【書評】全ての子育て中の親御さんにオススメの本「発達障害の子どもを伸ばす 魔法の言葉かけ」 監修:平岩幹男

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【書評】全ての子育て中の親御さんにオススメの本
「発達障害の子どもを伸ばす 魔法の言葉かけ」監修:平岩幹男
子育ては多くの人が経験するものであり、悩みのタネにもなります。
もし発達障害を抱えている場合、その苦労は並大抵ではありません。
本書の小児科専門医として有名な平岩幹雄先生監修のもと書かれています。
発達障害を抱える子の子育ての具体的手立てが、わかりやすく解説されています。
また発達に困難を抱える子を対象にした本ですが、発達に課題のない子でも当然使えるようになっています。
目の前の我が子に困った時、どうすれば良いのか?
そんな時、信頼できる手立てが載っている本は、子育ての支えだけでなく心の支えにもなると思います(^ ^)
本を選んだきっかけ
数年前、私はわんぱくで有名な男の子たちを数人担任していたときがあり、対応に悩んでいました。
そんな時に、発達障害を抱えている子の対応に応用行動分析(ABA)を知り勉強しようと思いました。
療育の研究が進んだ欧米でも高い効果を上げている方法と知ったからです。
そこで専門書が揃っている近所のジュンク堂で見つけた本です。
私が偉そうに紹介した平岩先生について、この時に知りました(笑)
目次
- 第1章 ABAを利用した言葉かけのすすめ
- 第2章 ABC分析で子どもに対するイライラを減らそう
- 第3章 ほめ上手になろう
- 第4章 遊びを通して親と子のいい関係を築く
- 第5章 叱るとき、指示を出すときの言葉かけ
- 第6章 子どもの問題行動への7つの対処法
- 第7章 子どもを伸ばす日常生活での言葉かけ
- 第8章 ABAを利用した働きかけを続けるための7つの鍵
- 第9章 子どもの療育にのぞむあなたに伝えたいこと
印象に残った箇所
◆帰ろうとする私にAくんがじっと見つめてくれた
「自閉症の子は目を合わさない」とよく言います。
しかし、目を合わせることは社会性を身につける重要なステップなので、できるようにしたいものです。
上の言葉は、本書で紹介している「ふれあい遊び」を1時間ほどした自閉症の子と別れる時の様子です。
誇張して書いてるのでは?と読んだ時は思いました。
しかし、私もABAを意識した学級経営で、同じような体験を何度もしました。
子育ての本ですが、学校の先生、教育業界の人は一度は読んで損はないです(^ ^)
◆自画自賛を習慣に
困難を抱えている子を育てていると、ついマイナス思考になってしまいます。
心配事を抱えているので当然ですが、そのストレスが子どもに向かってしまうと、負のスパイラルになります。
まずは日本人特有の謙虚さなど忘れ、自分の努力を自画自賛しましょう(^ ^)
そして、頑張りを見てくれない周りの人にも「褒めてアピール」をしましょう。
自分を常に褒めることで、
- マイナス思考から脱出
- 自己肯定感アップ
- 子どもを褒める練習になる
など、自分の行動が変わっていきます。
自分の行動が変われば、周囲の人の行動も変わります。
「私がんばってる!さすが!」と繰り返すことで、子育てが楽しくなるはずです。
◆今の姿が子どもの全てではない
子どもは成長し常に変わっていきます。
今変わらなくても、継続しコツコツ取り組めばいつか変わってくれるものです。
悩みを抱えている人は、「今の姿は子どもの全てではない」ということを心に留めておきましょう。
大人のマイナス感情を子どもは敏感に察知します。
子どもの可能性を信じて、楽しく働きかけていきましょう。
子どもが見たいのは、そんな大人の姿です(^ ^)
終わりに
本書の中には84個の手立てが掲載されています。
そのうち
- 「おうむ返しをする子への対応」
- 「目を合わせ遊び」
- 「クールダウンの言葉かけ」
などは、勤務している放課後デイサービスでもすぐに活用できました。
上記の内容は、あくまで私の感想です。
当然読んだ人によって、実践も変わりますし、子どもに合う合わないも変わってきます。
ただ教育手法は「研究結果が出て、多くの人に認められているものは大体効果が高い」というのは実感としてあります。
(意外と私はミーハーな人間です。)
なので、全員ではないかもしれませんが、より多くの人に役立つ本であると信じています(^ ^)
参考になれば幸いです!