【書評】いじめを無くしたい人が最初に読むべき本『いじめの構造を破壊する法則』

目次
【書評】いじめの構造を破壊する法則
いじめを無くしたい人が最初に読むべき本
教育界に多大な影響を与えている向山洋一先生の名著です。
「いじめのないクラスにしたい」
全ての教師が願いながら未だ存在する「いじめ問題」に
「教師だけがいじめをなくせる」
と本書ではまっすぐ主張しています。
「子どもを守りたい」
「いじめは許さない」
そう思い行動する人は最初に読んで欲しい本です。
目次
第1章 差別を見のがさない
第2章 いじめ、親は訴える
第3章 教師だけがいじめをなくせる
第4章 教師、いじめとの闘い
第5章 いじめとの闘いをどこまでも
印象的な箇所
◆いじめは教師だけがなくせる
本書は、向山氏が「いじめ」をどう考え、どう対応してきたかが極めて具体的に書かれています。
私自身担任時代に、何度も本書の実践を追試してトラブルを解決することができました。
いじめは学校現場で起きます。
にもかかわらず「いじめを解決できるのは教師だけ」という当たり前の事実が、今の教育現場では忘れられているように感じました。
教師が多忙で披露すれば、いじめが増えるのは当たり前です。
根本的な対策を進めることが望まれます。
◆医師の次元から見れば、教師はプロとは言えない
医師の世界では、きちんと予習をして、毎日患者の様子を見て、レントゲン写真や図でイメージトレーニングをしても、手術中に頭突きをされ、場合によっては他の医師と交代させられることがある。(本書より抜粋)
大学で教師のやり方について学べない、という問題は長年言われています。
もちろん大学も
- 現場実習を増やす
- 模擬授業の回数を増やす
- 特別支援の授業を必修とする
などの対策を取っていると聞くので状況は改善していると思います。
それでも、命を預かる医師を養成する教育課程に比べ、教員の養成は甘いということは間違いないと思います。
私自身、教師は命を預かる仕事だと思っています。
「いじめ」が原因で自殺する子どものニュースを見たことがない人はいないでしょう。
本書は、具体的な場面を通して「いじめ」に対する姿勢、方法が紹介されていますので、教員志望の方にもぜひ読んでいただきたいです。
◆教室において子どもは担任を信じようとする
教室において、子供は担任を信じようとする。
自分の先生が一番いい先生だと思いたいのだ。
(本書より抜粋)
これは教員になってから、職場を変えた現在まで常に感じていることです。
どんな子でも自分の担任の先生を良い先生だと思おうと必死になってくれます。
だから、教師はせめて目の前の子にとって世界一の先生でありたいと願います。
その信頼に応えられるよう、日々勉強をします。
そして絶対に「いじめ」を起こさないと心に決めるのです。
しかし、心に決めても「効果的な対応を知らない」というだけで、子どもの思いも、先生の願いも崩れ去ります。
そんなことにならないように、本書は力を貸してくれるはずです。
まとめ
私の趣味は読書ですが、教師になって本書を読んだ時ほど「読書が趣味でよかった」と思ったことはありません。
日々、喧嘩、トラブル、いじめが発生する教育現場で、これほど教師と子どもを助けた本はないと思います。
思い入れが深いので、熱く書いてしまいました(^^;;
すでに読んだことがある人も多いと思いますが、未読の方はぜひお勧めします(^ ^)