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成績が悪い子は学習障害なのか? 〜LDの原因と勉強への支援〜

 
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こんにちは(^ ^) 以前は小学校で教員、現在は放課後デイサービスで働いている、ともはると申します。 このブログは、私が長年子どもと関わり学んだことを紹介しています。 全国の人に「子どもと関わる仕事の楽しさ」を伝えることが目標です!
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注目されない学習障害

近年、メディアで発達障害に関する報道が増えて、徐々に知られるようになりました。

 

しかし、まだ十分とは言えません。

ADHDや自閉症の場合では、対人関係や行動面で話題に上りやすいのでテーマに取り上げられやすいです。しかし、学習障害については表面上は問題が少ないので理解が進んでいません。

 

仕事柄、発達障害に関する質問をよく受けますが、

「うちの子は勉強ができないんですが、学習障害なんでしょうか?」

という質問を受けます。

 

  • 不登校で授業を受けずに勉強ができない子
  • 視覚障害で学力の習得が遅い子
  • 学級崩壊をして授業が進まないクラスの子

 

これらの子は学習障害になるのでしょうか?

今回は、学習障害とは何か?そして学力とは何か?ということを紹介します(^ ^)

 

◆学習障害の定義

 

(参考:文部科学省HP

 

学習障害は文科省から基準が示されています。

  • 知的障害ではないが、何らかの脳機能に困難を有している
  • 「聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する」の能力の内、いずれかの能力の習得に困難がある(できる能力とできない能力に差がある)
  • 他の障害や環境的要因ではない

注意しておくことは、これはあくまで判断基準であり診断基準ではありません。

 

◆勉強ができない=学業不振

上記の文科省の学習障害の判断基準を簡潔に考えると、

 

家庭環境に問題はなく、学校でも授業に参加できているにも関わらず、「聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する」

などの能力の中に差が生まれている状態

 

と言えます。

 

反対に考えると、

 

  • 不登校で勉強ができない(環境要因)
  • 学校環境が原因で適切に授業を受けることができない(環境要因)
  • 手足が不自由で授業を受けれなかったり、参加したりすることができない(身体障害が要因)
  • 家庭環境が原因で学習が十分にできていない(家庭要因)

 

などの要因で勉強ができない子は学習障害ではありません。

(この場合は「学業不振」と呼ばれます)

 

 

子どもの学力は様々な要因があります。

単に勉強ができないから学習障害と思ってしまうと、逆に子どもへの支援が制限されてしまい、適切なサポートが子どもに届かない恐れが出てきてしまいます。

 

よって、学習障害だけでなく「学力」そのものを理解することが重要となります。

 

◆学力はどのように築かれるのか?

(若宮(2016)を参照に作成)

 

学力には、その学力を支えるための認知機能と学業的技能があると言われます。

 

認知機能とは、

  • 目で見た情報を処理する視覚情報処理能力
  • 耳で聞いた情報を処理する聴覚情報処理能力
  • その場で覚えた複数の記憶を活用し作業するための力であるワーキングメモリ

など、脳の働きの機能です。

これはどの人も持っている力ですが、認知機能の能力差はその人の脳の個性によります。

 

また、認知機能は脳の個性なのでトレーニングで強化することは難しい能力です。

(一部医療機関ではワーキングメモリのトレーニングを行なっているところもあります。)

 

 

一方、認知機能を土台として「聞く・話す・読む・書く・計算する」などの学習に使われるスキルを「学業的技能」と呼びます。

 

これらは、認知機能を土台として身に付く技能であり、学習をする上でとても大切なスキルです。

 

この「学業的技能」が低い場合も、

  • 黒板をノートに写せない(書く力の不足)
  • 先生の話をメモできない(聞く力の不足)
  • 教科書をスムーズに読めない(読む力の不足)
  • 友達と意見を交流できない(話す力の不足)

など、学力や授業の参加度に大きな影響を与えます。

(実際これらは学習障害の判断基準でもあります。)

 

そして、認知機能、学業的技能を土台として築かれる力が、一般的に「学力」と呼ばれる力です。

 

◆学習支援とは?

これらの背景を理解しつつ、

  • 今何に困って勉強につまづいているのか?
  • 困り感にどんな支援ができるか?

を考えるのは学習支援です。

 

上述したように認知機能へのアプローチで効果の出る子は一部です。一方、学業的技能はトレーニングによって伸ばすことができます。

 

よって、学習障害を抱える子への学習支援では、

未習得の学習内容を整理し、再度理解が促せるように教える

という基本アプローチと同時に、

「聞く・話す・読む・書く・計算する」などの学業的技能の練習

をすることでより学習そのものの負担を減らし、子どもの学力を底支えすることを目指してプログラムを組みます。

 

◆学校や家庭でできること

 

教科書の内容理解や暗記事項の説明などは、学校や家庭での学習支援としてよく行うと思います。

それと同時に通常授業の参加度や理解度を上げるための「学業的技能」の練習をどう行なっていくかが、学習支援では重要になります。

 

例えば、

黒板をノートに写すことが苦手で授業への参加が遅れている場合は、「見たことを書く」という学業的技能を鍛えることで、授業での負担が下がり理解度・定着度の向上につなげることができます。

支援方法には教科書の例文や天声人語の「視写」などがあります。

 

他にも先生の話をメモすることが苦手な子は、「聞いたことを書く」という学業的技能を鍛える支援が有効である可能性があります。

支援方法には、話を聞いてノートに書く「聴写」などがあります。

 

また、文章をスムーズに読めない子には「音読」を繰り返すことで、脳内で文字と音声が一致して読解力が向上します。

 

計算が遅い場合は、「百ます計算」あるいは「公文のテキスト」など負荷の低い計算問題を繰り返すことで基礎の計算力が向上し、算数授業の参加度が上がります。

 

一例ですが、子どもに不足している学業的技能を分析し、鍛える練習を取り入れることで、学習支援の効果の向上につなげることができます。

 

終わりに

 

学習障害の子は4〜5%存在すると言われており、自閉症やADHDなどの他の発達障害よりも抱えている子は多いと言われています。

しかし、行動面の問題がないため先生はスルーしてしまうことが多く、困っている子どもの割合に比べて支援が入っている子は実数より非常に少ないと言われます。

よって、教室内の発達障害を抱える子を見るとき、最も注目して見なければいけないのは学習障害と言われます。

 

ぜひ早期支援をするために、家庭・学校・学外機関と連携して支援体制をつくっていきましょう(^ ^)

以上です!

 

 

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※縁あって本を出させていただきました(^ ^)

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