教育実習で子どもたちから「舐められるのではないか?」と不安な人へ

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教育実習で子どもたちから「舐められるのではないか?」と不安な人へ
教育実習
教師になるためには、教育実習に行く必要があります。
働く前に実際の仕事を経験できるのは非常に良い機会です。
しかし、まだ先生でない身としては、
- ちゃんと授業ができるのか?
- 下手なことをして怒られないか?
- 保護者から何かクレームが・・・
など、不安を抱いてしまいます。
そんな中でも「子どもに舐められてしまったらどうしよう・・・」という悩みをあるでしょう。
自分自身が学級崩壊の経験のあると、特に怖いと思います。
教育実習で舐められないためにはどうすれば良いのでしょう?
舐められないためには、厳しくすれば良い?
舐められないためには「厳しい態度」をイメージする人もいます。
ただ、教える経験が少ない人が「厳しくしよう」と思うと、多くの場合「ただ大声で怒鳴る先生」になります。
なぜなら、怒鳴れば「子どもが動く」からです。
しかし、怒鳴って子どもが動くのはその場だけです
子どもが「こうした方が良い」と理解して動くわけではないので、悪さや悪戯は減りません。
また、子どものストレスが増えて関係も崩れていきます。
教育実習では指導教官の先生がフォローはしてくれますが、「厳しい先生」として子どもと接するのは避けたほうが無難でしょう。
どう接すると良い?
- 若くて元気
- 一緒に遊んでくれる
- 年が近いので、同じ話題で話せる
など、子どもは教育実習生が来ると非常に喜びます。
このようなプラス面は教育実習生の強みであり、現場の先生には不足しがちなものなので、子どもと関わる上で生かしていきたい所です。
一方、気をつけることは「子どもの安全の保証」です。
子どもが「先生」に臨むことは、
- わかる授業
- 安全な環境
この2つです。
楽しく関わることは、子どもにとって「楽しいこと」ではありますが「先生に望むこと」ではありません。
子どもにとっては「担任の先生」も「教育実習生」も同じ先生です。
なので、
「先生として臨まれている行動をする」
ことが、教育実習で子どもに舐められないで、正しい信頼関係をつくる大事な要素となります。
では具体的にどうすれば良いのでしょう?
①曖昧なことを言わない
- お代わり2回目いいですか?
- もう休み時間だから外に行っていいですか?
- シャーペンでも大丈夫ですよね?
など、毎日子どもは色々なことを聞いて来ます。
特に、担任の先生が学級のルールをきちっと決めていない場合、教育実習の先生もかなり聞かれます。
そんなとき、「多分大丈夫だよな・・・」と考えて曖昧なことを言うと、後で
「だって〜先生大丈夫って言ったもん!」
と、トラブルになります。
「安全な環境」を保証するはずの先生が曖昧なことを言ってトラブルが発生すれば、当然関係は壊れて舐められ始めます。
曖昧に答えるのではなく、
「いつもはどうしているのかな?」
と確認したり、
「◯◯先生に聞いてみようか?」
と指導教官の先生の指示を仰ぐ方が良いでしょう。
②ルールを守る
学校は集団生活の場で、ルールがあります。そして先生は、子どもにルールの大事さを伝えます。
これは信頼関係の構築にとても重要です。
一方、教育実習生の方は、学校に初めて「先生」という立場で入るので、どんなルールがあるか知りませんし、ルールの重要性もわかりません。
よって、「学校、学級のルールを守る」というのは意識しておくと良いでしょう。
例えば、授業の開始時間、終了時間などです。
指導教官の先生は「まだ大丈夫よ」と許してくれるかもしれませんが、子どもはそう見てくれません。
授業中に「時間をオーバーするかもしれない!」と思ったら、内容を早めたり、カットしたりして時間通りに終えましょう。
他にも掃除や給食の時間に、若い先生に甘えたくて仕事を止めてしまう子もいます。
可愛い姿ではありますが「おしゃべりの時間ではありません。仕事に戻ります」とはっきり告げましょう。
距離感は近くても構いませんが、先生としての本分はしっかり守ることで、舐められることなく信頼関係を築きます。
③授業
実習生は当然、授業を行います。
初めて現場で授業するので、先生も子どもも暖かく見守ってくれます。
しかし、そうは言っても明らかに準備不足では、不満をもってしまう子も出ます。
子どもが不満をもちやすい授業の傾向として、
- 説明が長い(=活動が少ない)
- 何をするかわからない時間が多い
- 展開が遅い
などの特徴があります。
これを逆に考えると対策も見えてきます。
説明は短く
説明は長いほど子どもは集中するのが困難になります(15秒限界説あり)ので、1回の説明は短くすると良いです。
例えば、
先「実験の説明をします。これはなんですか?」→子「重さを測る機械!」
先「そう!『はかり』と言います。全員で言ってみましょう!はかり!」→子「はかり!」
先「はかりは、まず平らなところにおきます。置けている班は手をあげてください!」→子「はい!(手をあげる)」
先「おろします。次は、メモリを0に合わせます。確認しましょう。」→子「(確認)」
・・・
など、一方的に喋るのではなく、「短く説明→活動」を繰り返すことで、子どもは集中力を保ったまま、授業に参加することができます。
終わった子は、何をするか明確にしておく
子どもの活動スピードはバラバラなので、早く終わった子が時間を持て余さないように、終わった後に何をするかをはっきりさせると、子どもは安心します。
例えば、
「めあてを書きます」
だけでは、めあてを書き終わった子が暇を持て余してしまいます。
「めあてを書きます。書けたら教科書を読んでおきます。」
と終わった子はどうすれば良いかも伝えておくと、子どもはストレスなく活動できます。
授業の展開をテンポよく進める
社会で「この写真を見て気づいたことをノートに書きましょう。」と指示をしたが、予想より子どもの意見が出ない。
などのこともあるかと思います。
そんなときは、時間をかけて待つよりも
- 先生がいくつか例を出す(子どものヒントになる)
- 1つ書けた子は黒板に書く(他の子の意見を見て考える)
- 班で話し合わせて意見をまとめる
など、確実に活動が進んでテンポよく活動を進めるようにするなどの工夫があります。
終わりに
教育実習は、初めて現場で授業をして、子どもに長期で触れ合います。
不安なことがあるのは当然ですし、失敗するのが当たり前です。
成功のみで生きていくことは不可能なのです。
サークルのリーダーで、成績も良くて、みんなの人気者で、友達から尊敬を集める人、が「良い先生」になるとは限りません。
しかし、失敗をしてそれを乗り越えた先生は「良い先生」と言えるでしょう。
教育実習は、堂々と挑戦して失敗できる最高の環境です。
ぜひ楽しんで参加して欲しいと思います(^ ^)