筆算の時になぜ定規を使わなければいけないの?

筆算の時に定規を使うのは決まり?
小学校で、「筆算をする時に定規を使う」という経験をした方はいるのではないでしょうか?
いちいち定規で引かなくてもフリーハンドでさっと引きたい!という方もいたと思います。
学習指導要領に「定規を使わせなくてはいけない!」という決まりもありません。
なぜこのような決まりがあるのでしょうか?
担任時代
実は私の担任時代も「定規を使わせる派」の先生でした。
当然「定規を使わなくても良いでしょ!」と言って来る子は結構いました。
子どもたちは「できてるんだからいいじゃん!」という主張をします。
一方私は「使ってくださいね(^ ^)」
とやんわりスルーしていました。
不満に思う人もいる中で、やるには一応理由があるのです。
定規を使うと良い理由
①ミスが減る
なんと言っても「ミスが減る」という理由が一番です。
筆算は他の計算と違い手順が多いので、線がずれることで位の位置が変わったり、計算ミスが容易に起こったりします。
担任の側としては「できるよ!」という子が定規を使用しないと、多くの場合ミスが増えます。
「わざわざミスが増えるのをわかっていて許可をすることはできない」
というのが先生側の意見で、安易に子どもの意見に流されてしまうのは本末転倒になります。
②定規を使う練習
小学校段階では、手の力が発達していない子も多いので、定規を使って線を引けない子もいます。
最初はできても、問題の途中から手の力が失われて徐々に線がずれていきます。
なので、最初から定規使用をルールにした方が、筆算の練習にもなるし、定規を使う練習にもなります。
③一人許可すると、できない子も使わなくなる
そうは言っても、一部のできる子はフリーハンドでも、立派に線を引いてミスなくやってきます。
また、定規の使用が苦手で使うことがストレスになって間違える子がでる、というもの一部の子にはあると思います。
担任もその点は十分承知しています。
しかし、一部の子だけ許可すると、他のミスが増える子も許可する必要が出てきます。
また「定規を使うからやりにくくて間違える」という子は、だいたい定規を使わなくても間違えます。
これは「できない理由」を自分の能力ではなく、「定規」に転化しているケースも多いからです。
本当に理解している子は、定規を使っても難なくできる、というのが教師側の実感に近い気がします。
賛否両論の意見ですが、そこを全て考慮して個別に対応するには、教師1人の力では厳しいのが実情です。
これは一斉指導の限界という話でもあると思います。
終わりに
学校や授業のルールに関して、不満や疑問を持っていた人もいると思います。
しかし、学校の先生もどうすれば良いか日々試行錯誤しているのが現状です。
「定規のルール」を決めている先生が決して頭が硬いわけではなく、子どもにとって一番良い方法を考えた結果です。
ただ教師側も、子どもに十分な趣意説明を行うことが求められます。
本来は、子ども一人ひとりに一番良い方法を取るのが理想だからです。
今回は教師側の意見を書きました。
学校側と子ども側が、双方の意見を取り入れて解決できる方法を模索していければと思います。
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※第2版が出ました(^ ^)