【授業案】算数2〜6年:単位変換の苦手な子への4つの対応

単位変換の問題
- 2年生「長さをはかろう」「水のかさをはかろう」
- 3年生「長さをはかろう」「重さを数で表そう」
- 4年生「広さを調べよう」
- 5年生「直方体や立方体の体積」
- 6年生「量と単位の仕組み」
と、2〜6年生にかけて算数の「量と測定」領域では、単位について学んで行きます。
- 「長さ」:mm、cm、m、km
- 「水のかさ」:mL、dL、L
- 「重さ」:g、kg、t
- 「広さ」:㎠、㎡、1a(アール)、ha(ヘクタール)、㎢
- 「体積」:m㎥、㎤、㎥
という単位を学んでいくと、子どもは単位の変換の問題で大きな壁にぶつかります。
数概念の形成が苦手な子は特に躓きます。
苦手な子に、どのように支援をしたら良いのでしょうか?
具体的支援
単位変換が苦手な子に対する支援を紹介します。
①測定する
最も基本的なことですが、具体的なものを使ってイメージさせることが重要です。
- 物差しやメジャーで長さを測る
- マスを使って水を測る
- はかりを使って重さを測る
- 実際の面積を見て歩いてみる
など、紙の上ではなく実際に見て体験して学習するのが最も効果的です。
紙の上のイメージだけで理解できる子は少数ですので、具体物を使うのは必ず学習内容に入れましょう。
②単位を具体的なものでイメージさせる
- 1cmは、人差し指の爪の上から下ぐらい
- 1mは大また1歩
- 1kmは、〜駅まで
- 1Lが牛乳パック1本分
- 1aは教室ぐらいの広さ
など、単位とセットに基準となるもののイメージをつなげて教えます。
すると子どもは「だいたいこれくらい」という量感で考えることができるようになっていきます。
日常生活で日頃から意識できるものを基準として教えると、子どもたちも自然と単位変換ができるようになっていきます。
③単位の意味を教える
単位は、似たような言葉が多いです。
- gを1000倍したら「kg」
- kgの1000倍が「t」
など、言葉の定義ははっきりしないと、子どもたちは混乱していきます。
6年生算数の「量と単位の仕組み」では、このような単位表が出てきます。(6年東京書籍)
このように表をあらかじめ子どもたちに、示しておくと
「m、g、Lが真ん中なんだ!」
「kって1000倍なんだ!」
「m(メートル)とm(ミリ)わかりづらい!」
「da(デカ)って面白い!」
など、単位の意味を理解して、覚えることができます。
聴覚言語優位の子などは、このように言語的な覚え方をした方が、理解しやすい子もいるので、具体物と言葉両方から学習することが大事です。
④単位換算表を使う
先述した東京書籍6年算数の体積の単元には、単位換算表が紹介されています。
単位換算の問題でわからなくなった子は、この表を使って正しい数字を把握していきます。
1を任意の数字に合わせるだけで、正しい数字が見てわかるので、子どもも理解がしやすいです。
何度も使っているうちに、単位変換を覚えて表がなくても問題が解けるようになります。
なので、1年中いつでも使えるように教室においておくのが良いでしょう。
単位換算表の作り方が掲載されている東京書籍:6年生算数の教科書
(※教科書ってamazonで売っているんですね^^;)
終わりに
単位換算表のような道具は、「本当の算数の力が育たない」という意見もありますが、そもそも数の概念が捉えられず苦しんでいる子には必須の支援です。
また、算数は紙の上だけでは全て理解できるものでもありません。
日常にあるものを「数と記号」に置き換えて考えさせる経験を積むことで算数の力、数学的なものの見方・考え方の力が鍛えられます。
たくさん動いて考えて、算数の力を鍛えていきましょう(^ ^)
以上です。参考になれば幸いです!
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