いじめ指導の直前の対応 〜具体的ないじめ対応例〜

いじめ指導の直前の対応
いじめ行動を見つけたら・・・
- 「友達に悪口を浴びせている」
- 「友達を叩いている」
- 「授業中に大声で騒いでいる」
学校の中を歩いていると、子どもに指導をすることが多々あります。
例えば・・・
私が経験した事例です。
休み時間に、他の学年の子どもたちが廊下で騒いでいます。
男の子が、別の男の子の上に乗っています。
そして、下の子は「やめてよ!」と叫んでいます。
目撃した先生はどうしたら良いでしょう?
①指導の直前の対応
上記の行動を見つけたら、
「急いで駆けつけて、大声で止めて叱る」
という姿が一番に思い浮かぶのではないでしょうか?
当然止めて指導するのですが、その前の対応として、
- 少し離れて注意をして止める
- 「こっちに来なさい」と言って子どもを先生の元に呼ぶ
と良いです。
②理由
例のような、いわゆる問題行動をする子はグレーゾーンの子(※)である場合が多いです。
(※発達障害の診断はされないが、行動面で発達の偏りがあり社会適応に困難がみられる子)
グレーゾーンの子に、怒った顔で近づいていきなり注意をすると、反抗心や防衛本能が働き
- 「俺はやってない!」
- 「遊んでただけだし、決めつけんな!」
と反撃に出て自体が収集できなくなる可能性があります。
そこで、まず遠くで注意をして「こっちにおいで」と呼びます。
子どもは一瞬考えて「あ、やばい」と自分の行動(=怒られる行動をしていた)に気づき来るまでに反省します。
指導までに時間的猶予を与えて気づかせることで、先生から
「なんで呼ばれたかわかりますね?」
と言って自分の行動を振り替えさせれば、子どもが反省している状態で指導することができます。
上記の例の場合だと、友達の上に乗って騒いでいた子どもはしどろもどろになりながら反省し、下になっていた子に謝罪をさせました。
私はその後男の子の担任の先生に伝えて終了です。
③もし対応が効かない子の時は・・・
しかし、もしこの対応で理解ができない場合、そもそも何が悪いのかわかっていないということになります。
そこで、
- 「今何をしていたか?」
- 「いいことと悪いことは何か?」
- 「正しくするべきはなんだったか」
など、一つひとつの行動を教えていきます。
大人には当然でも、子どもは多くの場合で正しい行動が分かっていません。
次に同じことをしないために、「どうすれば良いか」を教えることが大事です。
終わりに
感情的に怒り、恐怖で子どもの行動を抑える先生がいます。
しかし、先生の行動は子どもに真似されていきます。
その結果、指導された子が他の子に感情的に怒ったり、恐怖で行動を制御したりする、という危険があります。
それをさせないために先生は子どもに落ち着いて教え込む必要があります。
子どもへの指導は難しいです。
しかし、ルールを守らない子には、ルールを守れるようにすることが大事です。
怒ることを目的にしないよう心がけるとよいでしょう。