子どもたちとの関係づくりの指標 〜学校版マズローの5段階欲求説〜

目次
関係ができているとは?
「子どもと関係ができている」とはどういう状態でしょうか?
- 一緒に遊べる
- いつも笑顔で話しかけてくれる
- 素直にいう事を聞いてくれる
色々あるかと思いますが、私は
「子ども一人ひとりが、やりたいことに挑戦できている」
という状態だと思います。
ではどうすれば、その段階までいくのでしょうか?
学校版マズローの欲求5段階説
私は、クラス経営の参考にしている学校版マズローの欲求5段階説
というものを紹介しました。
これは、有名なマズローの欲求5段階説を、私が学級経営に当てはめて書いてみたものです。
人間の欲求は下から
- 生理的欲求
- 安全欲求
- 社会的欲求
- 尊厳欲求
- 自己実現欲求
の5つの段階があります。
人間の欲求は一番下の階層から始まり、欲求が満たされると、上の階層へ移動します。
なぜこの話を出したかというと、
「自己実現欲求(一番上)が満たされている状態」=「子どもとの関係ができている」
と私が考えているからです。
つまり、下の欲求から一つずつ満たしていくことで、子どもと徐々に関係がつくられ、さらに強固になっていくということです。
具体的に書くと、
①生理的欲求
→トイレ、給食など生理的なことを安心して満たしてあげる
②安全欲求
→事故のない環境づくり、怪我をしない取り組み、いじめのないクラスづくり
③社会的欲求
→先生と子ども、子ども同士が交流する機会を儲け、全員に居場所をつくる。
④尊厳欲求
→友達や周囲の人に認められ、尊厳が満たされる場をつくる。
(いい授業、テスト、日々の生活、イベントなど)
⑤自己実現欲求
→先生は子どもの挑戦したい、という気持ちを受け入れ支えてあげる
このような感じです。
子どもと関係ができていると
自分の欲求を満たしてくれる先生は、子どもも信頼しますので、
「上の階層にいくほど関係はできている」と考えてよいと思います。
なので、4月からのクラスづくりも、多くはこの段階にそって行います。
1年を通して
4月から1つずつ欲求を満たす取り組みを続けて、上の階層にいくたびに子どもが成長し、同時に「関係ができてきたな」と判断できます。
4月 縦のつながり
4月はまず、先生と子どもの縦の関係を強固にします。
- 楽しい授業
- とにかく褒める
- いじめ指導
などを意図的に行い、このクラスは楽しく安心できる場所だと理解してもらいます。
ここで、十分安全欲求が満たした状態にして、次の社会的欲求に行きます。
6月〜横のつながり
- 交流型の授業
- 係活動
- お楽しみ会
など子ども同士が交流する機会を設定し、横のつながりをつくって行きます。
これは最初に先生との関係ができているから、子どもは積極的に動くことができます。
子どもの横のつながりはクラスに居場所ができ、社会的欲求が満たされます。
9〜10月 秋のイベント
どの学校も秋は運動会やイベントが行われると思います。
ここで、クラス一丸となってイベントに臨むことで、一人ひとりに役割をもち「みんなのため」に行動する素晴らしさを経験します。
誰かのために行動する=周りからも認められる
という体験を通して尊厳欲求を満たすことができます。
11月〜自己実現の段階
この段階まで入ることができれば、
- 失敗しても、周りはバカにすることなく受けいれる
- 失敗を気にせず挑戦する
- 授業で、全員手をあげ発言する。
- 多くの子が、友達の前で出し物をできる
- 将来の夢を全員がはっきりと口にする
など、クラスの基礎が固まり、子ども自身が挑戦したいことに積極的に打ち込めるようになります。
先生は、子どもの意欲を尊重して任せるだけの状態になります。
- 挑戦する
- 誰かのために動く
このような活動に意味を見出して動ける状態を、先生は目指します。
終わりに
以上が「子供たちとの関係づくり」に関する私の考えです。
担任時代、常に感じていたことは1年間を計画的に考えなければ、子どもを成長させることはできないということです。段階を踏んで、その都度指導を入れてクラスを成長させる。
非常に難しい活動です(^^;;
しかしその分、一人ひとりが、やりたいことに挑戦している姿を見ると、非常に嬉しく教師のやりがいにつながります。
今は、放課後デイサービスに勤務しているので、今度はこちらでも信頼関係の構築と子どもの成長をどう実現していくか試行錯誤の毎日です。
この楽しさを味わいながら、仕事に励んで行こうと思います(^ ^)
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