【授業案】2年 国語 作文指導「今週のニュース」

目次
今週のニュース
2年生国語(光村)で、今週のニュースという単元の授業があります。
今週あった出来事を記事にして、紹介したり交流したりする単元です。
1〜2時間で終わる授業ですが、今週のニュース自体は年間を通して実施できます。いわゆる日記の指導のようなものです。
①導入 ニュースとは?
はじめに「ニュースとは何ですか?」と聞いて、子どもの生活体験からニュースのイメージを引き出します。
②テーマを考える
最初は、「どんなテーマでもいいです」と言ってテーマを全体で考えさせました。
考えている間に、先生は黒板に数字を書いていきます。
③テーマの発表
3分ほどノートに書かせてから、発表させます。
- ディズニーランドに行った。
- ハワイに行った。
- 晩御飯がカレーだった
- 友達とゲームした
という派手なものから日常的なものまで、とにかくたくさんテーマが出ます。
そして発表した子は「それはいい!書きましょう!」と言って黒板に書かせます。
この時黒板に書いた番号に沿って、子どもに書かせます。
黒板に書けると思うと、子どもは張り切って発表してくれます(笑)
思いつかない子も、
「そんなことでいいんだ〜」
「俺もそれあった」
黒板に書かれた意見を見ながら自分のノートに書いていきます。
④止まっている子への支援
よくわからず思考が停止している子がいますが、この時に「考えて」というアドバイスは効果がありません。
考えるのではなく、別の行動で頭を働かせることで、子どもの頭が働き始めます。
- 書けば、頭が働く
- 見れば、頭が働く
- 聞けば、頭が働く
じっとノートを見ても何も思いつかない子に「なんでもいいんだよ」と言っても動きません。
- 黒板に書かせる
- 友達の意見を見る
- 友達の発表を聞く
- なんでもいいから書いてみる
これを繰り返して、体も頭も刺激し続けることで、思考が止まらずに書くことができます。
⑤テーマの決定
その後、テーマの中から一つ選んで、ノートに書きます。
⑥書き方指導
ニュースと言ってもようは、自分の体験の作文なので、三文日記の形式でテーマに沿って書いていきました。
- 大まか
- 詳しく
- 気持ち
の三文です。
例を示して、まずは書かせます。
⑦書けた人から発表&ポイントの確認
(書いている間に大きめの画用紙を黒板に貼っておく)
その後、書けた子からその場で発表していきます。
最初はノート2〜3行の子の発表が続きます。
私は、その都度一人ひとりのいいところをほめていきます。
- 「数字を使っているので、とても伝わりやすい文になってますね。」
- 「どこであった出来事なのか、場所を詳しく書いているのがいいですね。」
- 「『◯◯さん』と友達の名前を出すことで、どんな出来事だったかわかりやすい文になってますね。」
といいところを、一つずつ子供たちに伝えていきます。
おそらく半分程度発表したら止まるので、その時点で黒板に掲示した画用紙にポイントをまとめます。
(この時に大きめの画用紙か模造紙に書いておくと、次の時間も「前回こんなポイントがありましたね」と紹介できます。)
⑧再度ノートに同じテーマで書かせる。
2回目は、ポイントを意識して子どもは1回目より長く書きます。
そのうち、1つのテーマで、4〜5行、ノート1ページ、2〜3ページ
と、どんどん文が進化していきます。
そのうち「別のテーマで書いていいですか?」という子も出るので、「いいですよ(^ ^)」と言ってどんどん書かせます。
実際に授業をした時は一番書けた子で5ページ書きました。
2年生なのでマスの数も少ないノートとはいえ、よく頑張ったと思います。
苦手な子でも、4〜5行程度は書けていました。
これでも過去にない量を書けたので、大きな成功体験を得ることができたと思います。
⑨評価&終了
書けた人はノートを先生に持って来させて確認、評価します。
- 3つのパートに分かれているか?
- 確認したポイントが書けているか?
- 「てにをは」は大丈夫か?
など評価のポイントを明確にして、名簿に記録していきます。
書けた人から授業終了ですが、中には最後まで書き続ける子もいます。
頑張った子は評価の時にノートを集めて、放課後コピーして次の日にお手本として配布し、壁にも掲示します。
終わりに
私は、作文指導の最初は量から入ります。
「量だけあっても質が悪ければ意味がない!」
と言われそうですが、そもそも書けなくて苦手意識の塊になっている子は大勢います。
その子たちに、はじめから質まで求めても苦手意識はなくなりません。
まずはどんな内容でも認めて、ほめます。だから、自分の意見を安心して出せるようになります。
そんな先生の姿を見て、子どもたちもお互いの意見を認める姿勢を身につけていきます。
こうして苦手意識を減らし、自信をもたせる。その後、子どもは自ら挑戦・成長して行く楽しさを覚えます。特に4月から夏休みまでは、その土台づくりの時期だと思っています。たくさん成功体験を得て、挑戦する姿勢を身につけます。
今週のニュースは、原稿用紙を用意すれば年間を通して実施できます。遠足、運動会、授業参観イベントごとに書かせて、書く力を鍛えていきます(^ ^)
PS:
今週のニュースを続けて、1年後の3月には毎週作文原稿用紙2〜4枚をスラスラかけるようになりました。
最大18枚書いてくるエースも生まれました。
書く力の向上は「継続」が大事ですね(^ ^)
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