【ニュース】ゲームのしすぎは病気? ~ICDがゲーム障害を新しく認定~

【教育ニュース】ゲームのしすぎは病気? ~ICDがゲーム障害を新しく認定~
ゲーム障害とは?
以前より噂されていましたが、WHO(世界保健機構)がICD(国際疾病分類 )にゲームに過度に依存している状態を「ゲーム障害」と正式に認定することになりました。(2022年1月1日より発効予定)
- ゲームをする時間や場所などに対するコントロールの欠如
- 日常生活よりも、ゲームを優先してしまう
- 悪影響があるにもかかわらず、ゲームをやめられない
上記の状態が12か月以上継続している状態を「ゲーム障害」となるそうです。
(参照<<ICD-11)
ちなみに、すでにアメリカの精神医学会の基準であるDMS-5では、インターネットゲーム依存症という疾病が認められています。
DSM-5では、0.3〜1%の人が罹患していると言われます。
- インターネットゲームへのこだわり
- インターネットゲームが奪われたときの撤退症状(悲しみ、不安、過敏症)
- 許容差、より多くの時間をゲームに費やす必要性
- 演奏を減らすことができない、演奏をやめるのがうまくいかない
- 他の活動をあきらめる、以前に楽しんでいた活動に興味を失う
- 問題があっても引き続きプレイする
- インターネットゲームに費やされる時間について家族や他の人を欺く
- 罪悪感や絶望のような否定的な気分を和らげるためのインターネットゲームの使用
- リスク、インターネットゲームのために仕事や関係を危険にさらした
上記9つのうち5つ以上が当てはまると診断されるようです。
(ただし要研究が必要とされています。)
実際に障害と認定されると、ゲームに夢中になっている人の「気持ちの問題」ではなく「病気」として扱われるため、具体的な改善の手立て、予防法の確立が進むと言われています。
ゲーム障害のリスクは?
実際にゲーム障害になると、どんなリスクがあるのでしょう?
大きな影響は
- 睡眠不足や睡眠リズムが狂う
- 行き過ぎた課金
- ゲームのしすぎによる過労死(<<ゲームのやりすぎで急死する人々)
などが挙げられます。
これは、同じICDで定められているギャンブル依存症によるリスクとも似ていると言われます。
2013年の厚生労働省のデータによると、ゲーム障害と診断される可能性のある人は、
- 成人:約421万人
- 中高生:約52万人
と言われ、実態はさらに多いと言われます。
しかし、ゲーム障害よりもギャンブル依存症の人数の方が多いとも言われ、実態がまだまだ不透明でもあります。
菅官房長官も、「クールジャパン戦略への影響もあるので、早期に実態把握を行いたい」という旨のコメントをしており、今後の実態調査が待たれます。
考察
今回認められた背景に、スマートフォンの普及も背景にあると感じます。
スマートフォンは画面が動くという特徴があるので、赤ちゃんに与えると集中しておとなしくなるため、子育てで使う親御さんも多いです。
しかし、スマートフォンの使用中は頭の中で「我慢する力(=抑制機能)」をつかさどっている前頭前野の活動が低下していることが研究で知られています。
スマートフォンを使っている間はおとなしいですが、使っていないと抑制機能が低下しているので、
- わがままを言う
- 我慢できない
- 暴れる
- 対人関係の悪化
などの社会的困難につながるため、アメリカの州によっては2歳までスマホの使用が禁止されている州もあります。
もともとテレビやゲームも同様の効果があることは知られていましたが、スマートフォンによって子育てでの使用機会が増大したことが影響していると感じています。
終わりに
今回のICDの決定に、世界中のゲーム業界は反発しているということです。(当然ですね(^_^;))
しかし、プロゲーマーとしてゲームをしている人は当てはまらないなど、不確定な部分も多いです。
今後の研究に期待です(^ ^)