【授業案】子どもが自ら考えて気づく仕掛け 〜1年光村国語「くちばし」〜

1年光村国語「くちばし」
「くちばし」は、小学校で初めて行われる説明文の授業です。
初めての説明文なので、内容読解の前にたくさん音読をして、身近な鳥の話題などの生活体験とつなげて読む必要があります。
また「くちばし」で指導する内容は「問いー答え」の関係です。
その後の「筆者の主張ー例示」にもつながる、重要事項なので確実に抑えたい内容です。
ねらい
【関】文章の内容や,「問い」と「答え」という形式に興味をもって読もうとしている。
【読】「なんの――でしょう。」という問いと,それに対する答えを捉えている。
本時のしかけ
単元の最初はしっかり音読をします。
また、紹介されている3種類の鳥の写真や補足情報を見せて、内容理解を深めていきます。
その1次をおこなって後、2次で「問いー答え」を扱います。
◆「言葉を変えて提示」
先生「今日は「くちばし」を詳しく読んでいきます。」
(3枚のカードを黒板に掲示する)
(1文ずつ子どもと読んでいきます。)
先生「このような話だったね(^ ^)」
子ども「違う!!」「反対!」「なんかおかしい!」
先生「何が違うの?」
子ども「真ん中の最後の言葉は、『です。』じゃなくて『でしょう。』です!」
子ども「左は『くちばしです。』です。真ん中と反対です!」
先生「なるほどね〜でも反対でも言っていることはわかるから、別にこのままでいいよね(^ ^)」
子ども「絶対ダメー!」
先生「ダメか〜?説明できる人いる?」
子ども「『なんの』って聞いているから、『でしょう』って聞かないとおかしいです!」
子ども「聞かれてるから『きつつきのくちばしです。』って答えないとおかしいです!」
(ここまで気づいたので用語の説明)
- 「でしょう(か)」は、聞いている文=「問い」
- 「〜です。」は答えている文=答え
適用問題&評価
教科書の
- 「〜でしょう。」とある「問い」の文に赤い線
- 「〜です。」と問いの「答え」青い線(なければ鉛筆)
で線を引かせます。
できたら、教科書に持ってきて先生の確認と評価をします。
全員理解してできたかを必ず確認します。
感想
「言葉を変えて提示する」という仕掛けは、筑波大学附属小学校国語部の桂聖(かつらさとし)先生の提唱する「10のしかけ」を自分なりに応用したものです。
桂先生は「発達障害のある子でも理解できる授業は、すべての子どもが理解できる授業である。」と考え、授業ユニバーサルデザインという考えを提唱しています。また国語授業における「10のしかけ」を実践発表し続けています。「10のしかけ」は、国語に限らずどんな授業でも応用可能な技術なので私は好んで使用していました(^ ^)
(放デイでも応用中です)
今、通常級の発達障害児がクローズアップされています。現場の先生も、どんな子も受け入れて授業をしようと日々努力していますが苦労しているのが現状です。授業ユニバーサルデザインは、そんな混乱する学校現場での有効な手立てになると思っています。
誰一人見捨てない、全員参加し理解できる授業を目指して頑張りましょう!
参考になれば幸いです(^ ^)
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