを成長させるために、「自己肯定感をあげる」「良い行動を覚える」という「教育目的の褒め方」です。なので違和感を感じる方もいるかと思いますが、今回は教員、教育関係者、あるいは子育て中の保護者の方への紹介を目的にしています。
4つの褒め方
その4つとは
- すぐに
- 具体的に
- 多様に
- 徐々にやめる
の4つです(^ ^)
これは、行動科学という形で紹介されている方法です。
① すぐに褒める
- 困っている人を助けてあげた
- 喧嘩になる前に譲ってあげた
- チャイムの前に授業の準備をして待っていた
褒めるべき行動を見たら、すぐに褒めてあげましょう。
子どもの記憶が鮮明な方が、褒められたことが強く印象に残ります。
また、褒められた子を見本とすることで、周りの子に良い行動を広める時があります。
そんな時、すぐに褒めると真似をする時間を与えることができます。
例)
チャイムの前に授業の準備をして待っていた→授業の最初に褒める
すると、次の授業前に準備をする子がでる。→さらに褒める
この繰り返しで「良い行動」が定着に向かいます。
もし、帰りの会で褒めた場合、子どもはすぐに思い出せず、忘れているかもしれません。実感の薄いことを褒められてもピンとこないので、子どもに伝わらない可能性が出てきてしまいます。
なので記憶が新鮮なうちに「すぐに褒める」ということが重要です。
② 具体的に褒める
もし、授業中に姿勢が良い子を褒めたい場合に「すごいね!」「偉いね!」と言っても、何を褒められているのかわからず伝わらないかもしれません。
こんな時に、
「Aさんは背筋がまっすぐ伸びていて姿勢が良いです。Aさんの字が綺麗なのは姿勢が良いので、ノートから目を離して全体のバランスを考えて書くことができているからです。」
など、具体的な褒め方をすれば、言われた子も
「それが良いことなんだ」
と納得して受け入れることができます。
教師側は、褒める観点をもっておくことが大事です。そうすれば、子どもが気づいていない「良い行動」をたくさん褒めることができます。そして、子どもの自己肯定感ををあげるチャンスが増えます(^ ^)
③ 多様に褒める
基本的に人は褒められると人は嬉しいものですが、毎回同じように褒められると徐々に飽きてきます。
同じ褒め方を続けるより、バリエーションをつけて褒めることで、子どもに新鮮に伝わります。
ではどのようなバリエーションがあるでしょうか?
⑴褒め言葉の種類
「すごい」「素敵」「かっこいい」「かわいい」「さすが」「優しい」「1万点」「神奈川代表」「歴代1位」「日本でも数人しかいない」「大谷を超えた」「吉本に入れる!」「未来の芥川賞」「ワールドクラスの人材」・・・
いろんな褒め言葉があります(^ ^)
⑵言い方
- 高いテンションで褒めるのが響く子
- 静かに真剣に褒める方が響く子
- さりげなく褒めると響く子
いろんな子がいるので言い方を変えて見ましょう(^ ^)
⑶伝える媒体
- 言葉で伝える
- 友達に伝えてもらう
- 兄弟に伝えてもらう
- 家族に伝えてもらう
- 学級通信で紹介する
- 連絡帳に書く
- 手紙に書く
- 日記の返信で書く
- ものを与える(シールなど)
「褒める」というと言葉のイメージがありますが、本人に伝えることができるのは言葉だけではありません。
親御さんに「最近、Aさんは宿題をとても頑張ってますよ」と電話で伝えれば、家で「先生が褒めてたよ!」と伝えてくれます。直接言われるより、噂的に聞く方が嬉しい子は多いです。
また、学級通信で「今日はBさんの作文です!」と、具体的なポイントを添えて紹介する方法は、子どもに大人気です。
そのほか、大勢の前で褒められるのが苦手な子もいます。
そんな時は、連絡帳や手紙に「今日は、休み時間お手伝いしてくれてありがとう!Cさんの優しさが嬉しかったです(^ ^)」と書いて伝えることで、恥ずかしい思いをさせずに言葉を届けることができます。
また、達成するたび表にシールを貼っていき、自分の努力を可視化することも、ものを使った褒め方と言えるでしょう。(トークンエコノミーという方法です)
そのほか言葉以外にも褒める方法はたくさんあります。
色々な媒体を通すことで、子どもに伝わります。
このように、
- 多様な褒め言葉
- 多様な言い方
- 多様な媒体
で褒めることで、確実に子どもに伝えることができます。
④ 徐々に褒めることをやめる
「褒め方」を紹介しているのに、褒めるのをやめる、というのは変な気もしますが、「いつ褒めるのをやめるか?」という視点はとても大事です。
良い行動→褒められる→嬉しい→良い行動
このサイクルは大事ですが、続けていくと褒められることが当然となり、
「褒められない=マイナス体験」
となる場合があります。
これは、褒められることを求めて行動しているので、本来の良い行動の意味から外れてしまいます。
なので、行動を覚えたあとは褒めることを徐々に減らしていくことが大事です。
例えば、給食当番の準備をすぐにした子に「早いね(^ ^)」と、褒めて行動を定着させます。
その後、毎回できるようになれば、徐々に減らしていきます。
減らしていく途中で
先生「何も言わないでもできるなんて、さすがだね(^ ^)」
子ども「当然でしょ!」(子どもに当たり前の行動だと認識させる)
ぐらいのやり取りは入れても良いと思います。
こうして徐々に褒める回数を減らして、最後は習慣になることを目指します。
終わりに
以上、4つのコツを紹介しました(^ ^)
最初にも書いたのですが、今回の褒め方は、教師が教育に用いる褒め方です。
人間関係を円滑にするための褒め方とは、異なるのでご注意ください。
「褒め方」で悩んでいる人に参考になれば幸いです(^ ^)
PS:旦那さんにダイエットさせたい人
この4つの褒め方は行動科学と言って、人の行動にアプローチする方法です。
なので、子供の教育以外にも色々な活用法があります。
例えば、旦那さんをダイエットさせたい私の友人がこの4つの褒め方を使いました。
- すぐ褒める→旦那さんが運動したら「痩せたじゃん!」
- 具体的に褒める→「少しお腹凹んだんじゃない?」
- 多様に褒める→言葉、LINE、子供から言わせる、写真に納める
- 徐々に減らす→目標体重までいくと、徐々に体型の話題を辞めていく
見事にダイエット成功してました(笑)
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