【ニュース】なぜ危機管理は難しいのか? 〜熱射病による小1男子死亡事件から考える〜

目次
【ニュース】熱射病による小1男子死亡事件から考える
なぜ危機管理は難しいのか?
連日猛暑が続く中、小学校1年生の男子児童が校外学習に行き熱射病で亡くなるという痛ましい事件がおきました。
同様の事件は今回が初めてではありません。
なぜ、このような痛ましい事件が起きてしまうのでしょうか?
今回のニュースを見て、私が思うことを書きました。
止められなかったのか?
今年の暑さは想定外の人も多かったと思います。
学校は行事、イベントは何ヶ月も前から準備することも多いので、「せっかくだから・・・」と無理して決行してしまったのかもしれません。
また、多くの学校は授業数がギリギリです。
授業を減らせば、その分どこかで補充しなければならないので「なるべく中止したくない」という心理もあったかと思います。
しかし、これだけ危険性も報道されている中で事件が起きてしまうのは、疑問を感じずには入られません。
危機管理の意識が低い?
学校現場の名誉のために書きますと、ニュースで報道されるような非常識な対応をする学校はごく一部です。
天候による非常時は、子どもに危険が無いように多くの学校では中止や配慮を行います。
だからこそ、一部の対応を間違えた学校がクローズアップされるのです。
ハインリッヒの法則の授業
ニュースを見て、昔「ハインリッヒの法則」を使った授業をしたことを思い出しました。
1件の重大な事故・災害が起こる背景には、29件の軽微な事故・災害と300件のニアミスが存在する
という法則です。
有名な法則であり、実際にヒヤリ・ハットの事例を集めることで大きな事故の予防に役立ている自治体も多いです。
このハインリッヒの法則を教えた後、子どもに
「以前、先生のクラスの女の子の靴がなくなったことがありました。これは、300・29・1、どこに入るでしょうか?」
と聞きました。
結果は、8割が300件、残りが29件という結果でした。
※みなさんはどこに入るでしょうか?
私は子どもたちに
「みなさんは甘すぎる」
と言いました。
「靴は単にどこかに忘れただけかもしれません。
しかし同時に、誰かに隠された可能性もあります。
隠された場合、これはいじめだと思う人?」
子どもは全員手をあげました。
「そうですね。いじめの可能性があります。
いじめを受けても人は死なないと思う人?」
子どもは誰も手をあげませんでした。
「人が死ぬ可能性があるのであれば、これは1の重大な事故です。
多くの人は『靴がないぐらいで人は死なない』と考えます。
しかし、世の中には靴がないことで人が死ぬことがあるのです。
『自分は平気だから大丈夫』ではなく、『相手がどう感じるか』を考えられる人になって欲しいと思います。」
という授業をしました。
授業の教訓
人は「自分が大丈夫」と思うと、つい「相手も大丈夫」と軽く見てしまうものです。
これは危機管理において大きな問題です。
- 「昔はエアコンなかったけど、みんな元気に遊んでいた」
- 「暑いくらいで人は死なない」
- 「俺は夏は外でずっと遊んでいた」
自分を基準にすると、物事の危険性が見えなくなります。
事件を起こした学校の先生は、決して悪い人ではなかったでしょう。
しかし、「子どもの立場になって考える」という1点を忘れてしまったのではないでしょうか?
終わりに
我々大人は危機管理の考え方を改めて見直す必要があると感じました。
まだまだ暑い時期が続きますので、体調管理に気をつけて生活して行きましょう(^ ^)
以上です。
Comment
こんばんは。
ずっと読ませていただいています。
今回の事故、様々な点から防げたのではないかと私も感じています。
私は愛知県で教員をしているので、本件に対しては、明日は我が身だと身が引き締まりました。
ハインリッヒの法則に関する小話、非常にわかりやすく勉強になりました。どこかで使わせていただきます。
ありがとうございました。
いつもありがとうございます(^ ^)
悲しい事件ですが、再発防止に務めるしかないですね。
小話はお役に立てば嬉しいです。