【日記】小学校と放課後デイサービスの関係

【日記】小学校と放課後デイサービスの関係
◆教育と福祉
私は現在、放課後等デイサービスに勤務しています。
昨年までの小学校という現場と比べると、教育と福祉という分野の違いこそありますが、子どもの成長に関われるとても素敵な仕事だと思っています。
また、似たような分野ですが、異なる立場で働いてみることで色々日本の教育の良い点悪い点などが感じられる場面が多々あります。今回は最近感じている、日本の教育についての話を書いてみたいと思います。
◆学校連携
放課後等デイサービスは、いわゆる発達に困難があったり、日常生活に支障がある子を対象にした学童のような施設です。
まだまだできたばかりの制度が多く、中身が伴っていない面が大きいですが、それでも前に進もうと色々な政策が進めされています。
その一つが「学校連携」です。
学校と放デイの職員の間で、当該児童について連携をとって、子どもに一貫した支援体制をとっていこうというものです。
公立学校でも新学習指導要領でも「地域に開かれた学校」が掲げられて連携の大事さは同じく重要です。
私は毎日学校が終わって、放デイに来る子どもたちを迎えているわけですが、中には学校で嫌なことがあって荒れている子もかなりいます。
なので学校現場にもできるだけ様子を見に行きたいのですが、ほとんどの場合断られます。
「法律や文科省、厚労省からも推進されているのになぜ??」
と思いますが、学校側の言い分はただ1つ、
「個人情報の管理があるから部外者は入れたくない」
です。
「自分が学校側なら絶対に連携するのに!!」
と思いつつ、つまりは「公立学校には外部との連携の必要感がほぼない」ということがよく伝わってきました。
(それよりも面倒ごとを持ち込むな、ということです。)
もちろんわかってくれる学校もあるのでしょうが、割合を考えると「ほぼない」と言って間違いないでしょう。
という体験から色々なことが理解できました。
◆学校の存在が大きすぎる
学校は登校から下校まで7〜8時間子どもを預かります。
対して放デイは、放課後の1〜2時間程度しか関われません。
学童も同様だと思いますが、子どもに何か影響を与えようとしても圧倒的に学校での出来事に左右されます。
(最も影響を与えられるのは、不登校、登校しぶりをしている子なのが悲しいです。)
正直子どもの行動を本気で改善しようと思ったら学校連携を進めるしかないわけです。
しかし学校側にそんな余裕はありません。
どこの馬の骨ともわからない人間に、個人情報開示のリスクを負って、多忙な業務の合間の時間を割く理由はないということです。
自分もそうでしたが、確かに日本の学校は「学力」と「社会性」を両方の育成を求める世界でも珍しい教育システムです。
だから日本の公教育の質は非常に高いと言われる一方、業務量が多くなり多忙化の流れに歯止めをかけることができず、結果志望者が減り制度維持すら困難な状態になっています。
◆打開策
日本の教育の状況を変えようと、実際は色々な人が動いています。
新学習指導要領で示された「社会に開かれた学校」がその一つです。
カリキュラムマネジメントを進め、地域連携、地域人材の活用を進めることで、地域資源に任せられることはどんどん任せていく。
結果、教師の仕事を減らして、多忙化の解消にも繋げる見通しももてることでしょう。
学校と放デイも個別支援計画の共有や郊外活動の連携を進めて、お互い支え合えば、上手く回る部分は多いと思います。
実際、放デイの運営にはかなり自治体、厚労省からの補助金が出ますので、活用が限定的だと税金ももったいないと私なんかは思ってしまいます。(私は内心、金銭的な問題で放デイの運営はあと数年で立ち行かなくなる可能性も考えています)
今の日本は「学校」の影響力が大きい、だから教育の問題は多くが学校の改善しか解決方法がありません。
しかしその学校にかける予算も労力もないのであれば、あとは外部連携、外部委託の道しかないはずです。
いろんな人が関わっているので、一筋縄ではいかない話ですが、改善の道があるのであればアプローチするべきだと思います。
以上です。