【書評】一流のリーダーになる野村の言葉

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【書評】一流のリーダーになる野村の言葉
先生=監督
私は小学校の先生を一言で言うと「監督」だと思っています。
最大40人の子どもを1つのクラスに抱えて、ほぼ全ての授業を行います。
クラスには多様な個性を持つ子がいて、先生は学習指導要領で育てる基準を示されています。
同時に、安全に育てる義務もあるので安全に配慮し、いじめなどが起きない学級運営の知識が必要となります。
これらは全て組織のリーダーの仕事です。
また、個人的には「リーダー」よりも試合で見守るイメージの「監督」という言葉の方が気に入っています。
学校の先生は集団をまとめるリーダー論が直接生きる仕事です。
なので私はリーダー論についての本をよく読んでいました。
そして数ある中でも一番好きなリーダーは野球解説でお馴染みのノムさんこと野村克也さんです。
目次
第1章 新人を育てるための極意
第2章 中堅を主軸にするための極意
第3章 ベテランをさらに活かすための極意
第4章 トップになるものの極意
一流の教育者につながる言葉
長年プロ野球の第一線で活躍し続けた野村克也さんは、リーダーとしての心構えを発信しています。
その中でも、私が学校の先生として、また教育者として常に心に留めていた言葉を紹介します。
(紹介したい言葉が30を超えたので、その中から3つだけ紹介します(^ ^))
①組織はリーダーの力量以上に伸びない
「組織はリーダーの力量以上に伸びない」これが組織論の原則である。
どんな組織もリーダーが最終決断をくだします。
組織の行動はリーダーが握っているのです。
先生も同様です。
子どもたちを成長させるには、先生が常に努力し続けることが重要です。
②「当たり前のことを正しく教える」のは実は一番難しい
「当たり前のことを正しく教える」のは実は一番難しい。
大切なことは、「当たり前のことができる方法」を自分が掴んでおくこと。
やってはいけないのが、「自分はわかっているから」と言って、言葉を省略して伝えること。
小学校、中学校、高等学校、大学、そしてまた学校へ
先生は学校生活のプロであり、苦労したことが少ないエリート選手といえます。
しかも学校生活の素質があり、苦労せず過ごしてしまいます。
試行錯誤の経験も少なく、できない人の気持ちがわからないので言葉で伝える力が乏しくなります。
だからこそ、学校で行われることは「当たり前」であり、子どもはみんな理解していると思っています。
すると「指導する」という意識をもたずに子どもに接してしまい、その結果できない子に言葉で伝えられず叱ってしまうことになります。
先生は「できて当たり前」のスキルをわかりやすく段階を踏んで教えていく必要があります。
リーダーはその手間を惜しんではいけません。
③責任は俺が持つ
「責任は俺が持つ困ったら俺のところに来い!」と言える度量をもて。
その姿勢が部下を勇気づかせ「この人についていこう」と信頼されるものである。
これからの時代は自分たちで考え、動けるような人間を目指して育てなければいけません。
- 授業の最終目標は「教師が発言しない授業」
- 学級の最終目標は「先生がいなくても回るクラス」
と言われます。
しかし、この言葉は「先生が子どもが自立できるまで成長させる」という前提が含まれます。
そして最後は「先生は何も言わないから、みんなで授業を進めてください」という一言が必要になります。
その時に「どんな結果になっても責任は育てた先生です。」と子どもに任せるから先生を信頼して、自分たちだけで行動できる人間になります。
自立した人間に育てるには、先生への信頼という土台が必要になります。
その覚悟を先生は全員もっていることが重要なのです。
終わりに
「一芸に秀でるは万事に通ず」
という言葉がありますが、野村克也さんの経験はすべての組織のリーダーに通じると思います。
もちろん自分の仕事に置き換えることは重要ですが、共通した理念は全く同じです。
その道の一流の人から学び続ける姿勢を続けていきたいと思います(^ ^)