言うことを聞かない子への対応 〜声かけの工夫を意識する〜

指示が入らない
先生が、
- 「荷物をロッカーに入れてください!」
- 「机の上に乗ってはいけません!」
と言っても、全く動かない子がいます。
一体どう対応したら良いでしょう?
◆不公平
私は放デイ、保育園、小学校などで接しますが、いわゆる指示が入らない子を外から観察してみると、意外と理由がわかります。
それは、「不公平だと思っている」と言うことです。
◆ちゃんと考えている
指示が入らず、机の上に乗ってしまったり、鉛筆で書くノートに赤鉛筆で書いてしまったりする。
ルールが守れないのでよく「自閉症だわ」なんてレッテルを貼られてしまいます・
しかし、一見わがままなように見えて、彼らはちゃんと考えて動いています。
子どもたちは、幼稚園や小学校で「みんな同じ」「特別な人なんていない」と、教わります。
しかし、彼らにとって「先生も同じ人」です。
だから「先生が一方的に指示するのはおかしい」と感じているのです。
これは大人も同じです。
「明日から、地方へ転勤してくれ」と言われたら「それはおかしい!」と思うはずです。
上司・社長に理不尽な指示をされたら反論しちゃいますよね(^ ^)
子どもも同じです。
- 「今、自分は遊びたい」なのに、「勉強をしろ」と言われる
- 「机の上で遊びたい」なのに、「机から降りろ」と言われる
- 「赤鉛筆で書きたい」なのに、「鉛筆を使え」と言われる
自分の意思に反する指示をされたら、言うことを聞くはずがないのです。
同じように親・先生だから、という理由も言うことを聞く理由にはなりません。
◆どうするか?
では、どう声をかければ良いのか?
これは「対等になるよう声をかける」ことが大事です。
簡単に言えば、「最初はお願いを聞いてあげる」ということです。
例えば、
「今日は何で遊ぶ?」と聞いて「LEGOで遊びたい!」と言ったら、「じゃあLEGOで遊ぼうね!」
とお願いを最初に聞きます。
その後、「じゃあLEGOで遊ぶために、宿題を終わらせようね!」
と声をかければ、
「あなたのお願いを聞いた、だから先生の言うことも聞く」
という対等の関係が成立するので、彼らは指示を素直に聞いてくれます。
他にも机の上で遊んでおりない子に、
ぬいぐるみと積み木を見せて、「どっちで遊ぶ?」と聞いて「ぬいぐるみ!」と選ばせた上で、
「じゃあ、ぬいぐるみで遊ぼうね。おりてください。」
と言えば、彼らは素直におります。
これも「あなたのお願いを聞いた、だから先生の言うことも聞く」という対等の関係が成立しているので、すぐ指示を聞いてくれます。
終わりに
大人はつい「子どもは言うことを聞くもの」と思ってしまいます。
しかし、そう思い込んでしまうと、言うことを聞かない子に対して「あの子はおかしい!」と間違った認識をしてしまいます。
言うことを聞かない子も彼らなりにちゃんと考えています。
子どもも大人も同じ人間であり、対等な存在です。
だから、どう声をかければ納得してくれるか、という当たり前の発想からスタートすることがよいでしょう(^ ^)
以上です。参考になれば幸いです(^ ^)
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