【教育論】一斉授業は時代遅れなのか?

目次
一斉授業はもう古い?
- 反転学習
- 学び合い
- 個別指導
- 少人数指導
- 習熟度別学習
何年も前から、一斉授業では多様化する子どもの実態に対応できないという事実から、新しい学習スタイルの研究が進んでおり、現状を解決するために、生み出された方法はどれも素晴らしいものです。
このまま一斉授業は消えていってしまうのでしょうか?
授業論:オーズウェルの有意味学習
ここで、私の授業の基盤としていたアメリカの心理学者のオーズウェルの意見を紹介します。
一般的に
- 知識を先生から一方的に受容する一斉授業
- 子どもが自分で課題を発見していく発見学習
「一斉が悪者、発見の授業が良い」とよく語られます。
ここにオーズウェルは、「有意味」「機械的」という概念を加えました。
有意味とは、「事前にもっている知識、経験を活用する学習」
機械的とは、「これまでの知識、経験など関係なしに機械的に覚える学習」
と定義されます。
オーズウェルはこれらの考えを組み合わせて、4つの学習形態を考えました。
◆4つの学習形態
①有意味発見学習
その人がもっている知識や経験を使い、新たな意味を見出していく学習
②有意味受容学習
先生が整理したことを教えるが、学ぶ過程でその人がもっている知識経験を使って学び取る学習
③機械的発見学習
もっている知識経験を使わずに何かを発見する学習
④機械的受容学習
先生の一方的な教え込み
◆従来の問題
オーズウェルは、古い一斉授業と新しい発見学習は、
①有意味発見学習と④機械的受容学習のみの対立である、と主張しました。
◆オーズウェルの主張
オーズウェルは、「『有意味』であれば発見学習でも、受容学習でも優劣はない」と主張しました。
実際、発見にはたくさんの知識が必要になります。
新しいものを想像する人は、従来の基本知識を学んだ上に自分の理論を構築していきます。
サッカーのルールを知らない人が、新しい戦術を考えることはできませんよね(^ ^)
なので、
- 「基本の知識を学ぶために発見学習を行うのは効率が悪い」
- 「一斉授業であっても質の高い有意味受容学習であればもっとやるべきだ。」
というのがオーズウェルの主張です。
私の考え
この有意味学習の考え方は、私は正しいと思っています。
知識を活用することばかり考えて、肝心の知識はどこから手にいれるのか?
という点が最近の授業論からは抜けていると感じます。
知識は人の中に入って初めて活用が可能になります。
一斉授業のあり方、長所と短所を明確にして、効果的な使い方を考えていくべきだと思います。
終わりに
私は、以前一斉授業主体の公立小学校の担任をしていました。
そして今は、発達に困難を抱えた子へ個別指導を行う放課後デイサービスに勤めています。
最初は、一斉授業よりも個別なら子どもの学びの定着は早いと思っていました。
しかし、始めてみると個別学習の難しさを理解し、そして一斉授業のメリットが明確になりました。
個別学習は、子どもと1対1なので信頼関係は先生自身の力でつくらなければいけません。
一斉授業であれば、先生と合わない子や変わった子がいても、子供達同士の関わりで成長させることができましたし、学力向上につなげることができました。
個別学習では、子供同士の力を使えない分ちょっと大変です。
色々言いましたが一言で言うと「一斉授業は良かったな〜」ということです(笑)
特別支援学級の先生方は、すごいことしてたんだな〜と思いながら、日々レベルアップに励んでいます(^ ^)
以上です!
※現在はコロナウイルスの影響で、一斉授業そのものが行われていないので、さらに新しい学びのあり方が模索されています。
- 映像授業
- 家庭学習
- ZOOMによるオンライン授業
- 映像授業とオンライン授業の掛け合わせ
- 一昔前の通信教育etc
まだまだ学びの進化は止まりそうにありませんね(^ ^)
ZOOMは双方向の意見のやり取りが可能なので、かなりオンライン授業の中では可能性があると思いますので、今後も新しい使い方がどんどん出てくることを期待しましょう!
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