ICT機器を授業でどのように活用するか?

目次
ICT機器を授業でどのように活用するか?
ICT機器の活用
パソコン、タブレット機器、AppleTV、電子黒板などICT機器を使った授業の導入が提唱されています。
今までの黒板とチョーク1本の授業から、どの子も分かる質の高い授業をするためにICT機器は新しい可能性に溢れています。
その一方で、何年も前から現場ではICT機器を使った授業は進んでいません。
理由は色々ありますが、私はそもそもICT機器の扱い方の方向性がずれているのではないか?と感じるようになりました。
今回は学校、教育現場でのICT機器について私が思うことを書いていきます。
ICT機器の導入が進まない理由
教師時代私は学校で視聴覚機器の管理の担当でした。
教室にはパソコンとテレビも用意され、iPadの導入も進んでいました。
しかし、職員のICT機器の導入は遅々として進みませんでした。
なぜでしょう?
①なくても授業ができる
ほとんどの先生は、ICT機器がなくても授業を行ってきましたので、そもそもICT機器を必要としていません。
- 映像を使わなくてもコピー機で写真は印刷できます。
- 動画はなくても、上手な子に見本をお願いすれば良いです。
- ネットがなくても図書室で調べます。
「使え」と言われれば使いますが、なくてもできるなら準備に時間のかかるICT機器を使おうと思いません。
②よく止まる
学校の機器はリース品も多く、動作不良になることが多いです。
そして動作不良から回復させる教員は限られています。
止まる可能性があるものを使おうとは思わなくなります。
実際、地域のICT機器の実践発表では本番に動作不良で使えなくなる、という場面もありました。
発表者は、校内で一番得意な人であるにもかかわらずです。
このようなことも重なり、日常でのICT活用の意識は低いのが現状です。
私の意見
私は、ICT機器は教師ではなく子どもが使う場を設定すべきだと考えています。
今、社会人はWord、Excel、PowerPoinntなど基本的なスキルは使えて当たり前の状態です。
にもかかわらず小学校で行う教育はせいぜいネットで検索する程度です。
必要なのは社会人になったとき一番必要なスキルではないでしょうか?
かつて私のクラスでは、教室パソコンを子どもに解放して使用可能にしていました。
そして、係活動の新聞をwordで作ったり、お楽しみ会でPowerPointのスライドショーを使ったクイズ大会を子どもたちは企画し開催していました
私は基本的な操作を教えただけで、あとは子どもが自分たちで試行錯誤して作っていたのです。
何か目的のためにアウトプットの手段としてのICT機器を使わせる機会を増やす方が、将来の役に立つと感じます。
終わりに
現在の放課後デイサービスでは、発達に困難を抱えた子が通ってきます。
その中には字が書けないために、作文練習をすることができない子もいます。
しかし、パソコンであれば、打つだけなのでスラスラと文章を打っていきます。
その子にとって劣等感の象徴であった作文が、パソコンの存在で得意科目になったのです。
私はICT機器を教師が華麗に使いこなす授業ではなく、子どもたちのツールとして使う機会を増やして欲しいと思います。
それを妨げているのは、
- 「壊されたらどうしよう」
- 「管理がめんど臭い」
という大人側の思いです。
徐々に、子どもに任せることができる学校も増えていると聞きます。
子どもが社会に出た瞬間を見据えて、ぜひICT機器の活用方針の転換を図って欲しいと思います。