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【書評】アクティブ・ラーニング時代の教師像

2019/08/07
 
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こんにちは(^ ^) 以前は小学校で教員、現在は放課後デイサービスで働いている、ともはると申します。 このブログは、私が長年子どもと関わり学んだことを紹介しています。 全国の人に「子どもと関わる仕事の楽しさ」を伝えることが目標です!
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アクティブ・ラーニング時代の教師像

  • 教師が先頭になってリーダシップをとる「魁(さきがけ)タイプ」
  • 子供同士のフォロワーシップを重視し、教室の後ろで見守る「殿(しんがり)タイプ」の教師

本書は、2つの教師像について掘先生と金先生の意見が往復書簡の形で紹介されています。

 

魁と殿

本書は今まで私自身が感じていた疑問が言語化されている部分が多く、興味深く読めました。2つの価値観の対立は、今に始まったものではなく「教育」と言う概念が始まった瞬間から常に議論されてきたものだと思います。

 

私見ですが、現場では殿タイプが大事だと理解しつつも、魁タイプの実践しかできない先生が多い印象です。これは子供同士のフォロワーシップを高める取り組みが現場で共有されていないという現状と、現実な学校制度として魁タイプの取り組みでやらざるおえない場面が多いからだと思います。

ただ、これは本当なのかどうか疑問ももちました。教師の仕事はとかく職人的な気質があるように感じます。他の先生の授業を見て学べ、という価値観です。

しかし近年では、3ヶ月で寿司屋の技術は身に付くという議論が流行ったり、肉の調理法をノウハウ化してヒットした牛角などの存在によって、職人的な育成環境の良さは否定されつつあります。ノウハウ化することで、より効率的に職人として成長することは可能なのだと示されているのであれば、授業や学級経営のノウハウ化もある程度は可能ではないかというのが私の印象です。

これを実際に体現したのが、法則化運動(現:TOSS)です。向山洋一先生の教育実践を母体とし、優れた教育技術をノウハウ化して、全ての教育技術を教師の共有財産にしようという動きです。

素晴らしい理念だと思いますし、TOSSは現在でも教育団体として最大規模の力をもっています。私自身、多くの教育技術について学ばせていただきました。一方、その功績や影響力の割に、今現在の教育界で主流となれないのは、時代の流れとともに学習指導要領に応じた実践が減ってきたことと、魁タイプ系の実践が目立ってしまっているからだとも思います。(実際は殿タイプの実践もたくさんあることは知っています。)

一方で教師同士の交流をメインにした授業づくりネットーワークという教育団体は、TOSSのように大きな動きは少ないですが、着実に継続することで菊池省三先生など世の中に有名な実践家を輩出し続けました。それは、過度に揃えるのではなく有力な教員間のつながりを作り、フォロワーシップに徹したからとも言われます。

 

今後の動向

新学習指導要領になり、「主体的・対話的な深い学び」という指針が示されたので、徐々にフォロワーシップ型の授業が増えていくとは思います。一方、魁タイプの一斉授業ができないまま殿タイプの取り組みをして効果はあるのだろうかという金先生の不安は一定数の教員が感じている悩みだとも感じます。

 

事実、新学習指導要領の理念に追いついていない現場も多いので、フォロワーシップ型の教育をすると周りの先生から奇異な目で見られて止めてしまう先生も多いです。今後10年でどう変化するか興味深いですが、教育環境が変わらなければ教師の授業も変わらないことは予想されます。

 

力のある先生であれば、最初は魁タイプで子供を統率しつつ、徐々に殿タイプになり、子供を主体的な学習者へと育てることが可能でしょう。一方で、

  • 正規教員の減少と非正規教員の増加
  • 若手の先生の増加とベテラン教員の退職

という教師力を育てる環境の質の低下が見られるのは事実です。

 

また、魁と殿の話題は私には現場から離れた話題に感じます。

圧倒的なクラスを作る先生はほんの一握りであり、1年間を乗り切る学級崩壊しないで乗り切ることを目的にしている先生も多いです。むしろこちらが普通の先生です。子供を圧倒的に成長させる学級経営をできる先生はごく少数と言えます。

 

もちろん、圧倒的に成長させる教師になりたいと思う先生は多いです。一方で、周りに潰されるのであれば最初から周りに合わせて文句の出ないやり方で無難に過ごそうとするのは当然かと思います。

 

ここからは私見ですが、今後教師の質が大きく変わることはないと思っています。それは、人間は環境に適応する生き物なので、学校というあり方がそのままなら教師も当然変わりません。(突然変異のような教師はいますが)環境に適応したのが今の現場の教師であり、最も新しい教員の姿なのです。

 

学校制度

よって、学校の制度を変えるか?という話になりますが、変えて今以上になるという根拠がない以上、変わることはないかと思います。公教育なのでギャンブルになる方法を取り入れることが難しいでしょう。

 

その中で最近思うことは「学習指導要領の削減」が有効なのではないかということです。

不要な行事の削減がよく言われますが、学習指導要領に載っている以上大幅な削減は不可能でしょう。逆に言えば、学習指導要領の内容が減れば、無駄を減らす理由ができるので、現場も動きやすいでしょう。

 

また別の意見として、「学級経営と学校運営」の分離の手もあると思います。現場に非常勤講師が増えている、というのは公然の事実です。そして、非常勤講師は授業しか行えません。

そうであれば、今後学級経営における非常勤講師の割合は増え続けていくでしょう。時給2500~3000円ですので、真面目に検討する自治体も増えていくかと思います。

そうして学校運営に関わる事務仕事が正規職員の仕事としてメインになっていく、そんな可能性も十分にあると思います。(海外などではよくある形と聞きます)これは自分が非常勤講師をしてみて気づいたことですが(笑)

 

終わりに

以上、最初の書評からいつも通りズレた着地をした徒然日記でした。

 

 

 

 

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※第2版が販売開始しました(^ ^)

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