授業中で完結する4つの評価の仕方

目次
成績表
学期末になると、成績表の作成が始まります。
成績表は、
- 評定(ABC、◎◯△、123)
- 所見(総合所見、外国語、総合、道徳など)
の2つがありますが、、どちらも日々の記録が大事です。
教師は、この記録を日々どれだけ行えるかで、学期末の忙しさが決まります。
もし記録がないと、学期末に全ての評価をすることになり、大変な労力がかかります。
よって、日々の記録の工夫は、勤務の効率化に直結します。
逆に言えば、日々記録ができれば、学期末でも定時退勤は十分可能になります。
記録には、
- 授業中の態度・発言・行動などの記録
- ノート評価
- 提出物
- テスト
があります。
具体的な評価方法
今回は、私が行っている評価の方法を紹介します。
⓪準備
まず、授業の前に、
名簿に全ての教科の評価基準が書かれた、評価カード
を作成します。
例(以下の画像は、名簿に音楽の評価とメモ蘭をつけたもの)
評価基準は、教科書会社のHPからダウンロードできる形式で紹介されていますので、単元ごとにコピー&ペーストをするだけ完成します。
これを授業のない時期(春休み、夏休み、冬休み)に作成します。
一見時間がかかりそうですが、単純作業なので1時間もあれば完成します。
あとは、クリアファイルにまとめたり、ファイルに挟んで置いたら準備完了です。
①授業中の態度・発言・行動などの記録
授業は、子どもの態度・発言・行動を評価カードに記録しながら行います。
評価基準を元に、良い発想や、的確な発言、頑張っている姿などを記録すると、そのまま評価に使えますし、授業の最後に、
「今日は〜さんが、◯◯していて、とても素晴しかったです。」
のように、子どもへフィードバックしたり、次の授業に活用することもできるので、一石三鳥です。
②ノート評価
書いたものから関心意欲、思考判断表現など、子どもの考えを評価するのも大事です。
目立たなくても、積極的に参加している子や、豊かな発想をしている子はたくさんいます。
私は、国算理社などのノートを使う授業では、最後のまとめや感想、振り返りなどを書かせた後、先生に持って来させます。
持ってきたノートを見て、その場でABCを評価しカードに記録します。
そして、子どものノートにも華丸やスタンプ、余裕があればコメントを書いてあげます。
その場でノートを見るので、後から確認することもありませんし、子ども全員を評価できます。
時間は、授業の最後5分+5分休み=10分あれば終わります。
③提出物
国語の作文、理科の観察カード、図工の作品、など提出物の評価も授業中に行います。
作成中は、子どもの間を周り①の発言や行動などを記録しています。
そして、完成する時間になると、
- 先生の元に作品を持って来させる
- 問題がないかチェック
- 評価カードにABCを記録
- 子どもに掲示場所へ置かせる(可能なら)
これなら、授業中に評価と掲示を両方できます。
掲示は子どもにはできないこともありますが、絵画の掲示などは、子どもにはさせられないですが、ツーダンクリップをつけて作品の連結まではさせます。
また、作文の評価など提出物の評価だけは、時間がかかる場合が多いので、中休みの前の2時間目に授業を設定すると、中休みを使って終わらせます。
(終われば、校庭で子どもと遊びに行きます(^ ^))
④テスト
テストの採点も、授業中に行います。
テストが終わった子から、
- 先生の机に提出
- 子どもに見えないように採点
- 観点ごとに評価カードに点数を記録
- 全員テストが終わったら返却
- 間違えた子はテスト直し
これで1時間の内に全て終わります。
なお、以前この方法を書いた時に、「授業中の採点は、答えを見られるかもしれない」という意見もありました。
授業中の採点が不安なとき
カンニングへの不安以外にも「他のクラスと採点基準を揃えられない」という問題もあり、授業中の採点に難色を示す同僚の先生がいることもあります。
そんなときは、「1つ前のテストの採点をする」という方法があります。
これは、
今のテストの採点はせず、前回のテストの採点、返却、テスト直しを行う
という方法です。
(以下イメージ)
この方法であれば、先生の採点が見られる心配もなく安心かと思います。
また最後のテストだけは、授業中に採点することはできませんが、それでも年間を通して考えれば、大きな負担軽減になると思います。
番外:1冊にまとめる
上記の評価は子どもへのフィードバックして、放課後パソコンに入力したら終了です。
なので、紙そのものを残しておくことは基本的には必要ありません。
しかし、多忙な毎日の中でパソコン入力すらできない時もあります。
また紙を1枚ずつバラバラだと、紛失のリスクも上がります。
よって、ファイルにまとめたり、ノートに貼るなどして1冊にまとめておくことは重要です。
私は事務作業や整理整頓が苦手な人間だったので、特に意識していました。
終わりに
以上、授業中に行う評価方法でした。
学校によって、色々制度や考えも違うと思いますが、やはり時間がかかるとわかっているのであれば、色々対策のしようもあります。
ベテランの先生方には「こんなの常識だよ!」と言われそうですが、私は、この方法にしてからは、学期末に焦ることなくなり、残業時間も減りました。
健康で元気に仕事をするためにも、効率的な働き方は大事だと思います!
参考になれば幸いです(^ ^)
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Comment
こんにちは!来年初任を迎える者です!SNSで「ゆぺそ」と名乗っているのでこの名前で失礼いたします。
教育実習では実際の評価まで踏み込まなかったため、経験はないものの、とても参考になりました!ありがとうございます。
未熟者が恐縮ですが、質問がございます!(というよりご相談に近いかもしれません。)
提出物や作品の評価について、経験不足の身からすると、その場でABC等を判断するのが難しいのではないか、と感じます。学年ごとの発達段階や、児童それぞれの力の差なども踏まえて評価しようと思うと、とても5分や10分で終わる想像がつきません…。
こればっかりは、「経験」とか「瞬時に評価できるくらい、児童の反応(どんな作品をつくってくるか)を予測しておく」とか、そういった事に尽きるのでしょうか。
先生方からすればすごく基本的な事かもしれず、申し訳ないのですが、「その場で評価するときのコツ」みたいなものがもしあれば、伺いたいです。
良ければお返事、お待ちしております!
教採合格おめでとうございます(^ ^)
すでに評価について関心をもっているとは、高い意識をお持ちで感心します。
答えとしては、授業は行う前にABCの評価基準を決めておくことが前提ですので、用意した基準に合わせるだけなので可能というのが答えになります。
もちろん作品を作っている途中で、子どもの作品は見て予想は立てておき、最後に作品を見て確定するという流れです。
慣れもありますが、初任1年間の間に意識して取り組めば十分できることかと思います。