「次の担任のことを考えろ」と言われないために

よく言われること
学校で先生は、よく言われることがあります。
それは、「次の担任のことを考えろ」という言葉です。
実は、素晴らしいと評判だったクラスの子どもたちが、次の年に学級崩壊の原因になる、ということがあります。
それは新しいクラスを、素晴らしかった前年のクラスと比べてしまうからです。
- 「前の◯◯先生はこんなによかったのに・・・」
- 「前のクラスではこんなこと有り得なかった・・・」
素晴らしい成長をしたと思われた子どもは、実はその先生だからいい子にしていた、ということです。
次の先生は、新人の先生、臨時採用の先生、ベテランの先生、厳しい先生、優しい先生・・・どんな先生が受け持つかわかりません。
なので、いいクラスを作りたいという思いと同時に、どんな先生のもとでも
「楽しく、まっすぐ過ごせる強さをもった子」
を育てることも、とても大事だと思います。
どうすればいいのか?
私も担任時代に試行錯誤しましたが、
「当たり前の行動を増やす」
というのはよく意識してました。
当たり前の行動ができる人は、基本的に周囲から認められます。
- 「時間を守る」
- 「掃除を真面目に行う」
- 「自己の成長を楽しむ」
- 「優しい言葉がけをする」
などの、当たり前と言われる行動が、当たり前にできるならば、どんな環境でも過ごせると考えています。
担任時代から、現在まで私はこれらの行動を多く身に付けることに力を注ぎます。
やってはいけないこと
この時に一番大事なことは「パワーコントロールをしない」ことです。
(パワーコントロールとは、激しい叱責や体罰などで子供を動かすことです。)
叱責や体罰は子どもは動きますが、あくまで「怖いから動く」のであり、いい行動を身につけたことにはなりません。
なので、次の担任がパワーコントロールができない先生であれば、多くの場合は子どもに逆転され学級崩壊を起こします。
現に中学校では、体も頭も成長した子どもに教師のパワーコントロールが通用しなくなり学級崩壊に至るケースが多々存在します。
なので、私はパワーコントロールではなく、
- ほめる
- 認める
- 先生の行動で信頼関係を作る
- 楽しい授業
などの方法で、「当たり前の行動」を増やすことを目指しています。
これが現時点の私の、どんな環境でも「楽しく、まっすぐ強く過ごせる強さ」をもった子の育て方です。
昔の反省
偉そうなことを書いた私も若手時代は「どんな手を使っても良いクラスを作ってやる!」と思っていた時期がありました。
「周りはベテランの先生ばかりだから、自分は得意なことや新しい発想を取り入れていかないと負けてしまう!」
と考えていました。
しかし、何年か経つと新任の女性と同じ学年を組みました。
先生に成り立てで、何もわからない状態です。
その環境で気づいたことは、
「手段を選ばず、自分のクラスを高めることだけ考えたら、新任の先生のクラスは潰れてしまう」
ということです。
そこから考えを改め、斬新な学級経営よりも、基本に忠実で、当たり前を重視し、どんな先生の元でも笑顔で過ごせるたくましい子を育てることを意識するようになりました。
同時に、
- 「下の先生がどんな提案をしても「いいね!」と賛成して合わせてあげられる実力をもつ」
- 「周りを自分のやり方に合わせるのではなく、下の先生に合わせて学級経営ができる先生になる」
そんなことを考えていました。
終わりに
昔と違い、今は先生の個性が生かしにくい環境です。
他の先生にはできないことをすると、「次の担任に迷惑だからやめてくれ!」と主張する先生は多いです。
ギターを弾いたり、学級通信を毎日だしたりするなど、先生の魅力も「次の担任はできない」と言われると、禁止になります。
先生の個性は学級経営において大きな武器になります。
次の担任のことを考えつつ、自分の理想のクラスを目指していくという意識が今の先生には求められています。
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※縁あって本を出させていただきました(^ ^)