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宿題の音読には効果があるのか? 〜学力×コミュニケーション×抑制機能〜

2019/05/09
 
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こんにちは(^ ^) 以前は小学校で教員、現在は放課後デイサービスで働いている、ともはると申します。 このブログは、私が長年子どもと関わり学んだことを紹介しています。 全国の人に「子どもと関わる仕事の楽しさ」を伝えることが目標です!
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音読は必要?

小学校の勉強といえば音読をイメージする方は多いと思います。

あるいは、宿題で毎日音読を出している学校も多いと思います。

 

私も学習において音読を非常に重視しています。

しかし、保護者の方や、あるいは子供からも「音読って必要なんですか?」と聞かれることは多いです。

 

そこで今回は、私が重視している音読の効果を書いてみようと思います。

私が考えている音読の効果は、主に3つです。

 

①文字情報の音声化の能力の獲得

 

読書が好きな方は多いと思います。

 

しかし、大人が本を音読している姿はあまり見かけません。

一体なぜでしょう?

 

こう聞けば、多くの人は「声に出さないでも読めるから」と答えるかと思います。

これは「大人は黙読できる能力がある」ということを示しています。

 

では子どもも同じことができるでしょうか?

実は、大人はなかなか理解できませんが、子どもにとって黙読は非常に難しい読み方です。

なぜなら黙読は、

 

  1. 文字情報を見る
  2. 脳内で音声化する
  3. 理解する

 

このプロセスが自動で行われる必要があるからです。

 

しかし、子どもは文字情報を見て、脳内で音声化する経験が少ないため、文字を見て自動で音声に変換する力が未熟です。

なので、脳内で文字情報が自動で音声化する力を鍛える必要があるのです。

 

よって、国語の授業で物語や説明文を扱うときは、最初にスラスラ読めるようになるまで音読を行います。

この状態になると、文章が自然と音声化されて読解に力が使えるので、文章理解が促されます。

 

このように、音読をすることで、文字情報の音声化を自動でできるようになり、読解力の向上につながるのです。

 

国語の読解力は全ての学習につながる力ですので、まさに音読の経験を積むことは全ての教科の学力向上につながります。

なので、授業で音読をし、家庭でも音読を宿題を出すのは、学力向上に一番効果的という理由があるからです。

 

②ワーキングメモリの向上

 

「高学歴だからといって、社会で活躍できる人材とは限らない」

という言葉があります。

 

社会人の方の中には、実感している人もいるのではないでしょうか?

(もちろん高学歴の人の方が、仕事ができる人の割合が高いということはあると思います。)

 

あれだけ勉強で活躍したのにもかかわらず、なぜこのような現象が起きるのでしょうか?

色々な説がありますが、「勉強と仕事で使われる力が異なるから」という理由があります。

 

◆勉強で使う力と仕事で使う力

具体的には、

 

  • 学校の勉強で使う力=単純記憶
  • 仕事で使う力=作業記憶(ワーキングメモリ)

 

であるという説が、教師をしていると実感することが多いです。

 

簡単に言えば、勉強はひたすら繰り返して覚える力(単純記憶の力)があれば学力が上がります。

一方、社会人で求められるのは、同時並行に物事を進める力と言われます。

これを作業記憶(ワーキングメモリ)と言います。

 

具体的には、短期的に一度に情報を複数、保持しておく力のことです。

 

◆コミュニケーション能力

また、社会人に求められる力の一番は「コミュニケーション能力」だと思いますが、

「相手と話しながら、頭の中で同時並行で色々なことを考える力」

と考えると、コミュニケーション能力もワーキングメモリの力が大きいとも言えます。

 

例えば、

相手と話しながら、同時に顔色も伺い、質問には、答えを考えつつ、相手の意図を読み取ったり・・・・

と、頭の中で複数の思考を同時に働かせるというような力です。

 

このワーキングメモリが低いと、子供も対人関係が苦手にすることが多いです。

 

 

◆音読とワーキングメモリ

では音読の話に戻りますが、音読はこの作業記憶を鍛えるのに非常に効果的な活動です。

 

文字を見る(覚える)口で声に出す(声に出している間に、先の文章を見る)自分の声を耳で聞いて、間違いがないか判断する・・・複数の感覚を同時に働かせるので、作業記憶が鍛えられます。

 

この作業記憶を年間を通して鍛えることで、勉強以外のコミュニケーション能力や同時並行に物事を進める力を高めることができると考えています。

 

実際、毎年音読を重視して授業をしますが、時間が経つごとに

  • 子ども同士の関係がよくなる
  • トラブルが減る
  • 行動が改善する

という姿を見ると、効果はあるのではないかと思います。

 

小学校の1年間が、大人までどれほど影響できるのかは、正直わかりません。

ただ、子どもの頃の積み重ねを経て大人になっていくのは間違いないので、鍛えられる時に十分に鍛えておくことが、将来の可能性を広げ、長い社会人生活を充実させることにつながっていくと考えています。

 

偉そうに書いてしまいましたが、この作業記憶の強化は、教育の観点からまだまだ発展の余地がある分野だと考えています。

そして、音読以外の活動でもワーキングメモリの活動を意識することで、さらに子供を成長させることができると思います。

 

③前頭前野の自己抑制機能の向上

子どもと大人の違いはなんでしょう?

 

色々ありますが、私は脳が異なっているという点が大きいと思います。

教育を考える上で、知っておくと便利な脳の機能に、

  • アクセルの大脳辺縁系
  • ブレーキの前頭前野

があります。

 

◆アクセルとブレーキ

具体的には、

 

  • 衝動的、本能的な行動を司っているのが、大脳辺縁系
  • 理性的、抑制的に自分をコントロールする機能が前頭前野

 

なぜこの2つが重要かというと、人間の脳は5歳ほどでほぼ成人と同じ大きさに成長した後、20代半ばまでアクセルの大脳辺縁系が先に発達するからです。

つまり、思春期〜社会人数年目あたりまで、人は脳の発達的にアクセルが強い状態なのです。

 

小学校半ばから思春期に入り、手を焼く親御さんや先生は多いです。これは、そもそも衝動が強く自分を抑える力が弱いので当然とも考えられます。

 

大学生〜新入社員の年代は、無茶な飲み会や、世界一周など、良くも悪くも衝動的な行動がよく報道されます(^ ^)

これは悪いことではなく、若さゆえの勢いと捉えて、暖かく見守ればいいわけです。

 

◆ブレーキが効かない?

しかし、実際は

  • 喧嘩、非行、いじめなどの悪い方向に衝動が向かってしまうケース
  • あるいは、引きこもり、うつ病など、心を閉ざしてしまうケース

があります。

 

このように、問題行動や思春期への対策は教育に関わる人は知っておくと便利かと思います。

 

 

◆音読の効果

では、音読の話に戻りますが、音読をする時は脳の前頭前野が活性化することが知られています。

 

前頭前野は、先ほど書いた通り、脳のブレーキの役割があります。

思春期は衝動的な行動が目立ちますが、ブレーキの機能を鍛えていれば衝動的な行動は抑えられます。

 

上記で「音読をすることでコミュニケーション能力が鍛えられる」という話をしました。

これは、作業記憶を鍛えると同時に、前頭前野も鍛えられ脳のブレーキがしっかり働くことで「冷静に考える」という力も同時についているからだと思います。

 

子育て中の、親御さんにとって、思春期への不安は誰でも持っているものです。

息子が思春期になって母親を「クソババア!」と呼んだり、

娘に「お父さんの服と一緒に洗濯しないで!」と嫌われたり、

思春期の間だけ、とわかっていても実際に自分の身に起きると、非常に辛いと思います。

 

そのため、

「音読」

「その他の前頭前野を鍛える活動」

を、日常に多く取りれることで思春期の対策にもなります。

また学校では、学級崩壊への予防にもなるかもしれません。

 

終わりに

 

以上音読の3つの効果を書いて見ました。

授業でやるから、宿題で出るから、というだけでなく、音読をするメリットを意識すると今後の取り組みも変わるのではないでしょうか?

 

参考になれば幸いです(^ ^)

 

 

 

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※縁あって本を出させていただきました(^ ^)

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