子どもが「バカ!」と言ってきたら・・・

子どもが「バカ!」と言ってきたら・・・
12月27日 Otcha‼︎
先日、教育おじさん@otcha1227 主催のOtcha‼︎というイベントでお話をさせていただく機会をいただきました。
熱心な先生が70名以上集まり、熱く教育を語る姿は前から見て胸が熱くなりました。
講演では、先日出版した著書の概要を紹介しました。
本もかなり詰め込んだ内容なのに、それを15分で紹介するという無茶をしたので、疑問が残ってしまった人もいたかと思います。(もう少し余裕をもって、紹介すればよかったと反省)
懇親会&忘年会での質問
会の後の懇親会&忘年会では、色々な質問をいただけましたが、特に「感情コントロールの原則」について聞かれる機会が多々ありました。
「感情や状況を言語化することで、子どもの感情制御する力を高める」
という内容でしたが、やはり1分の説明では足りなかったようです(当然といえば当然笑)
その中で
「子どもに『バカ』と言われた時に、『本当はバカとか思ってないんだよね。つい思わず言っちゃたんだよね』と言ったら、他の先生に『それは洗脳じゃないか?』と疑問を呈された。これは言語化ではないのか?」
という質問をいただけました。
「詳しくは本で!」と言いたいところですが、私の説明不足なので補足説明をしたいと思います。
◆補足説明:言語化とは?
「感情や状況の言語化」と簡単に紹介してしまいましたが、もう少し詳しくいうと「外から見た様子を言葉に置き換える」ということです。
すると、先ほどの例で「バカ!」と言う子を言葉に置き換えると考えた時、「本当は『バカ』とか思っていないんだよね」というのは、外から見えることでしょうか?
当然不可能と言えます。
「人の心はわからない」これが、行動科学の前提です。
(もう少し詳しくいえば、「心」や「性格」とは「人の行動の傾向」を指す言葉とされます。)
ただし「バカ!」という子を見た時に、何か根拠があるならば言語化は成立します。
例えば、「バカ!」と言う子が手に「ごめんなさい」と書かれた紙をもっていれば、
「本当はバカとか思ってないんだよね。だって紙で『ごめんさい』って気持ちを伝えてくれてるもんね。」
と言語化できます。
なので、言語化するべきは「見えている様子」です。
根拠がないのに、「本当は思ってないんだよね」と声をかけてしまうと子どもは
「バカって言ってるけど、僕はバカって思ってないんだ」
と間違った認識をしてしまいます。
これがよく言われる「洗脳」に当たるでしょう。
◆どうすればよいか
言語化の話は、外から見た様子を言葉に置き換えます。
なので、例えば「バカだと思ってるんだね」というのは正しい言語化になります。
ただし、これだけでは感情コントロールの力は高まりません。
「どう見えているのか?」を、状況に合わせた適切な語彙で表現してあげることが重要です。
例えば、
- 「すごいイライラしているように見えるよ」→子ども「これは『イライラ』って言うんだ!」
- 「何か嫌なことがあったの?」→子ども「嫌なことがあったと伝えることができるんだ!」
- 「泣いてるじゃない、悲しいことでもあったの?」→子ども「僕は泣いてて、悲しんでるんだ!」
このように、子どもが外から見て「どう見えるか?どう伝わっているのか?」を言葉にすることで、子どもは客観的な認識を得て、自分の行動に意味を見出していくのです。
その結果、感情コントロールの力が高まっていく、と言うプロセスにつながります。
(メタ認知力の向上とも考えることができます)
よって、言語化のポイントは
「客観的に見えていることを言語化する」
ということです。
もしよくわからなかった人がいれば、参考にしていただければと思います。
以上、補足の説明でした。
質問をしてくれた学生さんには感謝をしたいと思います。
(懇親会でこんな話をつらつらと語られて、さぞ辛かったことと思います笑)
終わりに
私は、色々不器用で曖昧なことが苦手な人間です。
しかし、だからこそ1つひとつの出来事や、やりとり関わりに意味をもって捉えようとします。
しかし、教育現場では、
「子どもは寄り添えばいいの」「まずは愛情が大事よ」「ガツンと叱ればなんとかなるさ」
このような曖昧な助言、指導がたくさんあります。
感覚が鋭い方はいいです。
しかし、私のように理屈やシステムを理解して、はっきりとした考えがあった方が、助かる人もいると思います。
私はそんな困っている人の助けになりたい、そんな思いが再確認できた良い会でした。
以上です。
もっと詳しい内容は、以下の著書に書いたのでよかったら参考にしてください。
所見を何度書いても訂正される夢を連日みたほどには、頑張って書きましたのでお役に立てば幸いです(^ ^)