思春期の子どもとの接し方 〜①何故子どもは反抗し始めるのか?〜

〜何故子どもは反抗し始めるのか?〜
人生で最も激動の時代といえばやはり思春期ではないでしょうか?
今は立派な社会人として活躍している方も、思春期時代の思い出は多いことでしょう。
一方、親の立場になると思春期は不安な存在になります。
特に、思春期の時代に自分が不安定だったり、親に迷惑をかけた経験のある人ほど、我が子の思春期が気になってしまいます。
では、そもそも思春期とはなんなのか?
そして、思春期の子にどう対応すれば良いのか?
そんな思春期の子どもに対する対応を紹介していきます。
思春期の特徴
◆体と心の変化
思春期は、医学的には「第二次性徴の発現の始まりから成長の終わりまで」とされます。
一般的には「子どもから大人になる時期」などと言われます。
また、体も心も急激に成長し、それまで絶対であった大人の発言や存在に疑問をもち始めます。
そして、親や教師の価値観に否定的な言動、反抗的な行動が見られるようになる時期を反抗期と呼ばれます。
少しでも理不尽だと思ったことは反抗し、決して従わないようになります。
◆環境の変化
中学生、高校生になると学習内容も高度になり、学力差も大きくなります。
また、受験勉強が始まり、将来どう生きるのか?
と言う大人への道を考えて、自分という存在と向き合うことになります。
そんな環境の中、楽しいこともあれば、いじめなどマイナスの出来事も起こりやすくなります。
◆思春期の危機
勉強、部活、人間関係などもストレスで問題が起こりやすくなるのも思春期の特徴です。
そして、問題は内と外の2つのパターンに分かれます。
1つは問題が、
- うつ
- 不登校
- ひきこもり
- ゲーム依存
など、自分の内側に発生するパターン。
もう一つは、
- いじめ
- 非行
- 違法行為
- 犯罪行為
など外に出てしまうパターンです。
方向は違えど、どちらも思春期の様々な出来事から起こるストレスの形と言えます。
また思春期は、精神疾患の好発期とも言われ、統合失調症のほぼ90%が思春期〜30歳までの間に起こると言われます。
◆なぜ危機が起こるのか?
人間はなぜ一定に成長せず、思春期が存在するのでしょうか?
それは脳機能の変化が原因とされます。
人間の脳には、衝動性を司る大脳辺縁系と抑制を司る前頭前野の機能があります。
実は、人間は大脳辺縁系の方が早く発達することが知られています。
思春期は、この衝動>抑制がピークになる時期であり、理性的な行動が取りにくくなってしまう時期なのです。
そして、この乖離は20代半ばまで続きます。
大学生も、衝動的に過度な飲み会、突然の世界一周、など衝動的な行動は多く見られます。
社会人になっても、まだまだ将来の見通しがなくても、勢いで結婚する人もいます。
大学を卒業すれば一人前の大人と見らますが、実は社会人数年目までは衝動性の高い時期が続いているのが実態なのです。
ではなぜ、人間の脳は衝動性の大脳辺縁系が早く成長するのかというと、これは子孫を残すという生物としての目的があるからです。
子孫を残すには衝動性が高い方が有利ですので、脳はその法則に従って成長します。
ただし人間は社会性の生き物なので、衝動性を認めることはできません。
生き物としての機能と人間社会のギャップが思春期を生んでいると言えます。
終わりに
今回は思春期の問題について書きました。
しかし、反対に思春期でもまっすぐ育ち、最高の青春を送っている子どももたくさんいます。
なぜ、同じ子どもなのに差が生まれてしまうのでしょう?
次回は、思春期の問題行動への対応を紹介します。
読んでいただけると幸いです(^ ^)
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※縁あって本を出させていただきました(^ ^)