【授業案】2年国語「スイミー」〜比喩の効果に気づかせる工夫〜

【授業案】2年国語「スイミー」
2年生の国語の物語でトップの人気を誇るのが「スイミー」です。
(作者:レオ=レオニ、訳:谷川俊太郎)
「スイミー」の良さは、何と言っても読者を引き込む様々な言葉の表現技法です。
そして特に重要な指導事項は「比喩」です。
物語を通して「比喩」によって、スイミーの心情が移りかわっていく様子が書かれています。
しかし、ただ読んでいる子どもは「比喩」に気づくことはありません。
「比喩」とは何か子どもに教えて、改めて読んだとき子どもの読みは変化します。
この「読みの変化」こそ子どもにつけたい国語の力です。
比喩に気づかせる工夫
比喩が使われている文
「にじ色のゼリーのような くらげ。」
を『〜のような』の前後の言葉を反対にして
「くらげのような にじ色ゼリー」
と短冊に書いて掲示します。
①「〜のような」
P54のクラゲの挿絵を掲示します。
先生「これは何かな?」
子ども「にじ色クラゲ!」
先生「そうですね(^ ^)このクラゲは、教科書ではこのように書かれています。」
(短冊を掲示する)
「読んでみましょう。せーの」
子ども「くらげのような にじ色ゼリー?」「おかしいです!」「反対!」「ゼリーじゃん!」
先生「何がおかしいの?」
子ども「反対です!『にじ色ゼリーのような くらげ』です!」
先生「本当だ!ん〜でも、言葉は同じだし、これでも良いんじゃない?」
子ども「ダメです!それだと、にじ色のゼリーを見たことになります」
「海にゼリーがあったらおかしいです!にじ色ゼリーはスイミーが『似ているな?』と思ったものです。」
「本物は『〜のような』の下に来ないとだめです!」
(子どもの意見を板書)
先生「なるほど。似ているものは『〜のような』の上に、本物は下にくるんですね(^ ^)」
②「〜みたいな」
(伊勢エビの挿絵を掲示する。)
※教科書に挿絵はないが、図書室にある絵本に挿絵が掲示されているので用意する。
ただし絵本がない場合、挿絵はなくても良い。
先生「これはなんでしょう?」
子ども「いせえびだ!」
先生「よく気がつきました。いせえびも教科書にこう書かれていましたね」
(短冊を掲示)
子ども「違う!」「さっきと同じ!」
先生「あれ?『〜のような』って書いてないよ?」
子ども「『〜みたいな』って書いてあります!『〜のような』と意味は同じです!」
(同じ比喩表現であることを確認して、ノートに正しい文を書かせる)
③比喩の効果(ゆさぶり)
先生「でも、わざわざ似たものを言うんだろうね?」
「『白いかさのようなくらげ』とか『おもちゃの車みたいないせえび』でいいんじゃないかな?」
(短冊を掲示)
子ども「ダメです!」
「『にじ色ゼリーみたいに』だから、スイミーは『綺麗だな〜』って感じたんです!」
「白い傘だとスイミーはなんか元気がない気がする!虹色に見えるほどスイミーは元気になったんです!」
「おもちゃの車は人間から見た大きさです!」
「ブルドーザーみたいに、『でっかい!』とスイミーは感じたんです!」
先生「なるほど。比喩はスイミーが感じたことや気持ちを表しているんですね(^ ^)」
(意見を板書して、まとめる)
終わりに
物語をただ読むだけでは国語の力はつきません。
作者は伝えたいことを、様々な言葉、表現技法を駆使しています。
その表現技法を理解し作者の意図を読み取る。
そして、表現技法を使って文を書く。
この力を鍛えることで国語力は高まります。
今回も筑波大学附属小学校の桂聖先生の「10のしかけ」を参考にさせていただきました。
お役に立てば嬉しいです(^ ^)
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