子どもに怒りそうになったらどうする? 〜教師版アンガーマネージメント〜

目次
アンガーマネジメント
最近自分の怒りをコントロールする
「アンガーマネジメント」
という方法が流行っています。
それだけ、ストレスやイライラの対処に困っている方が多い、ということでもあると思います。
そこで、「教師版アンガーマネジメント」を考えてみました(^ ^)
- 子どもを怒りたくないな〜
- 最近、余裕がないな〜
という方にみていただけると嬉しいです(^ ^)
さて、先生にもストレスを感じる場面があります。
例)
- タメ口で話しかけてくる
- 授業中おしゃべりが止まらない
- 話している最中に、突然横から割り込んでくる
- やり方を何度も説明したのにできない
- 友達を叩いたのに、謝らず言い訳をし続ける
- 注意をしたのに、守らない
- 授業に遅れてくる
- 友達をいじめる
- 避難訓練中におしゃべりをしている
- 年上の先生にいちいちダメだしされる
「こんなことでは怒らないよ」と感じるかもしれません。
しかし、休み時間もない多忙の中、次々と例のようなことが起こると、つい怒りそうになることがあります。
そんな時どうしたら良いでしょう?
アンガーマネジメントには3つの段階があるので、1つずつ紹介します。
①落ち着く
イライラを理由に子どもに当たってはダメなので、まずは気分を落ち着けます。
<方法>
◆ 6秒間我慢する。
→怒りは発生してからピークが6秒間続くと言われているので、6秒間我慢すれば気持ちは自然と落ち着いてきます。
◆ 心が静まる言葉を持っておく
→「元気がいい子だ」「大人は大変だな〜」「先生の仕事の始まりだ!」など、自分が気持ちを落ち着かせられる言葉を作って心で唱えましょう。
「相手は子ども、相手は子ども・・・と」心で唱えて心を静めている人もいるのではないでしょうか?
◆ 思考の停止
→イライラを感じたらすぐに何も考えず、目をつむりましょう。
考えてしまうと、怒りが暴走してしまいます。
考えなければ、6秒間あれば自然と落ち着いてきます。
◆ ものをじっと見る
→「忘れよう、忘れよう・・・」と考えるとかえって頭から離れなくなることもあります。
思考を止めるのが難しい場合は、近くにあるものをじっと見ると余計なことを考えなくなります。
ものに集中することは簡単なので、すぐに実践できます。
◆ その場を離れる
→教室でイライラしてしまうと、「考えない・・・」と思っても、子どもの方から寄ってくる場合があります。
せっかく落ち着いてきても、これでは変わりません。
子どもに「すぐ戻るからちょっと待っててね」といい教室を離れましょう。
落ち着いてから教室に戻れば適切に対処できます。
2、怒らないことと怒ることに分ける
最初の例をもとに、分けてみます。
例)
- タメ口で話しかけてくる
- 授業中おしゃべりが止まらない
- 話している最中に、突然横から割り込んでくる
- やり方を何度も説明したのにできない
- 友達を叩いたのに、謝らず言い訳をし続ける
- 注意をしたのに、守らない
- 授業に遅れてくる
- 友達をいじめる
- 避難訓練中におしゃべりをしている
- 年上の先生にいちいちダメだしされる
アンガーマネジメントの基本は、
「怒らなくていいことは怒らない」
です。
先生という仕事で、子どもに絶対に怒る必要のある場面は多くありません。
自分で怒る基準を持つと、それ以外は怒らずにすみます。
◆基準を決める
私の怒る基準は、以下の2つです。
◯危険なことを止める場合
◯明確ないじめをしている場合
◆分ける
この基準に合わせると、
<怒らない>
1、タメ口で話しかけてくる
2、授業中おしゃべりが止まらない
3、話している最中に、突然横から割り込んでくる
4、やり方を何度も説明したのにできない
5、友達を叩いたのに、謝らず言い訳をし続ける
6、注意をしたのに、守らない
7、授業に遅れてくる
10、年上の先生にいちいちダメだしされる
<怒る>
8「友達をいじめる」
9「避難訓練中におしゃべりをしている」
に分けられます。
◆怒らないものには対策を考える
分けたら<怒らない>ものには、対応を考えて実践します。
例)
1、タメ口で話しかけてくる
→言葉を教えてやり直しをさせる、事前に指導しておく、意識できるよう掲示物をを作る等
2、授業中おしゃべりが止まらない
→授業を改善する、注目させるよう声かけを変える、次の活動に移る等
3、話している最中に、突然横から割り込んでくる
→順番を守るよう声かけ、無視をする、事前にルールを作っておく等
4、やり方を何度も説明したのにできない
→説明の見直し、個別指導の時間を確保、指導の細分化等
5、友達を叩いたのに、謝らず言い訳をし続ける
→事情を深く聞く、事前の趣意説明、個別指導、全体指導等
6、注意をしたのに、守らない
→個別指導、全体指導、ルールの見直し等
7、授業に遅れてくる
→ルールの確認、授業内容を楽しくする、めあての設定等
10、年上の先生にいちいちダメだしされる
→聞くべきことは聞く、関係のない内容はスルー、ひどければ管理職相談等
などの対応が考えられます。
自分の行動を振り返り、自分の怒る・怒らないの基準を作っておくことが大事です。
対応は個々の先生のやり方でいいですが、いかにトラブルを想定し、事前指導するかが大事かと思います。
また、トラブルは成長するチャンスにもなるので可能な限り、前向きに考えると良いと思います。子どもはぶつかりながら学んでいくことも必要です。
3、怒り方
まず、子どもの行動に対して怒るときは、注意することがあります。
1、感情的に怒らない
→先生が冷静でないのに、子どもに正しく伝えることはできません。
2、伝わるタイミングで言う
→子どもが泣いたり、怒ったりして話ができない状態で伝えても、効果はありません。
3、「NGワード」を使わない。
→子どもに伝えるためには、適切な言葉を使用する必要があります。
例)
NGワード
⑴「決めつけ言葉」
- 「あなたはいつも〜」
- 「必ず〜をしますね」
- 「絶対〜ですね」
など、子どもの行動を決めつけてしまう言葉は、使わないようにしましょう。
誰でもミスをするのは「いつも」ではありません。
今までの行いすら否定してしまっては、信頼関係は崩れます。
あくまで今問題になっていることだけ怒りましょう。
⑵「なんで?」
- 「なんで、また〜するの?」
- 「なんでこんなことしたの?」
など「なんで?」は相手を責められていると感じさせます。
責められると子どもは逃げたくなってしまうので、話を理解する余裕がなくなってしまいます。
責めるのではなく、「どうすればいいと思う?」と改善する前向きな声かけをしてあげましょう。
⑶比べ言葉
- 「みんなできてるのに、できないの?」
- 「みんな〜と言ってるのに、やらないの?」
など、周りを理由に動かそうと声をかけると、罪悪感や劣等感を持つことになります。
人は得意不得意があります。まして、子どもならできないことがあって当たり前です。
怒るべきは本人の行いであり、周りと比較し、できないことを責めてはいけません。
終わりに
怒る目的はストレスを発散することでも、相手を落ち込ませるためでもありません。
「次からはこうすればいい」ということを理解してもらうためです。
子どもは経験が乏しいです。
だからこそ、不適切な行動をした後の先生の対応が上手ければ、子どもは一つひとつ学び、成長することができます。
反対に先生が
- 「何が悪かったのか?」
- 「次はこうすればいい」
ということを伝えきれないと、同じことを繰り返してしまいます。
アンガーマネジメントは「正しい怒り方」を体系化しています。
これを知ることで、子どもへの対応でミスが減り、行動が改善していくと思います。
よろしければ参考にしてください(*^▽^*)
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