教育ってなんのためにあるの? 〜2つの意味と社会課題〜

教育ってなんのためにあるの?
教育制度ってそもそもなんのためにあるの?と言う質問をいただきました。
考えてみると面白かったので、以下で紹介します(^ ^)
2つの意味
私は教育の意味は2つあると思ってます。
◆格差をなくし、生活の安全が保証される
第一に、「格差が減り、生活の安全が保証される」と言う意味です。
これは、学校がない国を想定するとわかりやすいと思います。
学校制度がない地域では、教育は家庭環境や住民の互助によって行われることになります。しかし、これは家庭個々のレベルによって質に差が出てしまいます。
よって、適切な教育ができない家庭は、貧困から抜け出せません。そうなると資本主義の社会制度の中で生きることができないので、犯罪、違法行為でしか生計を立てることができなくなります。
例えば、世界ではストリートチルドレンなど教育機会が与えられず、安全な生活すら送れない子どもがたくさんいます。アフリカの内戦地域などでは、学校が存在しない地域も多いです。
しかし、学校をつくると、子どもたちに教育の機会が保証されると、文字の読み書きや特定の思想に偏らないフラットな考え方を学ぶことができます。
このように、すべての子どもに一定の教育機会を与えることで、
- 「適切な仕事をすることができる」
- 「犯罪、違法行為の道に進まない判断力を得ることができる」
と言う2つの安全な道を歩むことができ、結果的に「格差の是正と生活の安全の保証」が与えられます。
実際に、アフリカなど貧困地域では、学校を一つ作ることで、犯罪が激減して安全な地域に生まれかわっています。
◆幸せな人生を送るため
第二に、「その人が幸せな人生を送るため」と言う意味があります。
すべての人は「自分の人生を生きる権利」を与えられています。
教育によって読み書き計算の生きていくスキルと世の中の制度を知ることで、自分の人生を選択する力が与えられます。(その力の大小は存在しますが)学校などの教育機関がなければ、家庭地域の資源に依存しますので、「選択する機会」が減ったり、なくなったりするでしょう。
上記の理由があるので、私は
「国・地域・自治体などの人が集まる集合体の中には、学校(あるいはそれに準ずるもの)は絶対に必要なものであり、かつ無償で与えられるべきである」
と考えています。
私の考え
今、日本で教育格差の問題が話題になっています。
貧困層と富裕層では、教育機会の質や多様性に差が生まれているので、不平不満や議論が生まれるのは当然だと思います。
この問題の前提として、今の教育によるメリットを忘れないでほしいということです。
義務教育という制度があるから、日本は識字率がほぼ100%で、国全体で多様な議論が起こり、SNSなどで社会問題も起こることができます。
なければ、貧困層など社会的弱者は声をあげて訴える事も出来ず死んでいく人が山のように出るでしょう。
「格差が問題になる」ということが、すでに義務教育の効果なのです。
いじめ、不登校、社会的貧困、差別・教育格差など多くの問題は、義務教育が効果を発揮しているから生まれる問題です。
だからアプローチするべきは、「いじめ・不登校・社会的貧困・差別などの社会問題を解決するにはどうするか?」という問題であり、「義務教育の存在意義は?」という段階ではないと思ってます。
- 社会問題の解決のために、義務教育制度の中身を見直す
- 新しい技術を使って社会問題を解決する
など社会が進んだことで生まれた問題を議論をすることが望ましいといます。
年齢を重ねるごとに実感しますが、この社会は不完全で、欠陥だらけで、どこもかしこも問題だらけです。(人間という生き物の根本の生物レベルの限界も実感します。)
それでも、人間は一歩一歩問題を解決して、前に進んでいます。100年前より、人は安全に長生きをできるようになりました、生まれてすぐ死亡する赤ちゃんも減りました、男女差別も、宗教差別も、交通事故も、凶悪犯罪も世界中で減少中です。
だから、100年後にもっと良い世界にするために、今を生きる人は「目の前にある社会課題をどう解決するか?」を考えていくことが大事だと思います。
終わりに
私は自分が戦争を経験せず、誰も殺すことなく、毎日食事ができて、家族や友達と過ごせる人生を過ごせて幸せです。(合わない人も嫌いな人もたくさんいますが笑)
100年後、1000年後の人にも、今と同じかそれ以上の人生を生きれる環境を残してあげたいので、私の人生は「社会課題の解決」に注ごうと思っています。
だから、いろいろな人と協力して行けたらいいなと思うので、今後ともよろしくお願いします(^ ^)
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