初めてメガネをかけてきた女の子が、からかわれていたらどうするか?

子どもがからかわれていたら
私はおおらか人間なので、あまり叱ることの少ない先生でした。
しかし、それは「叱らない」という意味ではありません。
ダメなことは子どもにダメと教えます。
そして、いつもは叱らないからこそ、本気で子どもに指導をすると真剣に聞いてくれます。
そのために、私は必要ないことで怒らないよう手立てを考えていました。
メガネをかけている子
目が悪い子は、勉強面・安全面からもメガネをかけるのはとてもいいと思います。
最近はメガネをかける子も多く、昔より目立たなくなりました。
しかし、やはりメガネをかけると「周りから笑われるんじゃないか・・・」と心配になる子もいます。
初めてメガネをかけたAさん
初めてメガネをかけてきたAさんの話です。
朝
Aさんが落ち込んだ顔をして座っていました。
聞くと男の子にからかわれたとのこと。
友達がフォローしてくれてましたが、暗い顔になっていたので指導に入ることにしました。
「気にしないで無視する」ということができればいいですが、子どもは簡単に割り切って行動できません。
とりあえず、からかった子の名前を聞きました。
3名の男の子だそうです。
これは個別指導ではなく、全員で考えた方がいいことだと判断したのでAさんに、この件についてクラスでお話をしていいか確認を取りました。
子どもたちへの話
私「みなさんは、パラリンピックを見たことがありますか?」
子「見たことある」「テレビでやってた」
私「パラリンピックには足がなく、義足で参加している人がいます。」
「義足の人を見てみなさんはどう思いますか?面白いですか?」(このときメガネを笑った子Aに、質問しました)
子A「面白くない。」
私「なぜですか?」
子A「だってそれがないと歩けないでしょ。笑っちゃダメじゃん」
私「なるほど。では、腕がないため、義手をつけている人もいます」
「その人を見て笑ってる人がいたらどうですか?」
(別のからかった子Bに質問します)
子B「ひどいと思います。」
私「みんなはどうですか?」
子「同じです!」「ひどいと思います!」
私「先生もそう思います。世の中には体の問題で道具に頼らなければいけない人がいます。道具がなければ呼吸ができない人、道具がなければ耳が聞こえない人、いろんな人が道具に頼っています。それは、笑えることでも、面白いことでもありません。」
「では聞きます、メガネがなければ黒板が見えない子がいます。その子を見ておかしいと思いますか?」
(3人目のCに聞きました。)
子C「・・・おかしくないです。」
私「おかしくないですね。あなたの意見は正しいです。」
「朝、メガネをかけてきたAさんをからかった人がいたと聞きました。」
「誰かは言いませんが、メガネは大事なものです。それをからかうのは許しません。二度とないようにしましょう。」
という話をしました。
もし話が伝わらなかったら、もう少し続けるつもりでした。
しかし、からかった子は下を向いて気まずそうにしていたので、反省したと考え終了しました。
その後、Aさんは何事もなく笑顔でクラスで過ごしてくれました。
終わりに
子どもは始めてのことは不安です。何がよくて何が悪いのかもわかりません。
ダメなことはダメと教えます。
見過ごすと、それは「してもいいこと」になってしまいます。
こんな指導も先生の大事な仕事です。
振り返ると偉そうに語ってて恥かしくなりますが、子どものために立派な先生を演じていきたいと思います(^^)
PS:
Aさんはその後メガネが気に入ったようで、カラフルなメガネをかける人気者になりました(笑)