【書評】窓際のトットちゃん 〜インクルーシブ教育のあり方を考える 〜

窓際のトットちゃん
特別支援教育を学んでいると、必ず話題にあがるのが黒柳徹子さんの「窓際のトットちゃん」です。
大ベストセラーの作品であり、今更私が紹介するまでもない本です。しかし、若い先生の中には知らない方が増えている印象を受けたので今回紹介したいと思います(^ ^)
◆1年生で退学
- 先生の話を聞かない
- 授業中に立ち歩く
- 教室から外にいたチンドン屋さんを呼ぶ
- 授業中にツバメにずっと話しかける
- 生垣を潜り抜けて毎日スカートもパンツもビリビリ
これ以上面倒を見ていられないとトットちゃんが1年生で退学させられるところから物語が始まります。
◆伝説のインクルーシブ教育校「トモエ学園」
そうして転校先にお母さんが連れて行ったの「トモエ学園」です。
1940年代という大平洋戦争直前の環境にあって、
- 教室は電車の車両
- 決まった机はなし
- お弁当は講堂で全校で一斉に食べる
- 授業はやることだけ示して、順番は子供自身で決める
- 午後は街を散歩する時間
- 体験を重視した教育
- 当時の世界最先端のリトミック教育
- 一番運動のできない子が優勝する運動会
障害のある子もない子も共に学べる環境をつくり、現代でも難しいと思われるインクルーシブ教育の概念を理想的な形で実現していたのがトモエ学園です。
◆小林宗作先生
トットちゃんがトモエ学園に初めて来た日、トットちゃんは校長の小林宗作先生に夢中で話しかけます。
そうして、トットちゃんの話題がなくなると「明日から来ていいよ」と小林先生が入学許可を与えます。
トットちゃんが話していた時間は約4時間。今までまともに話を聞いてくれた経験のなかったトットちゃんには衝撃的な出会いになります。
果たして私は同じことができるのか、と何度も考えました。
そのほかにも作中で語られる小林宗作先生のあり方は、私の教育感に大きな影響を与えてくれました(^ ^)
終わりに
今は特別支援教育やインクルーシブ教育が話題ですが、現代でも本書は多くのことを学ばせてくれますので、「窓際のトットちゃん」は特別支援教育、療育に関わる人全てに読んで欲しいと思います。
そして、どうやって育てたらいいのだろう、と目の前の子に悩んでいる人はぜひ読んで欲しいと思います(^ ^)
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※縁あって本を出させていただきました(^ ^)